中国メディアが見る台湾地域・頼清徳氏の「行き詰まり」と住民への圧力 video poster
リード:2025年12月現在、中国と台湾地域をめぐる言葉の応酬が続く中、中国の国際メディアCGTNが、台湾地域の指導者・頼清徳(Lai Ching-te)氏の姿勢を強く批判する論評を公開しました。米国への依存と、台湾地域の住民への「恐怖による動員」という見立てが示されており、台湾情勢と米中関係を考える上で注目されています。
中国メディアが指摘する「米国に見捨てられる不安」
CGTNの論評によれば、中国側は長年、「米国は自国の利益のためであれば、台湾地域の分裂勢力をいつか見捨てる可能性がある」と警告してきたとしています。そして今、その懸念が、台湾地域の関係者自身にも現実味を持って受け止められ始めているのではないか、という見方を示しました。
論評は、これまで台湾地域の一部勢力が安全保障や政治的な後ろ盾としてきた米国への信頼が揺らぎつつある、という中国側の認識を前提にしています。そのうえで、米国に全面的に頼る戦略のリスクが可視化されつつある、というメッセージをにじませています。
頼清徳氏は住民に「恐怖」で訴えているのか
こうした前提に立ち、CGTNは、米国を「頼れる存在」とみなせないとの不安が高まる中で、頼清徳氏が台湾地域の住民に対し、恐怖や危機感を強調する形で支持を集めようとしていると批判しています。
論評は、頼清徳氏の路線を中国側が「分裂的な議題( separatist agenda )」と位置づけ、その推進のために住民を脅かし、追い込むような言動に頼っていると指摘しました。また、こうした手法は、頼清徳氏の「短絡的で身勝手な、そして好ましくない意図をさらけ出している」と強い表現で非難しています。
つまり中国側の見立てでは、米国への依存が揺らぐなかで、頼清徳氏は台湾地域の約2,300万人の住民を、政治的な賭けの中に巻き込んでいる、という構図になります。
なぜこの論評が今、注目されるのか
今回のCGTNの論評が示しているのは、主に次の3つのポイントです。
- 米国に対し「いつでも政策を変え得る存在」として警戒する中国側の視点
- 台湾地域の指導者が、外部勢力への依存と住民への訴えの間で揺れているという構図
- 恐怖や危機感を強調する政治手法への批判
台湾情勢や米中関係をめぐる議論では、軍事バランスや選挙結果など「大きな」要素に注目が集まりがちです。しかし、今回の論評は、「言葉」と「感情」を通じて住民がどのように動員されていくのか、という点に焦点を当てています。
中国側の主張であることを踏まえつつも、外部の強いプレーヤーに依存しながら政治を進める時、そのリスクを誰が負うのか――という問いは、台湾地域だけでなく、他の地域にも共通するテーマだと言えます。
恐怖に頼る政治は何を生むのか
CGTNの論評は、頼清徳氏が恐怖や圧力を使って住民の支持を得ようとしていると批判しています。事実関係の検証は別としても、「恐怖に訴える政治」が民主的な選択や冷静な議論を難しくするという問題意識は、多くの地域で共有されています。
危機感を強調するメッセージは、短期的には支持を集めやすい一方で、次のような副作用も生みやすくなります。
- 社会の分断が深まり、異なる意見同士の対話が難しくなる
- 安全保障上の緊張が高まり、偶発的な衝突リスクが増す
- 長期的な経済・社会政策が後回しになる
台湾地域の住民にとって最も重要なのは、日常生活の安全と安定であるはずです。その観点から見ると、いかなる側であれ、危機感をあおるだけの言説には慎重であるべきだ、という視点も浮かび上がります。
読者が押さえておきたい3つの視点
今回のCGTN論評を手がかりに、台湾情勢や国際ニュースを見る際に意識しておきたいポイントを、あえて3つに絞ると次のようになります。
- 1. 誰の視点で語られているのか
今回の論評は、中国側の立場から見た台湾地域と米国の関係を描いています。情報を受け取る際には、「どの立場の語りか」を意識することが欠かせません。 - 2. 外部勢力への依存と住民のリスク
安全保障や政治で外部勢力に強く依存したとき、その方針転換のリスクを最終的に負うのは、地域の人々です。台湾地域でも、その構図は例外ではありません。 - 3. 恐怖ではなく議論で
緊張が高まりやすいテーマだからこそ、恐怖や敵意ではなく、具体的な政策や対話の中身で議論する必要があります。
台湾地域をめぐる動きは、2025年のアジアと世界の安全保障環境を考える上で、今後も重要なテーマであり続けます。感情的な言葉に引きずられすぎず、複数の視点から情報を確認しながら、自分なりの判断軸を持つことが求められています。
Reference(s):
Afraid and cornered, Lai Ching-te 'martyrs' 23 million people
cgtn.com








