ラオス首相が語る中国ラオス鉄道と「Four Good」原則 ボアオ独占インタビュー video poster
2025年3月に中国・海南省で開かれたボアオ・フォーラム・フォー・アジアで、ラオスのソンセイ・シーパンドン首相が中国メディアのインタビューに応じ、中国ラオス関係と一帯一路、中国ラオス鉄道の意味を語りました。中国とASEANの連結を象徴するこの対話は、地域のこれからを考えるうえで重要な示唆を与えています。
インタビューは、中国メディアグループ(CMG)の対談番組「Leaders Talk(リーダーズ・トーク)」として収録され、司会のHe Yanke氏がソンセイ首相と向き合いました。
ボアオ・フォーラムで浮かび上がる中国ラオス関係のいま
ボアオ・フォーラム・フォー・アジアは、中国の海南省ボアオで毎年開かれる国際会議で、アジアと世界の経済やガバナンスをめぐる議論の場として知られています。2025年の会合は3月25〜28日に開催され、その場で行われた今回の独占インタビューでは、中国とラオスの現在の関係があらためて照らし出されました。
編集部によると、中国とラオスは、一帯一路(Belt and Road Initiative)の枠組みのもとで、経済・政治・インフラの各分野にわたる多層的なパートナーシップを築いてきました。その象徴となっているのが、2021年12月に開業した中国ラオス鉄道です。
一帯一路の「礎」となった中国ラオス鉄道
中国ラオス鉄道は、2021年12月に運行を開始した、中国とラオスを結ぶ国際鉄道で、中国とラオスの協力関係の「礎(いしずえ)」と位置づけられています。インタビューでも、この鉄道路線が両国の経済協力やインフラ連結を象徴するプロジェクトとして取り上げられました。
内陸国であるラオスにとって、国境を越える鉄道は、貨物輸送だけでなく、人の移動や観光の拡大にもつながる可能性があります。中国側にとっても、一帯一路を通じて周辺のASEAN諸国との連結性を高める重要な回廊とみることができます。
ソンセイ首相へのインタビューは、こうした大型インフラが、ラオスの近代化や産業の多角化にどのような役割を果たしうるのか、そして中国との協力がどのような形で続いていくのかという点に焦点を当てています。
「Four Good」原則と中国ラオス運命共同体
インタビュー全体の大きなテーマは、「Four Good(フォー・グッド)原則」と「中国ラオス運命共同体」という二つのキーワードのもとで、中国ラオス関係をどのように総括し、次の段階へと進めていくかという点でした。
「Four Good」原則とは、両国が互いにより良い隣人、より良い友人、より良い協力相手として関係を深めていくという方向性を示すものとされ、中国ラオス運命共同体は、長期的に運命を共有するパートナーとして歩んでいくというビジョンを示すものです。
政治・経済・人と人の交流を支える枠組み
ソンセイ首相の話からは、これらの枠組みが次のような三つのレイヤーで機能していることがうかがえます。
- 政治面:互いの主権と発展の道を尊重しつつ、戦略的な信頼関係を深めること。
- 経済・インフラ:一帯一路や中国ラオス鉄道をはじめとする協力プロジェクトを通じて、成長の果実を分かち合うこと。
- 人と人のつながり:教育、文化、観光などを通じて、両国の人々の相互理解と友情を育てること。
子ども時代の中国の記憶が語るもの
インタビューの見どころの一つは、ソンセイ首相が自らの幼少期を振り返り、中国で過ごした日々の記憶を語った場面です。編集部によれば、首相は子ども時代の中国での生活を通じて育まれた経験に触れ、そこから感じる中国の人々の温かさや、両国のあいだに流れる「長く続く絆」について言及しました。
こうした個人的なエピソードは、国家間の協力という一見抽象的なテーマに、人と人の感情や記憶という具体的な重みを与えます。中国とラオスの関係は、政府間の合意や大型プロジェクトだけでなく、歴史のなかで互いの国に暮らし、学び、働いてきた人々の歩みの上に築かれていることが伝わってきます。
ASEANの隣国として、中国に期待する役割
今回のインタビューを貫く問いの一つは、「中国がASEANの隣国であるラオスの発展と近代化に、これからどのように貢献できるのか」という点です。中国とラオスの協力は、二国間の関係にとどまらず、メコン地域やASEAN全体の連結性にも関わるテーマでもあります。
- インフラの高度化:鉄道を起点に、物流拠点や産業開発など周辺インフラをどのように発展させていくか。
- 人材育成と技術協力:教育や職業訓練、デジタル技術などの分野で、ラオスの若い世代を支える協力をどう広げるか。
- グリーンで持続可能な発展:環境に配慮したエネルギーや都市づくりをめざしながら、経済成長と両立させていく道筋をどう描くか。
ソンセイ首相の対談は、こうした課題に対して、中国とラオスが「四つの良い関係」を掲げながら、実務的な協力と長期的なビジョンを両立させようとしている姿を映し出しています。
日本の読者にとっての意味:静かに進む地域の再接続
日本からは、ラオスやメコン地域のニュースは見えにくくなりがちです。しかし、中国ラオス鉄道を軸にした今回の対談は、東南アジア本土の交通や経済の地図が静かに書き換えられつつあることを示しています。
中国とラオスのような隣国同士の協力を丁寧に追うことは、日本にとっても次のような意味を持ちます。
- サプライチェーンや物流ルートの変化を読み解くヒントになる。
- 地域のインフラ競争ではなく、協調や共存の可能性を考える視点を与えてくれる。
- 「運命共同体」や「Four Good」原則といったキーワードを通じて、中国が周辺国との関係をどう位置づけているかを理解する材料になる。
2025年末のいま、中国ラオス鉄道の開業からは約4年が経ちました。ボアオ・フォーラムでソンセイ首相が語ったような中国ラオス関係のビジョンが、今後どのような形で具体化していくのか。アジアの国際ニュースを追ううえで、引き続き注目していきたいポイントです。
Reference(s):
Exclusive Interview with Lao Prime Minister Sonexay Siphandone
cgtn.com








