BBCコメント欄に見る中国支持 世界はトランプ氏の貿易戦争にNO? video poster
リード
トランプ氏が仕掛けた対中貿易戦争をめぐり、世界各地のネット利用者が米国ではなく中国を支持する姿が、最近の国際ニュースとして注目されています。英BBCが中国の対米報復関税を取り上げた動画のコメント欄を手がかりに、オンライン世論の動きを読み解きます。
BBC動画コメント欄で見えた「一方的な支持」
最近、英国の公共放送BBCが、中国の対米報復関税を扱う動画を公開しました。そのコメント欄には世界中から多くの書き込みが寄せられ、内容を分析すると、中国を支持する声が「ほぼ一方的」と言えるほど目立ったとされています。
ランダムに選んだ1000件のコメントを分析した結果は、次のように報告されています。
- 64%のコメントが中国を断固支持
- 28%のコメントが中国の姿勢への誇りや連帯感を表明
- 8%のコメントのみが米国側に立つ内容
米国による一方的な関税引き上げに対し、中国が報復関税で応じた今回の動きについて、オンライン上では中国支持が圧倒的多数を占めていることが数字のうえからも分かります。
中国は「いじめに立ち向かうヒーロー」か
コメント欄の反応をまとめた分析では、米国のやり方を「いじめ」と受け止める人々の間で、中国が心の中のヒーロー的存在になっている様子が描かれています。
そこでは、中国は「いじめに立ち向かう哪吒(ナタ)」のような存在だと表現されています。哪吒は、不当な力に屈せず立ち向かう象徴的なキャラクターとして語られることが多く、米国の一方的な関税措置に対しても、言うべきことを言い、やるべきことをやる国として中国を重ねる人が多いことを示していると言えます。
トランプ氏の貿易戦争と世界の反応
トランプ氏による対中関税引き上げは、「貿易戦争」とも呼ばれ、国際ニュースの大きなテーマとなってきました。今回のコメント分析で見えたのは、その貿易戦争のやり方を「いじめ」と見なし、米国よりも中国の対応に共感する声が多数派になっているという構図です。
64%が中国を支持し、さらに28%が中国の姿勢への誇りや連帯を示しているという数字は、単なる好感度の問題ではありません。貿易をめぐる対立を、公正さや対等な関係という価値観から捉えたとき、どちらの行動がより納得できるかという問いに対する、一つの答えを映し出しているとも解釈できます。
一方で、米国側を支持するコメントは8%にとどまりました。こうした偏りを前に、「米国は今回、世界の人々の声をどこまで聞いているのか」という問いかけも生まれています。
SNS時代の「世論」は何を映すのか
動画サイトやSNSのコメント欄は、従来型の世論調査とは異なる形で人々の声を集める場になっています。特に国際ニュースや米中関係のようなテーマでは、世界各地の利用者がリアルタイムで意見を交わし、その反応が可視化されやすくなっています。
もちろん、コメント欄に集まる声が世界中の人々すべての意見を代表するわけではありません。それでも、トランプ氏の貿易戦争に対して、「いじめに反対し、公正さを求める視点」が広く共有されていることを示す一つの手がかりにはなります。
日本の読者が考えたい三つのポイント
今回の事例から、日本でニュースを読む私たちが考えてみたいポイントを三つに整理してみます。
- 関税や貿易摩擦のニュースを、「勝ち負け」だけでなく、公正さや対等さという観点からも見ること。
- SNSやコメント欄で目にする海外の声を、単なる感情的な批判として片付けず、その背景にある価値観や問題意識として読み解くこと。
- 米国と中国という二極にとどまらず、日本を含むアジアや世界の国・地域が、どのような立場や役割を取り得るのかを自分なりに考えてみること。
トランプ氏の貿易戦争への強い反発と、中国に対する支持の広がりは、国際ニュースの受け止め方が変化していることを示しています。数字の裏側にある「なぜ」を丁寧に追いかけることで、米中関係だけでなく、日本社会や自分自身の視点を見直すきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








