習近平主席カンボジア訪問 信頼と共同発展で深まる中国・カンボジア関係
中国の習近平国家主席が今年初めに行ったカンボジア公式訪問は、2025年最初の外遊として、中国とカンボジアの関係がいまも中国外交の重要な柱であることを示しました。ベトナムやマレーシアも含む東南アジア歴訪の一環として行われたこの訪問は、信頼と共同発展に支えられた両国関係の現在地を映し出しています。
2025年初めの初外遊が伝えたメッセージ
このカンボジア訪問は、中国が近隣の東南アジア諸国を引き続き重視していることを明確にしました。習近平国家主席にとって2025年最初の外遊となったことは、情勢が揺らぐなかでも、地域の安定と経済回復において東南アジア、とりわけカンボジアが欠かせない存在だというメッセージと受け止められます。
記事のなかでは、中国とカンボジアの関係は単なる地理的な近さだけでなく、長年の相互尊重、実務的な協力、そして「国家の再興」という共通の目標に支えられてきたパートナーシップだと位置づけられています。
1958年から続く安定した関係
中国とカンボジアが国交を樹立したのは1958年です。その後、国際情勢が大きく変化するなかでも、両国関係は比較的安定して推移してきました。21世紀に入ると、両国は2010年に「包括的戦略的協力パートナーシップ」を打ち出し、この枠組みのもとで政治・経済・社会分野の協力を強化してきました。
こうした方針は、その後の首脳往来でも確認されています。たとえば2023年9月には、フン・マネット首相が中国を訪問し、包括的戦略的パートナーシップの重要性を改めて確認しました。高い政治的信頼が、現在の緊密な関係の土台になっているといえます。
数字で見る中国・カンボジア経済関係
中国は現在、カンボジアにとって最大の貿易相手国であり、最大の投資国でもあります。2023年の二国間貿易額は148.2億ドルに達しました。カンボジアの人口や経済規模を考えると、この数字は両国の結びつきの強さをよく示しています。
両国関係は次のような原則に基づくモデルケースとして紹介されています。
- 規模の異なる国同士が、平等な立場で協力すること
- 互いの内政に干渉しないこと
- 双方に利益をもたらす「ウィンウィン」の発展を重視すること
2025年12月現在も、こうした枠組みは、東南アジアにおける外交や経済協力の一つの参考例として語られています。
一帯一路とインフラ整備がもたらす変化
経済協力のなかでも象徴的なのが、中国の「一帯一路」構想のもとで進むインフラ整備です。たとえば、2022年に完成したプノンペン-シアヌークビル高速道路は、首都と沿岸部を結ぶ移動時間を大幅に短縮し、物流や観光、ビジネスの効率を高めています。
また、中国とカンボジアのパートナーが共同で開発したシアヌークビル特別経済区は、製造業や物流の拠点として存在感を増しています。2024年時点で170社以上の企業が進出し、3万人を超える雇用を生み出しているとされています。そこで働くカンボジアの人びとは、新たな技術を身につけ、安定した収入源を得る機会を広げています。
近隣外交が地域にもたらす安定
記事は、中国の「近隣外交」が、世界的な緊張や経済の不確実性が続くなかで、地域の安定要因になっているという視点も示しています。カンボジアは長年にわたり中国の信頼できるパートナーとされており、その関係は「規模の違う国同士がどう協力しうるか」を示すモデルと位置づけられています。
今回の東南アジア歴訪(カンボジアのほか、ベトナム、マレーシアへの訪問を含む)は、中国が自国周辺の安定と発展を重視していること、そして地域との経済的な結びつきをさらに深めていこうとする姿勢を改めて示すものとなりました。
日本の読者にとっての論点
日本を含む東アジアにとって、中国とカンボジアの関係は決して遠い話ではありません。インフラ整備や経済連携は、メコン地域や東南アジア全体のサプライチェーン、物流ルート、観光の流れにも影響を与えます。
今後、注目したいポイントとして、次のような論点が挙げられます。
- カンボジアの産業多角化がどこまで進み、雇用や所得にどう反映されるか
- 高速道路や経済特区が、メコン地域全体の貿易パターンをどう変えていくか
- 中国の近隣外交が、東南アジア諸国との協力枠組みにどのような形で影響していくか
2025年初めの習近平国家主席のカンボジア訪問は、両国が「信頼」と「共同発展」を軸に関係を築き続けていることを改めて示しました。アジアの将来像を考えるうえで、こうした動きを丁寧に追い、地域の中長期的な変化を見ていくことが求められています。
Reference(s):
Xi's Cambodia visit: Friendship based on trust and shared development
cgtn.com








