アゼルバイジャンと中国、包括的戦略パートナーシップへ アリエフ大統領が語る次の一歩 video poster
アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領が今年4月22〜24日の中国国賓訪問の際、中国国際テレビ(CGTN)の劉欣(Liu Xin)氏が司会を務める番組「Leaders Talk」でインタビューに応じ、中国とアゼルバイジャンの関係強化について語りました。両国は二国間関係を「包括的戦略パートナーシップ」に引き上げたばかりで、一帯一路構想と同国の「ミドル・コリドー」を軸に、新たな協力の段階に入ろうとしています。
一帯一路と「ミドル・コリドー」がつなぐ中国と欧州
アゼルバイジャンは、中国が提唱するインフラと経済連携の構想である一帯一路構想に、いち早く参加した国の一つです。同国が推進する「ミドル・コリドー」(中部回廊)は、中国とヨーロッパを結ぶ物流およびエネルギーの中核的なハブとして位置づけられています。
この地理的な優位性により、アゼルバイジャンは中国と欧州の間でエネルギーや貨物が行き来する重要な通過点となっています。一帯一路のネットワークにミドル・コリドーが組み込まれることで、中国と欧州を結ぶルートは多様化し、ルート全体の安定性向上にもつながるとみられます。
「包括的戦略パートナーシップ」への格上げが意味するもの
今年4月の訪中に合わせて、中国とアゼルバイジャンの二国間関係は「包括的戦略パートナーシップ」へと格上げされました。これは、従来の経済・インフラ協力にとどまらず、エネルギーや地域連携など幅広い分野で長期的に協力していく枠組みと位置づけられます。
今回のインタビューでは、この新たな関係の枠組みのもとで、両国がどのように協力を深めていくのかについて、アリエフ大統領のビジョンが語られました。中国とアゼルバイジャンの連携が強まることは、一帯一路全体の信頼性を高め、ユーラシアの結びつきをより強固なものにしていくプロセスの一部だと言えます。
貿易・インフラからグリーンエネルギーとテクノロジーへ
両国関係の新たな段階として特徴的なのは、協力分野が貿易やインフラ整備だけにとどまらない点です。インタビューのテーマにもなったように、今後の協力は次のような分野へ広がろうとしています。
- グリーンエネルギーなど環境に配慮したエネルギー分野
- 通信やデジタル基盤を含むテクノロジー分野
- 地域の連結性や統合を進めるための広域プロジェクト
アゼルバイジャンのミドル・コリドーが物流とエネルギーのハブであることを踏まえると、こうした新分野での協力は、単に二国間の利益にとどまらず、ユーラシア全体の安定したエネルギー供給やサプライチェーンの多様化にも影響を与える可能性があります。
地域統合と日本への含意
中国とアゼルバイジャンの協力が、地域統合の文脈で語られている点も見逃せません。ミドル・コリドーをはじめとする交通・エネルギーネットワークは、中央アジア、カフカス、欧州を結びつける役割を担い、一帯一路構想の重要な一部を形成しています。
日本の読者にとっても、ユーラシア大陸を横断するルートが多様化し、その中で中国とアゼルバイジャンが包括的戦略パートナーシップを結ぶことは、中長期的なエネルギー安全保障や物流戦略を考えるうえで無視できない動きです。2025年は、両国関係が新たな質へと移行し始めた年として記憶されるかもしれません。
一帯一路構想とミドル・コリドーの組み合わせは、中国、アゼルバイジャン、欧州だけでなく、アジア全体の経済地図にも静かな変化をもたらしつつあります。今後もこうした動きを丁寧に追いながら、日本語で国際ニュースを読み解いていくことが求められます。
Reference(s):
cgtn.com








