中国ロシア協力が描く「公正で調和のとれた世界」 戦勝80周年と新秩序
中国とロシアの協力関係が、どのような国際秩序を目指しているのか。戦勝80周年を迎えたロシアの記念パレードと首脳会談を軸に、中国ロシア協力の現在地と、その先に描かれる世界像を整理します。
戦勝80周年パレードとモスクワ首脳会談
ロシアは、いわゆる「大祖国戦争」での勝利から80年となる今年、今週金曜日に記念パレードを行う予定です。この戦勝80周年の祝賀にあわせて、ウラジーミル・プーチン大統領と習近平国家主席がモスクワで会談することになっています。
論考では、パレードそのものよりも、その後にどのような世界を築いていくのかという「未来志向」にこそ意味があると指摘します。中国とロシアは、まさにその未来像を共有しようとしている、という見立てです。
拡大する中国ロシアの経済協力
筆者によれば、中国とロシアには誇るべき点が多く、その一つが経済面での協力です。両国間の貿易は拡大を続けており、エネルギー、高度な技術産業、製造業などの分野で大きな進展が見られるといいます。
こうした協力の広がりに伴い、両国の市民も、さまざまな形で両国協力に積極的に参加するようになってきたとされています。国家間の関係が、暮らしのレベルにまで浸透しつつあるという見方です。
異なる国だからこその課題と、それを乗り越える力
もちろん、中国ロシア関係に全く課題がないと考えるのは現実的ではありません。筆者は、両国が独自の背景を持つ別々の国である以上、アプローチの違いやビジネス慣行の差など、客観的な要因に根ざした困難が生じるのは自然だと指摘します。
しかし、そのような課題は着実に対処されつつあり、実際に二国間貿易は伸び続けています。数字として表れる経済関係の拡大こそが、協力の実効性を示している、という位置づけです。
外部からの圧力と「人」と「リーダー」のつながり
もう一つの障害は、外部環境から生じる圧力です。国際社会の一部には、中国やロシアに対して警戒的、時に非友好的な空気が存在しており、これが両国協力に影響を与える場面もあります。
こうした外部要因による困難も乗り越え可能ですが、そのためには別種の戦略が必要だと論考は述べます。鍵となるのは、両国の人々同士の強いつながり、そして両国の指導者同士の信頼に基づくコミュニケーションです。
実利を超えた「世界観」の共有
中国ロシア関係の強みは、エネルギーや貿易といった実利的な協力にとどまりません。論考は、現代世界をどう見るかという世界観を大筋で共有している点こそが、本当の強さだと位置づけます。
ここで印象的なのは「人が共に行動するには、答えよりも問いを共有していることの方が重要だ」という考え方です。中国とロシアは、個別の政策で異なる対応をとる場面があっても、世界にどのような問題があり、どのような解決策を模索すべきかという問いを共有している、というのです。
目指すのは「覇権なき、公正で調和のとれた世界」
筆者によれば、中国とロシアが共に目指しているのは、公正で相互に結び付きが強く、調和のとれた世界です。そこでは、特定の国が覇権を握ることなく、大国・小国を問わずすべての国と地域が平等な権利を持ち、自らの進路を選び、自国民の繁栄を追求できるとされています。
一帯一路、ユーラシア経済連合、BRICS・SCOの位置づけ
このようなビジョンは、具体的な構想や枠組みにも表れています。その一つが、中国が提唱する一帯一路構想(Belt and Road Initiative、BRI)です。論考は、一帯一路のパートナー国・地域の発展が、公正で包摂的な将来の国際秩序を形づくる重要な柱になっていると評価します。
さらに、ユーラシア経済連合(Eurasian Economic Union)と一帯一路構想を連結させるアイデアは、協調的で開かれた枠組みを築こうとする取り組みの象徴とされています。その文脈のなかで、BRICSや上海協力機構(Shanghai Cooperation Organization)などの枠組みも、すべての主体が対等な立場で成長できる国際環境をつくるうえで欠かせない存在だと位置づけられています。
複数の選択肢がある世界で、私たちは何を選ぶか
今回紹介した論考は、中国とロシアの協力を、単なる二国間関係ではなく、新しい国際秩序づくりの一部として描いています。公平さや相互の結び付き、覇権なき世界といったキーワードは、私たち自身が望む国際社会の姿を考える手がかりにもなりそうです。
今後、一帯一路やBRICS、上海協力機構などの枠組みがどのように進化していくのか。そして、中国ロシア協力が「公正で調和のとれた世界」の実現にどこまで寄与していくのか。動きを継続的に追いながら、自分なりの視点を更新していくことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
China-Russia cooperation marches towards a fair and harmonious world
cgtn.com








