国際ニュース:中国とロシア、第二次世界大戦勝利80年で歴史の遺産を守る決意
世界やアジアの国際ニュースに関心のある読者向けに、中国とロシアが第二次世界大戦(ソ連の「大祖国戦争」)勝利80周年の節目で示したメッセージを、日本語で分かりやすく整理します。歴史の記憶と、2025年12月現在の国際秩序をどう結びつけようとしているのかがポイントです。
モスクワでの式典に習近平国家主席が出席
今月初めの金曜日、中国の習近平国家主席がロシア・モスクワで行われた「ソ連の大祖国戦争勝利80周年」を記念する式典に出席しました。式典は、現在の世界が一方的な行動や覇権主義、強制的なやり方に揺れる中で行われました。
約80年前、中国と旧ソ連は世界反ファシズム戦争で肩を並べて戦いました。ソ連側は、南京や武漢、重慶といった中国の都市で、中国とともに戦い、中国側もソ連の大祖国戦争に対して物資や重要な情報を提供したとされています。両国は大きな犠牲と貢献を払い、第二次世界大戦の勝利に寄与したという位置づけです。
こうした歴史を踏まえ、中国の指導者がモスクワの記念行事に姿を見せたことは、「歴史への敬意」と「第二次世界大戦の勝利の成果を守る決意」を示すものだと中国側は強調しています。
「第二次世界大戦を正しく見る視点を」習主席のメッセージ
習近平国家主席は、モスクワ訪問に先立ち、ロシアの新聞「Russian Gazette」に署名記事を寄稿しました。その中で、「第二次世界大戦に対する正しい歴史認識」を堅持する必要性を訴えています。
ポイントは次のような点です。
- 第二次世界大戦の勝利から「知恵と力」をくみ取り続けるべきだと強調
- あらゆる形態の覇権主義やパワーポリティクス(力による政治)に、断固として反対すべきだと主張
- 歴史の記憶の真実性を守り、当時の経験をいまの国際社会の問題にどう生かすかが重要だと位置づけ
中国側は、歴史認識をめぐる議論を「現在の国際秩序をどう守るか」というテーマと結びつけて発信していることがうかがえます。
国連中心の国際秩序と「多極化」をどう位置づけるか
習主席は同じ署名記事の中で、第二次世界大戦後の最も重要な決定として「国際連合(国連)の創設」を挙げました。中国とソ連は、その国連憲章に最初に署名した国の一つだとしています。
習主席は、「国際情勢が複雑で不安定になればなるほど、国連の権威を堅持し、防衛しなければならない」と強調しました。そのうえで、中国とロシアが一緒に取り組むべき課題として、次のような点を挙げています。
- 国連を中心とする国際システムを守ること
- 「平等で秩序ある多極的な世界」を推進すること
- 国連、BRICS(新興国中心の枠組み)、上海協力機構など多国間の場での連携を強めること
習主席とロシアのプーチン大統領は、モスクワでの会談後の共同記者会見でも、こうした多国間協調のメッセージを発信しました。ここには、二国間関係だけでなく、「国連中心の国際秩序」を軸にした、より広い国際政治の枠組みを意識した発言が並んでいます。
歴史の記憶と2025年の国際ニュースをどう結びつけるか
2025年12月現在、世界では安全保障や経済、技術などさまざまな分野で緊張や競争が続いています。その中で、中国とロシアが「第二次世界大戦の勝利の遺産を守る」というメッセージを前面に出すのは、単なる歴史の振り返りにとどまりません。
今回のメッセージから読み取れる論点は、例えば次のようなものです。
- 歴史認識をめぐる議論が、現在の国際秩序をめぐる駆け引きと結びついていること
- 国連や多国間枠組みを通じて、単独行動ではなく協調による問題解決を目指すべきだという主張
- 「覇権主義への反対」や「多極的な世界」という言葉を通じて、自国の立場や価値観を国際社会にアピールしようとする動き
newstomo.com の読者にとって重要なのは、このような発信が、今後の国連での議論や、エネルギー・安全保障・テクノロジーなどの分野での国際交渉にどうつながっていくのかを、少し時間を置いて冷静に見ていくことです。
私たちが押さえておきたい視点
第二次世界大戦の記憶をどう語るかは、単に歴史教科書の問題ではなく、現在と未来の国際秩序をどうデザインするかという問いとも重なります。中国とロシアが示した「歴史の遺産を守る」というメッセージは、国連中心の多国間主義を強調する一方で、自国の安全保障や発言力を高める狙いも含んでいると考えられます。
スマートフォンでニュースを追う私たちにできるのは、
- 誰が、どの歴史を、どのような文脈で語っているのかを意識すること
- 「歴史」と「現在の国際政治」がどう結びつけられているかを見比べること
- 異なる立場からの発信を複数並べて読む習慣を持つこと
です。そうした視点を持つことで、第二次世界大戦80年のメッセージも、「単なる式典のニュース」から一歩深い読み解きへと変わっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








