中国-CELACフォーラム10年目 中国とラテンアメリカの国際ニュース video poster
2025年、中国とラテンアメリカ諸国が参加する中国-CELACフォーラムが発足から10年を迎えました。南南協力や国際ニュースの文脈で、この枠組みの意味があらためて注目されています。
中国-CELACフォーラム10年目に見えるもの
中国-CELACフォーラムは2015年に立ち上がり、この10年間で、政治的な信頼の構築、各国の開発戦略のすり合わせ、人と人との交流の深化を進める場として位置づけられてきました。2025年12月時点で、フォーラムは第2の10年に向けた節目にあります。
世界的な不確実性が高まるなかで、この地域対話の枠組みは、単に二国間の関係を積み上げるだけでなく、広い意味での地域統合と協調のプラットフォームとして機能することが期待されています。
南南協力とグローバル・ガバナンス改革
中国-CELACフォーラムの特徴の一つとして挙げられているのが、南南協力の推進とグローバル・ガバナンス改革への貢献という視点です。いま、国際秩序のあり方をめぐる議論が続く中で、途上国や新興国同士が、自らの経験や優先課題にもとづいて声を上げることの重要性が増しています。
このフォーラムは、そのようなグローバル・サウスの視点を共有し、国際的なルールづくりや制度改革にどう関わるかを話し合う場としても注目されています。中国とラテンアメリカ諸国が、従来の枠組みに依存しすぎない協力のかたちを模索しているとも言えます。
共同の前進とローカル・オーナーシップ
中国-CELACフォーラムのモデルは、共同の前進とローカル・オーナーシップを重視する点に特徴があります。従来の援助モデルでは、援助する側が優先課題を設定し、受け取る側がそれに合わせる構図になりがちでした。
これに対して、中国とラテンアメリカ諸国の対話では、参加国自身が開発戦略を示し、その中でどのような協力が望ましいかをすり合わせていこうとする発想が前面に出ています。主体性を尊重しつつ、互いの強みを組み合わせることで、より長期的で安定した関係を築こうとする試みです。
包摂的で長期的な発展をめざす経済協力
経済協力のあり方も重要な論点です。中国とラテンアメリカの経済関係は、今後、どのように進化すれば包摂的で長期的な発展を支えられるのかが問われています。
短期的な取引にとどまらず、雇用、人材育成、技術移転、地域の産業構造の強化といった要素をどう組み込むかが焦点になります。中国-CELACフォーラムを通じて、経済協力をより広い社会的目標と結びつける試みが進めば、地域の不平等や格差の緩和にもつながる可能性があります。
米中競争のなかで自律性をどう守るか
一方で、米中競争が世界各地で意識されるなか、ラテンアメリカ諸国はどう自らの立場を形づくるのかという点も避けて通れません。フォーラムを通じた中国との関係強化は、同時に、外交や経済の選択肢を多様化する手段としても捉えられています。
多くの国にとっての課題は、特定の大国に依存するのではなく、複数のパートナーと関係を築きながら、自らの自律性と政策余地を確保することです。中国との連携を深めつつも、他地域とのつながりも維持・拡大することで、変動の大きい国際環境の中でバランスを取ろうとする動きが見られます。
グローバル・サウスの声を映す議論
こうしたテーマは、中国の国際ニュースを発信するCGTNの番組 Global South Voices でも取り上げられています。この特集では、司会のWang Guan氏が、中国-CELACフォーラムの役割や今後の展望について、複数の専門家と議論しています。
出演者には、CEBRIのシニアフェローであるLarissa Wachholz氏、Colombian Chinese Chamber of Investment and CommerceのIngrid Tatiana Chaves氏、Shanghai UniversityのCenter for Latin American Studiesを率いるJiang Shixue氏、Sun Yat-sen UniversityのDaniel Morales氏が名を連ねています。研究者やビジネスの専門家が参加し、中国とラテンアメリカの関係を多角的に捉えようとする試みです。
これからの10年に向けて
中国-CELACフォーラムが第2の10年に入ろうとするいま、問われているのは次のようなポイントです。
- 共同の前進とローカル・オーナーシップをどこまで具体化できるか
- 経済協力を包摂的で長期的な発展とどう結びつけるか
- 米中競争の中で、ラテンアメリカ諸国の自律性と選択肢をどう広げるか
- 南南協力を通じて、グローバル・ガバナンス改革にどのような形で貢献するか
日本の読者にとっても、中国とラテンアメリカの動きは、グローバル・サウスがどのように国際秩序の再構築に関わろうとしているのかを知る手がかりになります。読みやすい日本語ニュースを通じて、世界の動きを自分ごととして捉え直すことが、これからの国際社会を考えるうえでますます重要になっていきそうです。
Reference(s):
Partners in progress: China & Latin America in building shared future
cgtn.com








