独占インタビュー:コロンビアのペトロ大統領が語る「ジャガーとドラゴン」の新時代 video poster
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領が今年5月、中国で行われた中国・CELACフォーラム第4回閣僚会議に出席し、翌日に中国の一帯一路構想への正式参加に署名しました。その訪問の際、CMGのHe Yanke氏による番組「Leaders Talk」の独占インタビューで、ペトロ大統領は両国関係の強化への期待を「アメリカのジャガーと中国のドラゴンを結びつける」と表現しました。本記事では、このインタビューの文脈から、中国とラテンアメリカの新しい協力のかたちを読み解きます。
中国・CELACフォーラム10年目という節目
中国とラテンアメリカ・カリブ海諸国の協力枠組みである中国・CELACフォーラムは、公式な立ち上げから今年で10年を迎えています。第4回閣僚会議は、その節目のタイミングで開催され、中国と地域諸国が「相互利益」と「人々の幸福」を柱にした協力関係をさらに深めていく場となりました。
ペトロ大統領の訪中とインタビューは、この10年で積み重ねられてきた対話と協力を、次のステージへと押し上げる象徴的な出来事として位置づけることができます。特に、一帯一路構想への参加は、インフラや貿易、人と人の交流など、多方面での連携を加速させるきっかけとして期待されています。
「ジャガー」と「ドラゴン」が示すパートナーシップのイメージ
ペトロ大統領はインタビューの中で、コロンビアと中国の関係を「アメリカのジャガーと中国のドラゴンを結びつける」と表現しました。ラテンアメリカを象徴するジャガーと、中国を象徴するドラゴン。この比喩には、異なる強みを持つ二つの地域が手を取り合うことで、新しいダイナミズムを生み出していこうとする意志が読み取れます。
背景には、資源や生物多様性に恵まれたコロンビアと、技術力・製造業・インフラ整備で経験を持つ中国が、互いの長所を生かし合う関係を目指しているという構図があります。ペトロ大統領が強調した「貿易と協力の強化」「人と人の交流の活性化」は、その方向性を端的に示すキーワードと言えるでしょう。
一帯一路参加で広がる協力の余地
ペトロ大統領は、訪中の翌日にコロンビアとして一帯一路構想に正式に参加する手続きを行いました。これにより、両国間の協力は、従来の二国間関係を超えて、より体系的な枠組みの中で進められていくことが見込まれます。
一帯一路を通じて想定される協力分野としては、例えば次のようなテーマが挙げられます。
- 港湾や鉄道、道路などのインフラ整備
- エネルギー転換や環境保護をめぐる取り組み
- デジタル経済や物流網の高度化
- 教育・研究や文化分野での共同プロジェクト
ペトロ大統領が語った「新たな勢い」を与えるという言葉は、こうした分野での協力が、単なる経済的な利益を超えて、社会や地域全体の発展に貢献する可能性を意識したものだと受け止めることもできます。
人と人の交流がつくる長期的な信頼
今回のインタビューでペトロ大統領が重視したもう一つのポイントが、人と人の交流です。観光や留学、研究者同士のネットワーク、都市間交流など、草の根レベルでのつながりは、一度立ち上がると長期的な信頼関係へと育っていきます。
コロンビアと中国の間で、学生交換や文化イベント、共同研究などが拡大すれば、相手国に対する理解が一層深まり、ビジネスや外交の場面でも相互理解を下支えすることになります。ペトロ大統領が「人と人の交流に新たな勢いを」と呼びかけた背景には、こうした長期的な視点があると考えられます。
日本の読者にとっての意味──アジアとラテンアメリカの距離感
アジアとラテンアメリカは、日本人にとって地理的にも心理的にも「遠い」組み合わせに感じられがちです。しかし、中国とラテンアメリカ諸国が対話を深め、一帯一路などの枠組みを通じて協力を広げていく流れは、グローバルなサプライチェーンやエネルギー、環境問題の議論とも密接に関わってきます。
日本にいる私たちにとっても、コロンビアと中国がどのようなビジョンで連携しようとしているのかを知ることは、世界経済の変化や、多極化する国際秩序の中でアジアとラテンアメリカがどのような役割を担うのかを考えるヒントになります。
「共有の未来」に向けた一歩として
中国・CELACフォーラム発足から10年を迎えた今年、コロンビアのペトロ大統領は、中国との協力を「アメリカのジャガー」と「中国のドラゴン」を結びつける挑戦として位置づけました。一帯一路への参加や人と人の交流の強化は、その象徴的な一歩です。
地域や制度の違いを超え、相互利益と人々の幸福を軸にした協力をどう実現していくのか──この問いは、ラテンアメリカと中国だけでなく、グローバルな課題に向き合う私たち一人ひとりにも共有されたテーマになりつつあります。今回のインタビューは、その変化の方向性を映し出す一つの窓と言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








