世界環境デーとプラスチック汚染:UNEPと韓国が呼びかける行動
世界環境デーにあわせて、国連環境計画(UNEP)と韓国が掲げる合言葉が「#BeatPlasticPollution」。私たちの体の中にまで入り込むプラスチック汚染の実態と、その意味を整理します。
世界環境デーとグローバルな呼びかけ
世界環境デーでは、国連環境計画(UNEP)とホスト国の韓国が、世界中のコミュニティに向けてプラスチック汚染を終わらせる行動を起こすよう呼びかけています。ハッシュタグ「#BeatPlasticPollution」は、その象徴的な合言葉です。
プラスチックは医療やクリーンエネルギー技術など、多くの場面で人類に恩恵をもたらしてきました。便利で耐久性のある素材であり、より安全で環境負荷の少ない社会への移行にも役立つ側面があります。
それでも「使い捨てプラスチック」が世界を覆う
問題は、私たちがプラスチックを「どう作り、どう使い、どう捨てているか」です。特に、必要というより単なる「便利さ」のために使われる、使い捨てや寿命の短い製品が、世界をプラスチックごみで覆い尽くしています。
マイクロプラスチックは私たちの体の中にも
今朝、プラスチック製のお皿の上で朝食をとった人はあまりいないはずです。それでも、多くの人の体の中には、すでにプラスチックが入り込んでいる可能性があります。
微小なプラスチック片であるマイクロプラスチックは、世界各地の人々の動脈、肺、脳、胎盤、母乳の中からも見つかっています。どのような健康影響をもたらすのか、研究は進んでいるものの、まだ分かっていない点も多く残されています。
確かなのは、私たちはそれを「望んで」体内に取り込んだわけではないこと、そして本来そこにあるべきものではないということです。マイクロプラスチックが体内に蓄積し続ける流れを止めるには、プラスチック汚染そのものを終わらせるしかありません。
海から山頂まで、どこにでも届く汚染
推計によれば、毎年およそ1100万トンのプラスチックが水域の生態系に漏れ出し、さらに約1300万トンが土壌に蓄積しているとされています。
こうしたプラスチックごみは、世界で最も深い海であるマリアナ海溝から、世界最高峰として知られるチョモランマ(エベレスト)に至るまで、あらゆる場所に届いています。プラスチックはやがて細かく砕け、目に見えないレベルの粒子となり、食べ物や水、空気を通じて私たちの体内へと入り込んでいきます。
見えない経済コストは281兆ドル規模に
プラスチック汚染が生物や生態系にもたらす悪影響は、すでによく知られていますが、その経済的なダメージも深刻です。2016年から2040年までの累計で、プラスチック汚染のコストは最大281兆ドルに達する可能性があるとされています。
そこには、例えば次のような損失が含まれます。
- 海岸のごみのせいで観光客が減ることによる、観光収入の減少
- 大量のプラスチックごみを取り除くために必要となるビーチの清掃費用
- 汚染された河川や、プラスチックごみが排水溝をふさぐことで起きる洪水被害
- 魚ではなくペットボトルや袋ばかりが網にかかるようになってしまった漁業コミュニティの損失
こうしたコストは、環境問題であると同時に、経済やビジネスにとっても大きなリスクであり、社会全体に跳ね返ってきます。
「人の健康」「地球の健康」「経済の健康」を守るために
プラスチック汚染を終わらせることは、人間の健康、地球の健康、経済やビジネスの健全性を守るうえで、もはや避けて通れない課題になっています。世界環境デーをきっかけに、UNEPと韓国は世界中の人々に対し、この課題に一緒に取り組むよう呼びかけています。
個人レベルでは、使い捨てプラスチックを減らす選択をしたり、リユース(再利用)やリサイクルに積極的に参加したりすることが、その一歩になります。企業や自治体がプラスチック使用の見直しを進めるとき、市民がその取り組みを支持し、後押しすることも重要です。
私たちの体の中にまで入り込んだマイクロプラスチックの存在は、「便利さのための使い捨て」がどこまで行き過ぎてしまったのかを映し出しています。世界環境デーのメッセージを、自分の暮らし方や仕事にどう結びつけていくのか。それを考えることが、プラスチック汚染のない未来への第一歩になりそうです。
Reference(s):
On World Environment Day, you can help to end plastic pollution
cgtn.com








