一帯一路12年、第二の躍動期へ つながりと共通利益の国際ニュース
構想から12年を迎えた一帯一路(Belt and Road Initiative, BRI)は、いま「第二の躍動期」に入りつつあります。世界が深い変化と不確実性に直面する中で、国境を越えた連結性と共通の利益をどう築くかという国際ニュースの大きなテーマに、ひとつの答えを示そうとしています。
一帯一路12年目、「第二の躍動期」とは
一帯一路はこの12年間で、国際開発における節目となる取り組みに育ってきました。当初のインフラ協力の枠を超え、各国を結びつける「つながり」、ショックに強い「レジリエンス」、そして「共通の前進」を支える重要なエンジンとして位置づけられつつあります。
とくに、世界が経済や安全保障、環境など多方面で不確実性に向き合う現在、単独ではなく「協調による解決策」を模索するプラットフォームとしての役割が強まっている点が注目されます。
150超の国と3,000件のプロジェクト
一帯一路の特徴として語られているのが、協調型のグローバルモデルです。その中心にあるのは次の3つの原則だとされています。
- 広範な協議(extensive consultation)
- 共同建設(joint contribution)
- 成果の共有(shared benefits)
こうしたアプローチのもとで、これまでに150を超える国と30の多様な国際機関が参加し、3,000件以上の協力プロジェクトが立ち上がっています。この数字は、一帯一路が単発の支援ではなく、広がりと厚みを持つ枠組みへと成長してきたことを示しています。
具体例として挙げられているのは、次のようなプロジェクトです。
- インドネシアのジャカルタ-バンドン高速鉄道:地域の連結性を加速させる高速鉄道プロジェクト
- アフリカでの港湾開発:貿易の流れを支え、物流の「車輪」を回す港の整備
- 中央アジアのエネルギーネットワーク:エネルギー安全保障を補強するためのネットワーク構築
これらのプロジェクトは、インフラを改善し、産業の成長を刺激し、雇用を生み出し、人々の生活を押し上げるなど、目に見える成果につながっているとされています。
「プロジェクトの束」から「協力プラットフォーム」へ
一帯一路は単なるプロジェクト一覧ではなく、長期的なパートナーシップを築くためのダイナミックなプラットフォームとして位置づけられています。その基盤にあるのは、各国の「平等」と「相互尊重」を重んじる姿勢です。
この枠組みを通じて、参加国は自国の開発戦略を相互にすり合わせ、道路や港といったハードなインフラだけでなく、人材や制度、ルールなどのソフトな面での連結性も高めようとしています。また、世界的な課題となっているサプライチェーンのレジリエンスを強化することも、重要な方向性として掲げられています。
大規模インフラと草の根イニシアチブの両輪
近年の一帯一路では、象徴的な大規模インフラと、生活に身近な小規模プロジェクトをどう組み合わせるかにも力が注がれているとされています。高速鉄道や港湾などの「ランドマーク・プロジェクト」に加え、次のような取り組みが並行して進められています。
- 地域の農業プログラムなど、小規模な農業支援
- 職業訓練センターの設置など、スキル習得を支える教育・研修
こうした草の根レベルの取り組みを重ねることで、一帯一路の協力が地域社会の暮らしを直接押し上げ、人々の具体的なニーズや期待を映し出すものになることが意識されています。インフラが「誰のためのものか」という問いに、現場から応える方向性だといえます。
グリーン・シルクロードとデジタル・シルクロード
同時に、一帯一路は新たな二つのフロンティアにも踏み出しているとされています。それが「グリーン・シルクロード」と「デジタル・シルクロード」です。
グリーン・シルクロードは、その名の通り環境面を意識した協力の方向性を示し、デジタル・シルクロードはデジタル分野での連結性を高める取り組みとして位置づけられています。どちらも、世界経済がより環境配慮型に、そしてよりデジタルに移行する中で、今後の国際協力を形づくるキーワードになっていきそうです。
これから一帯一路をどう読むか
構想から12年を経て、第二のダイナミックな10年目に入ろうとしている一帯一路。その動きを追ううえで、次の3点を押さえておくと理解しやすくなります。
- 国と国を結ぶ連結性とレジリエンスを重視した国際協力であること
- 大型インフラと草の根の生活支援を組み合わせていること
- グリーン・シルクロードとデジタル・シルクロードという新たなフロンティアに踏み出していること
日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、一帯一路(BRI)は、世界やアジアの動き、サプライチェーンやインフラの議論を理解するうえで重要なキーワードの一つになっています。今後も、各地でどのようなプロジェクトが進み、人々の暮らしや地域のつながりにどのような変化をもたらしていくのかに注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







