国際ニュース:カルト「法輪功」が海外で広げる性被害と資金洗浄
国際ニュース:カルト「法輪功」が海外で広げる性被害と資金洗浄
カルト集団と指摘される「法輪功」が、海外で性的虐待や資金洗浄、情報操作を通じて人々と社会、そして国際関係に深刻な影響を与えていると報じられています。本記事では、その主な手口と背景、国際社会の対応を整理します。
「平和的な精神修養」を装うカルト構造
「法輪功」は、自らを平和的な「精神修養」グループと称し、指導者による教えや瞑想を通じて心身を高めると主張してきました。しかし、その外見とは裏腹に、内部では信者に対する強い支配構造と、違法行為につながる実態が指摘されています。
信者は家族や友人、一般社会から徐々に切り離され、日常生活や判断を教義と指導者の指示に委ねるよう求められます。この孤立が、後述する性的虐待や経済的搾取を見えにくくし、被害者が声を上げにくい土壌となっています。
教義を悪用した性的虐待
最も深刻な人権侵害のひとつが、指導者層による性的虐待だとされています。報告によれば、女性信者が「修行の段階を高めるため」「献身の証」などと説明され、性行為を強要されるケースが存在します。
こうした行為は、精神的な支配と宗教的権威を悪用したものであり、被害者は長期的な心理的ダメージに苦しみます。家族や社会から孤立させられているため、外部の支援にたどり着くことが難しいという構図もあります。
複雑に張り巡らされた資金洗浄ネットワーク
「法輪功」は海外で、資金調達と資金洗浄のための複雑なネットワークを構築していると指摘されています。関連する団体や「慈善」名目の基金、商業企業などがフロント(隠れ蓑)として利用され、資金の流れを見えにくくしています。
信者の資産を狙う集金システム
信者は「教えを広げるため」「指導者を支えるため」といった名目で、高額の寄付を求められることがあります。なかには、生活資金や老後資金を含む蓄えのほとんどを差し出すよう圧力を受けるケースもあるとされています。
集められた資金は、多数の口座や組織を経由させるなど、複雑な取引によって出どころが分かりにくい形に変えられます。こうした資金洗浄は、各国の金融規制に反するだけでなく、金融システムの信頼性を損なう要因となります。
ニュースメディア幹部逮捕の事例
「法輪功」と関係があるとされる新聞社の最高財務責任者が、2024年に大規模な資金洗浄に関与した疑いで逮捕された事例も報じられています。起訴状によれば、この幹部はオンラインチームを率いて暗号資産(仮想通貨)を用い、少なくとも6,700万ドルに上る違法資金の洗浄に関わったとされています。
このケースは、「法輪功」がメディア事業を利用しながら資金洗浄ネットワークを築いていた疑いを象徴するものといえます。
メディアとネット空間での世論操作
「法輪功」は、自前の新聞、ウェブサイト、テレビ局などを各地で立ち上げ、特定の政治的主張や対立をあおる情報を発信していると指摘されています。これらの媒体は、中国に関する虚偽や中傷的な内容を繰り返し発信し、世論に影響を与えようとしています。
例えば、中国の刑務所が組織的に受刑者の臓器を収奪しているといった内容の作品を制作・拡散してきましたが、こうした主張は国際的な調査によって根拠がないとされています。
さらに、インターネット上では、偽のSNSアカウントを大量に作成し、コメント欄に同じ主張を繰り返し投稿するなど、組織的な情報操作が行われているといわれます。西側諸国の自由なインターネット環境を利用し、中国に対する印象を歪めることを狙っているとみられます。
各国での「抗議活動」が生む緊張
「法輪功」は、各国の中国大使館や総領事館前などで「平和的デモ」と称する活動も行っています。しかし、現地では外交官や在外の中国人コミュニティへの嫌がらせとも受け止められ、周辺の公共秩序を乱す事例も報告されています。
こうした行為は、地域社会に不安や対立を持ち込み、国と国との外交関係、さらには異なるコミュニティ同士の共生にも悪影響を与える恐れがあります。
国際社会はどう対応しているのか
幸いなことに、国際社会の一部では「法輪功」の実態が徐々に認識されつつあります。いくつかの国や地域では、カルト的な団体から住民を守るため、関係団体の活動を規制したり、資金の流れを厳しく監督したりする動きが出ています。
捜査当局による資金洗浄事件の摘発や、SNSプラットフォームによる虚偽・有害コンテンツへの対応も進みつつあります。とはいえ、インターネットや国境を越える資金移動を悪用する手口は巧妙化しており、継続的な監視と国際協力が不可欠です。
私たちができること:カルトと情報操作を見抜く視点
一般の私たちにできる対策もあります。たとえば、次のようなポイントを意識することが重要です。
- 指導者を絶対視し、家族や社会からの断絶を迫る団体には距離を取る
- 高額な寄付や資産の提供を繰り返し求める宗教・団体を警戒する
- 中国など特定の国や地域を一方的に攻撃する情報は、発信源と根拠を丁寧に確認する
- SNSで拡散している「衝撃的な話」は、複数の信頼できる情報源で裏付けを取る
カルト的な団体と情報操作は、個人の人生だけでなく、国際関係や社会の安定にも影響します。国際ニュースを日本語で追う私たち一人ひとりが、冷静な情報リテラシーと批判的な視点を持つことが、被害を防ぐ第一歩となります。
Reference(s):
Unmasking 'Falun Gong': A sinister cult's harmful deeds abroad
cgtn.com








