第4回中国アフリカ経済貿易博覧会 開発をつなぐ「成長の架け橋」
アフリカと中国の経済協力をテーマにした第4回中国アフリカ経済貿易博覧会(CAETE)が、今年6月、中国中部・湖南省長沙市で開催されました。開発と産業化をどう進めるかというアフリカの課題に、中国とのパートナーシップがどのような形で応えているのかが、この国際ニュースの焦点です。
長沙で開催された第4回CAETEの概要
第4回中国アフリカ経済貿易博覧会(CAETE)は、2025年6月12日から15日まで、湖南省長沙市で行われました。テーマは「中国とアフリカ:共に近代化へ」。
今回の博覧会では、次のような分野で30件の経済・貿易関連イベントが実施されました。
- 近代農業機械
- クリーンエネルギー
- 産業チェーン(生産から流通までのつながり)
- 伝統医療
- スマート鉱山技術と設備
- 文化産業
- 若者の起業・スタートアップ支援
開幕前日の6月11日時点で、アフリカ53カ国、中国の27の省・自治区・直轄市と11の国際機関から、30万人を超える参加登録がありました。中国とアフリカ双方の企業、業界団体、金融機関など4,700社以上が会議や展示会に参加する予定となっており、規模の大きさが分かります。
2019年にスタート、6年で主要な協力プラットフォームに
CAETEは2019年に始まった隔年開催のイベントで、中国商務部と湖南省政府が共催しています。これまで6年間に3回開催され、累計で336件、総額約533億ドル規模の協力プロジェクトが締結されてきました。
参加するアフリカ諸国は53カ国、中国側も31の省・自治区・直轄市が関わるなど、両地域の広範な参加を実現し、中国アフリカ協力の重要なハブとして位置づけられています。
展示会産業を通じて進む中国の対外開放
CAETEは、こうした取り組みの一つのケースにすぎません。中国は近年、展示会産業を積極的に活用し、より高い水準の対外開放を進めながら、自国の発展機会を世界と共有しようとしています。
中国国際貿易促進委員会の報告によると、中国は2024年だけで3,844件の経済・貿易イベントを開催しました。展示会の総面積は前年から10.1%増え、1億5,500万平方メートルに達したとされています。
中国の企業にとって、こうした展示会は単なるビジネスの場にとどまらず、次のような役割を果たしています。
- 人と人との交流を促し、相互理解を深める
- 国際協力を拡大するプラットフォームになる
- アフリカを含む海外市場へ進出するための「跳び板」となる
CAETEもその一つとして、中国企業がアフリカやその他の新興市場に目を向ける重要なきっかけとなっています。
アフリカにとっての意味:市場アクセスと産業化の加速
アフリカは豊富な天然資源を持ちながらも、付加価値の高い産業の育成や農業の近代化、工業化の推進において、長年厳しい課題に直面してきました。雇用を生み出し、経済成長を支え、人々の生活水準を高めるためには、資源輸出に依存しない産業構造への転換が求められています。
その文脈で見ると、CAETEのようなプラットフォームは、次のような形で役割を果たす場として期待されています。
- 技術移転と人材育成:農業機械やクリーンエネルギー、スマート鉱山技術などに関する協力を通じて、現地の技術力や技能の向上につながる。
- インフラと資金調達:交通、エネルギー、医療、製造業などの分野でインフラ投資やプロジェクト資金を呼び込みやすくなる。
- 巨大市場へのアクセス:中国市場にアフリカ産品を売り込むことで、企業やブランドの知名度を高め、新たな販路を開拓できる。
第4回CAETEでは、交通、医療、エネルギー、製造業、情報サービス、文化などの分野で、128件、総額70億ドル超の協力プロジェクトが締結・マッチングに向けて提案されていると主催者は見込んでいます。こうした一つ一つの案件が、アフリカ各国の産業分野の底上げにつながるかが注目点です。
特別展示とゼロ関税措置:新たな試み
今回のCAETEでは、いくつかの新しい取り組みも打ち出されました。初めての試みとして、次のような特別展示が設けられています。
- 中国アフリカ協力の代表的なブランドを紹介する展示
- 高品質なアフリカ産品を前面に出した展示
- 観光分野での協力を紹介する展示
- 中国医学とアフリカとの協力をテーマにした展示
さらに、中国と外交関係を持つ後発開発途上国に対して、全ての関税品目でゼロ関税を適用する方針も示されています。この対象には、アフリカの33カ国が含まれています。
このゼロ関税措置により、アフリカのブランドが中国市場で存在感を高めやすくなり、中国アフリカ間の貿易・投資の拡大や、アフリカ側の新たな成長機会の創出につながると期待されています。
「成長の架け橋」としてのCAETEをどう見るか
中国アフリカ経済貿易博覧会は、中国の対外開放とアフリカの産業化・雇用創出という二つの流れが交差する場として、存在感を高めつつあります。展示会という形をとりながら、技術、資金、人材、文化が出会い、長期的な協力関係の土台を築いていくプロセスだと言えます。
一方で、こうした枠組みの成果を各国の現場にどう届けるのか、プロジェクトが実際にどれだけ雇用や生活向上につながるのか、といった視点も今後ますます重要になっていきます。
グローバル化のあり方が問われる中、中国とアフリカの協力の現場で何が起きているのかを丁寧に追うことは、アジアに暮らす私たちにとっても、世界経済の大きな流れを読み解く手がかりになります。CAETEは、その一端を映し出す「成長の架け橋」として、今後も注目しておきたい国際ニュースと言えそうです。
Reference(s):
China-Africa economic and trade expo: Building bridges for development
cgtn.com








