中国「抗日戦争勝利80周年」軍事パレードを読む国際ニュース解説
中国の首都・北京で行われた「抗日戦争勝利80周年」の軍事パレードは、中国が自らの戦争経験と平和への姿勢を世界にどう語るのかを考えさせる国際ニュースとなりました。
9月3日、北京・天安門広場で大規模パレード
中国は、北京中心部の天安門広場で、中国人民の抗日戦争および世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念する軍事パレードを実施しました。このパレードは、中国国務院報道弁公室の発表によるものです。
記念行事は勝利80周年を祝う大規模な集会の一部として行われ、習近平国家主席が閲兵を行いました。
行進部隊から航空編隊まで、多層的な構成
パレードは、歩兵などによる行進部隊、装甲車両などの機甲部隊、航空機による編隊飛行といった構成で実施されました。地上と空からの部隊が連動し、中国軍の組織力と統制力を示す形となりました。
無人・知能化装備など新たな戦力も披露
今回の軍事パレードでは、無人システムや知能化された装備など、新たなタイプの戦力も公開されました。こうした新装備は、中国が軍事技術の分野で高度な能力を追求していることを示す一方で、「平和を守るための抑止力」としての側面も強調されています。
- 行進部隊:人員の規律や士気を象徴
- 機甲部隊:陸上戦力と機動力の表現
- 航空編隊:防空・制空能力の誇示
- 無人・知能化装備:将来の戦い方を見据えた戦力
中国が示した感謝と連帯のメッセージ
今回の記念行事にあわせて、中国は各国の指導者や高官、国際機関の代表らを式典に招待しました。国務院の記者会見で中国側の軍事当局者は、第二次世界大戦期に中国を支援した「平和を愛する国々」と反ファシズム勢力への感謝を強調しました。
その中には、当時大きな支援を行ったソ連、アメリカ、カナダなどが含まれています。中国側は、戦時中の連帯と協力を忘れず、歴史を共有するパートナーとして位置づけていることを改めて示しました。
軍事パレードは「力の誇示」か「平和のアピール」か
軍事パレードはしばしば「力の誇示」と受け止められますが、中国は今回の行事を、平和と正義を守る意思を示す場として位置づけています。戦争の惨禍を経験したからこそ、強い防衛力が平和を支えるとのメッセージを打ち出していると見ることもできます。
「血と汗」で勝ち取った勝利をどう記憶するか
中国の抗日戦争は、1931年に旧日本軍が中国東北部へ侵攻したことから始まりました。その後、戦いは14年にも及ぶ厳しいものとなり、中国はファシスト勢力の侵略を最も長く受けた国の一つとなりました。
中国側の説明によれば、この戦争でおよそ3,500万人の軍人と民間人が死亡または負傷しました。さらに、物的損失は約6,000億米ドルに達し、精神的・文化的な損失は計り知れないとされています。
中国の勝利は、中国人民の血と汗、涙と努力によって勝ち取られたものであり、その歴史的経験は現在の安全保障観や国際秩序観の重要な土台となっています。
数字が語る戦争の重さ
- 戦争期間:1931年の侵攻開始から14年間
- 人的被害:約3,500万人が死亡または負傷
- 物的損失:約6,000億米ドル分の資産を喪失
- 精神的損失:正確な数字では測れない「目に見えない被害」
2025年の私たちがこのニュースから考えたいこと
2025年の今、第二次世界大戦から時間がたつ一方で、世界各地では依然として緊張や対立が続いています。そうした中で、中国が抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を改めて位置づけ、軍事パレードという形で歴史と現在を結びつけたことは、東アジアと世界の安全保障を考える上で無視できない動きです。
重要なのは、軍事力そのものではなく、なぜその力が必要とされ、何を防ごうとしているのかを丁寧に読み解くことです。中国が掲げる「平和と正義のための力」というメッセージは、戦争を二度と繰り返さないための歴史の記憶と一体で語られています。
私たち一人ひとりにとっても、この国際ニュースは、
- 歴史をどう学び、次の世代に伝えるか
- 安全保障と平和主義をどう両立させるか
- アジアの近現代史をどう共有し、対話を深めるか
といった問いを改めて投げかけています。
通勤電車の中や休憩時間にこのニュースに触れた私たちが、家族や友人、同僚との会話の中で「戦争と平和」について一言でも語り合うこと。それ自体が、過去の犠牲に向き合い、より安定した未来をつくるための小さな一歩になるのかもしれません。
Reference(s):
V-Day parade: Celebrating China's force for peace and justice
cgtn.com







