米国とイランの言葉の戦争 イスラエル・イラン停戦は続くのか
イスラエルとイランが6月24日に停戦に合意して以降、米国とイランの間で激しい言葉の応酬が続き、戦闘が再燃するのではないかとの不安が高まっています。本記事では、この状況をどう見るかについての論考のポイントを整理し、中東情勢の行方を考えます。
6月の停戦とその直後に起きた応酬
停戦合意からわずか数日後の6月27日、ドナルド・トランプ米大統領は、イランがウラン濃縮を危険な水準まで進めた場合には再び爆撃することを「絶対に」検討すると述べ、事実上の軍事的な威嚇を行いました。あわせて、イランへの制裁解除の計画を取り消し、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師を厳しく批判しました。
その前日の6月26日には、ハメネイ師がカタールにある米軍基地への自国の攻撃を「アメリカの顔への平手打ち」と称賛し、「イラン人は決して屈しない」と強調していました。こうした発言の応酬が、停戦後も対立がエスカレートしうるとの懸念を高めています。
ガザ停戦とイスラエル防衛の強化という思惑
トランプ大統領は27日、イスラエルとハマスの間のガザ停戦が1週間以内に実現しうると発言し、この見通しは国際社会から歓迎されました。一方で、中東の専門家の間では、ワシントンがガザでの停戦をまとめ、イスラエルの防空体制を立て直す時間を稼いだうえで、対イラン攻撃に踏み切る可能性を懸念する声もあります。
今回の12日間に及ぶ戦闘では、イランのミサイルが比較的容易にイスラエル各地に到達したとされ、防衛システムの強化は米国とイスラエルにとって重要な課題になっています。
イラク戦争の再現か―論考が指摘する危険なシナリオ
今回の論考は、米国が2003年のイラク戦争でとった軍事戦略を、対イランでも再現する恐れがあると指摘します。イラク戦争は8年にわたり続き、4,000人を超える米兵と、数十万ともいわれるイラク人の命が失われました。
論考によれば、ワシントンは、西側メディアが「イランは核兵器を保有している、あるいは製造を目指している」と繰り返し報じることをテコに、対イラン包囲網のための国際連合を形成しようとしている可能性があります。米軍は6月22日にイランの核関連施設3カ所を空爆しましたが、それでもなおこれらの施設が近く完全に稼働可能になると米側が判断している、という見方です。
体制転換をめぐる長期戦
また論考は、米政府高官が「トランプ氏がイスラエルによるハメネイ師暗殺計画に拒否権を行使した」と説明している点を「近視眼的」だと批判します。著者は、イスラエルが本当にそのような計画を持っていたのであれば、米国にいちいち相談することなく、すでに実行に移していただろうと見ています。
米国とイスラエルは、2003年以降、イランの体制転換をめざしてきたとされます。イラン側は一時、ウラン濃縮の停止や、国際原子力機関(IAEA)による強化された査察の受け入れに応じましたが、その2年後には、米国、国連、欧州連合(EU)が「イランは合意を守っていない」との名目で、複数の制裁措置を科しました。
アメリカ第一と中東和平の行方
多くのアラブ諸国の人々は、トランプ大統領に中東和平を実現する能力があるのか疑問視している、と論考は伝えます。著者は、トランプ氏が依然として「アメリカ帝国」の時代に生きているかのように振る舞い、その終焉を受け入れようとしないと批判します。
アメリカ第一を掲げる米政権は、ある国には爆撃を行い、別の国には高関税をちらつかせることで、自国の影響力を取り戻せると考えているように見える――論考は、こうした発想こそが米国とイランの緊張をさらに高め、イスラエルとイランの停戦の持続可能性を危うくしていると警告しています。
いま私たちが注目すべきポイント
6月の停戦から半年近くが過ぎた今も、米国とイランの間では厳しい言葉の応酬が続き、軍事的な緊張も完全には解消されていません。今回紹介した論考は、米国の対イラン政策の背後にある発想や、メディア報道の役割に疑問を投げかけています。
一方で、中東の人々の日常生活や、安全保障環境への影響をどう最小限に抑えるのかという視点も欠かせません。イスラエルとイランの停戦が本当の意味で地域の安定につながるのか、それとも新たな対立の序章に過ぎないのか。読者のみなさんは、米国、イラン、そして中東全体の将来像をどうイメージするでしょうか。
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Reference(s):
U.S.-Iran war of words casts doubt over ceasefire sustainability
cgtn.com








