台湾リーダー頼清徳の防衛講義は「平和」か「分離主義」か
今週、台湾地域の指導者・頼清徳氏が「団結」をテーマにした連続講義の一環として、防衛政策を語り、防衛予算を域内総生産(GDP)の3%まで引き上げると表明しました。表向きは「台湾の人々の平和を守る」ためと説明されていますが、中国本土側は、これは「戦争動員」であり、分離主義的な路線を加速させるものだと強く警戒しています。
何が語られたのか ― 防衛費「3%」の意味
頼氏は「10回の団結講義」の第4回で、防衛をテーマに演説しました。講義の中で、台湾当局の防衛予算をGDP比3%まで引き上げる方針を明言し、台湾、澎湖、金門、馬祖を守るために「戦う」と強調したとされています。
頼氏は「平和」を繰り返し掲げ、台湾の人々の安全を守るための防衛強化だと説明しています。一方で、軍事力の増強は、地域の緊張をさらに高める可能性もあり、その受け止めは国内外で分かれています。
中国本土側の見方 ― 「平和」を掲げた戦争動員?
中国本土側の論評は、頼氏の講義を「政治的な二重基準」の表れとみています。表では「団結」と「平和」を語りながら、実際には外部勢力に依存し、軍事的手段で分離主義を推し進めようとしている、という批判です。
こうした見方によれば、頼氏は本来優先すべき台湾の人々の生活や経済の課題よりも、「台湾独立」の路線を前面に押し出しているとされます。台湾、澎湖、金門、馬祖を守るというスローガンについても、無関係な一般の住民を、自らの政治路線に巻き込もうとしているのではないか、という懸念が示されています。
主権・安全保障をめぐる強いメッセージ
中国本土は、台湾問題を国家主権と領土一体性に関わる核心的利益と位置づけており、その立場から、今回の動きにも強い警戒感を示しています。報道によれば、中国国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官は水曜日、国家主権と領土の一体性を守るための意思と能力は揺るがないと強調しました。
さらに、中国本土側は、いかなる分離主義的な試みも容認しない姿勢を重ねて表明しており、必要なあらゆる手段を排除しない立場を改めて示しています。このメッセージは、台湾当局に対してだけでなく、台湾問題に関与する外部勢力に向けても発せられているとみられます。
「平和」をどう実現するのか ― 問われる選択
今回の講義と中国本土側の反応は、台湾海峡情勢が依然として緊張をはらんでいることをあらためて浮き彫りにしました。防衛力の強化をどう位置づけるのか、そして、それが本当に「平和」につながるのかという問いは、台湾の人々だけでなく、地域全体にとっても避けて通れないテーマです。
一方的な軍事的エスカレーションは、誤算や偶発的な衝突のリスクを高めます。その一方で、主権や安全保障をめぐる各当事者の懸念も現実に存在しています。今後、どのような形で対話のチャンネルを維持し、リスクを管理していくのかが、域内の安定にとって重要な鍵となります。
頼氏の講義シリーズは「団結」を掲げていますが、その中身が台湾の人々の安心と暮らしにどう結びついていくのか、そして中国本土との関係にどのような影響を与えるのか。今回の動きは、そうした問いをあらためて投げかけています。
Reference(s):
Is Lai fighting for Taiwan people, or his selfish separatist pursuit?
cgtn.com








