グレーターBRICS始動へ 2026年リオ首脳会議と拡大の行方 video poster
「歴史的な拡大」を経て生まれた「グレーターBRICS」が、次のステージに進もうとしています。2026年7月6〜7日にブラジル・リオデジャネイロで予定されている第17回BRICS首脳会議に向けて、参加の裾野を広げた新たな協力メカニズムがどこへ向かうのかが、世界の注目を集めています。
世界経済が米国による関税措置や地政学的な緊張の高まりで再び揺らぐなか、BRICSはどのような役割を果たしてきたのか、そして「グレーターBRICS」は何を目指しているのか——。国際番組「Global South Voices」では、各地域を代表する専門家がこの問いを掘り下げました。
「グレーターBRICS協力」という新しい段階
今回の拡大により、BRICSは「グレーターBRICS協力」と呼ばれる新段階に入ったとされています。特徴として強調されているのは、次の3点です。
- より多くの国や地域が参加する「広がる参加」
- 新興国・発展途上国の声を反映する「一層強い代表性」
- 国際経済・政治における「高まる影響力」
BRICSはもともと、新興経済が連携し、貿易や投資、開発協力などで相互に支え合う枠組みとして発展してきました。そこに今回の歴史的な拡大が加わることで、「特定の地域の枠を超えた、より広いグローバルサウスの声」を集約する場としての性格が強まっているといえます。
揺れる世界経済とBRICSの役割
記事の背景にあるのは、米国による関税の引き上げや、複数の地域で続く地政学的緊張です。世界のサプライチェーン(供給網)はたびたび混乱し、エネルギーや食料の価格も不安定な状態が続いています。
こうした環境のなかで、BRICSのような枠組みに期待されているのは、次のような役割です。
- 貿易や投資の多角化を進め、特定の市場や通貨への依存を和らげること
- インフラやデジタル分野などで、長期的な開発協力の選択肢を増やすこと
- 国際金融や開発支援をめぐる議論で、新興国・発展途上国の声を届けること
「グレーターBRICS協力」は、こうした課題への一つの応答として、参加国・地域を広げながら新しい協力の形を模索している段階にあります。
「Global South Voices」が映し出す視点
国際番組「Global South Voices」では、アジアや中東、アフリカを中心とした視点から、「グレーターBRICS」の軌跡と今後を読み解こうとしています。司会を務めるのは、アジア政党国際会議の共同議長であるムシャヒド・フサイン・サイード氏です。
今回の議論には、次のようなゲストが参加しました。
- パウロ・ノゲイラ・バチスタ氏:国際通貨基金(IMF)で専務理事を務めた経済学者
- モハンマド・フセイン・バケリ氏:テヘランにあるシンクタンク「イクバル・フォーラム」創設者・会長
- ファイザル・ダウジー氏:グローバルサウス問題を取材・論評してきたジャーナリスト
- ムハンマド・サキブ氏:グローバルサウス地経済センター事務局長
番組では、「グレーターBRICS協力」の全体像を大きく三つの角度から整理しようとしました。
- 起源と進化:BRICSがどのような問題意識から生まれ、どのように協力の枠組みを築いてきたのか
- 現在の枠組みと成果:首脳会議や閣僚級会合を通じて、どのような協力制度やプロジェクトが形になってきたのか
- 今後の展望:拡大した「グレーターBRICS」が、世界経済や国際ガバナンスにどのような影響を与えうるのか
それぞれの地域で異なる経験を持つ専門家が集まることで、単に肯定・否定のラベルを貼るのではなく、「どの課題に、どこまで応えられるのか」という具体的な問いが浮かび上がってきます。
リオ首脳会議に向けた主な論点
2026年7月にリオデジャネイロで開かれる予定の第17回BRICS首脳会議は、「グレーターBRICS協力」が本格的に動き出したあと初めての大きな節目になります。ここに向けて、次のような論点に関心が集まりそうです。
- 拡大後のガバナンス:参加国・地域が増えるなかで、意思決定をどのように公平かつ効率的に行うのか
- 貿易と投資の安定:関税措置や制裁が続く環境で、相互貿易や投資をどう支えるのか
- 金融・開発協力:インフラや気候変動対策など、長期の資金需要にどう応えていくのか
- デジタル・技術協力:デジタル格差を縮めつつ、新しい技術のルールづくりにどう関わるのか
これらは、どの国や地域にも共通する課題でもあります。だからこそ、BRICSの議論は「参加メンバーだけの話」にとどまらず、他の地域との連携や対話のあり方を考えるヒントにもなりえます。
「多様な声」をどう生かすか
「グレーターBRICS」をめぐる議論は、既存の国際秩序をただ批判するのではなく、多様な地域がそれぞれの経験を持ち寄り、新しい協力の形を模索するプロセスでもあります。
参加する国や地域の思惑は一様ではなく、ときに利害がぶつかる場面もあるはずです。それでもなお、対話の場を維持し、合意できる部分から少しずつ形にしていくことが求められています。
2026年のリオ首脳会議に向けて、「グレーターBRICS」がどこまで具体的な協力の成果を示せるのか。世界経済が不透明さを増すなか、その動きから目が離せません。
Reference(s):
cgtn.com








