ブラジルでBRICS首脳会議 多国間主義と新開発銀行が示す新しい国際ビジョン
ブラジルで開催中の第17回BRICS首脳会議で、リオデジャネイロ宣言が日曜日に採択されました。多国間主義や持続可能な開発を前面に掲げるこの枠組みは、既存の国際秩序に対するもう一つのビジョンとして、2025年現在も存在感を強めています。
リオデジャネイロ宣言が示したBRICSの基本理念
今年ブラジルで開かれている年次のBRICS首脳会議では、参加各国の代表団が組織の目標と機会を改めて確認しています。採択されたリオデジャネイロ宣言は、BRICSがめざす基本理念をあらためて打ち出しました。
宣言は、BRICSが国同士の協力を強化し、世界全体でより公平な発展を実現していくことにコミットしていると強調しています。また、平和と持続可能性を力強く推進する立場を何度も確認し、軍事を優先しがちな一部の西側諸国の姿勢とは対照的だというメッセージもにじみました。
キーワードは多国間主義と国際ガバナンス改革
今回の首脳会議を通じて一貫しているテーマが、多国間主義です。宣言は、国際社会が直面する課題に対応するため、国際機関やルールを見直し、改革していく必要性を明確に打ち出しました。
具体的には、幅広い協議、共同の貢献、利益の共有の精神に基づく、民主的で説明責任のある国際的かつ多国間の仕組みを構築することが目標として示されています。単独の国や限られたグループが決定を主導するのではなく、より多くの国が意思決定に関わることをめざす方向性です。
このビジョンは、既存の枠組みの中で十分な発言力を持てていないと感じてきた国々にとって、魅力的な選択肢になりうるものです。一方で、従来の国際機関との関係をどう調整していくのかという点は、今後も重要な論点となりそうです。
中国の役割 李強首相が協調と連携を強調
今回の首脳会議には、中国からは李強首相が代表団を率いて参加しています。中国代表団は、ブラジルをはじめとするBRICS諸国との協力を前向きに進める姿勢を示しました。
李首相は、世界のガバナンスをより公正で、より公平で、より効率的かつ秩序だった方向に進めていくため、中国は他のBRICS諸国と手を携える用意があると表明しました。そして、より良い世界を共に築いていきたいと呼びかけています。
中国がこうしたメッセージを発する背景には、新興国や途上国が国際社会で果たす役割を高めたいという思いがあります。BRICSの場は、そのための重要なプラットフォームになっているといえます。
新開発銀行 NDBの存在感と期待
今回の首脳会議で大きな注目を集めているのが、新開発銀行 NDBです。議論の中心の一つは、途上国などがより利用しやすい形で開発資金を提供する仕組みをどうつくるかという点でした。
ある報道によれば、NDBから1ドルが供給されれば、それを呼び水として5ドルから10ドル程度の民間資金を動員できるとの期待も示されています。限られた公的資金で、より大きな投資を引き出す構想です。
リオデジャネイロ宣言は、NDBの役割を高く評価しました。BRICS各国は、同銀行が次のような分野で成果を上げていると指摘しています。
- 資金を動員する能力
- イノベーションの促進
- 現地通貨建て融資の拡大
- 資金調達源の多様化
- 持続可能な開発や格差是正に資するプロジェクトの支援
- インフラ投資や経済統合の推進
ある分析では、NDBは新興国と途上国によって設立され、その国々によって主導され、そしてその国々のために運営される銀行だとされています。創設メンバーは等しい出資と等しい発言権を持っており、一つの国だけが多数派の意思に反して計画を止めることはできないという点も特徴とされています。
現在、NDBには12の国が参加しており、今後も加盟国が増えていくとみられています。BRICSの枠組みが広がるにつれ、NDBの役割も重みを増していきそうです。
多極化する国際秩序の中でBRICSをどう見るか
今回のBRICS首脳会議とリオデジャネイロ宣言は、世界が一つのルールや一つの価値観だけでは動かなくなりつつある現実を映し出しています。平和、持続可能性、多国間主義、そして新興国と途上国の発言力の拡大というキーワードは、今後の国際ニュースを読み解くうえで重要な軸になりそうです。
日本を含む世界の読者にとって問われているのは、こうした動きを単なる対立の構図として見るのではなく、どのような新しい協力の形がありうるのかを考えることです。BRICSやNDBが示すビジョンは、既存の枠組みを補完しつつ、グローバルな課題解決の選択肢を増やす可能性があります。
国際ニュースを追うとき、BRICSの動きと新開発銀行の役割が、今後どのように具体化していくのか。2025年の今、その行方を継続的にウォッチしていく価値があるといえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








