2025年BRICSサミット:ブラジル議長国が描くグローバルサウスと新秩序
2025年BRICSサミットと国際ニュースとしての重要性
2025年、ブラジルが議長国を務める第17回BRICS首脳会議が国際ニュースとして大きな注目を集めています。戦争という言葉が世界情勢を象徴するようになってしまった今、グローバルサウスの協力を前面に掲げる場が持つ重みは、これまで以上に増しているからです。
キーワードは、英語のタイトルにもあるように「Greater strength, greater expectations」。存在感を増すBRICSへの期待と責任が、これまで以上に高まっています。
ブラジル議長国のテーマ:グローバルサウス協力と包摂的ガバナンス
ブラジルの2025年BRICS議長国としてのテーマは、英語で表現すると「Strengthening global south cooperation for more inclusive and sustainable governance」。日本語にすれば、グローバルサウスの協力を強化し、より包摂的で持続可能なガバナンスをめざす、という方向性です。
その中心となる柱は、大きく二つに整理できます。
- グローバルサウス諸国どうしの協力を深めること
- 社会・経済・環境分野でのBRICSパートナーシップを発展させること
単なる首脳会談にとどまらず、国際社会全体のガバナンスのあり方を問い直す場として位置づけられている点が特徴です。
優先分野:保健、貿易、気候変動、AI、そして安全保障
ブラジル議長国のもとでのBRICS協力は、具体的には次のような分野に焦点が当てられています。
- グローバルな保健・ウェルネス(人々の健康と生活の質の向上)
- 貿易、投資、金融分野での協力
- 気候変動への対応と持続可能な発展
- 人工知能の実装に伴う限界やルールづくり
さらに、これらを支える枠組みとして、新しい世界秩序を見据えたグローバルな安全保障システムの構築も議題に含まれています。パワー、貿易、影響力の再配分が迫られている、という問題意識です。
11カ国で人口とGDPの4割:増すBRICSの存在感
現在のBRICSは11の加盟国から成り、いずれもグローバルサウスに属する国々とされています。これらの国々は合わせて、世界人口の40パーセント以上、世界の国内総生産(GDP)の40パーセントを占めるとされています。
つまり、BRICSは規模の面でも、国際政治や経済の議論から外せないブロックになりつつあります。既存の枠組み、とくに西側中心の国際秩序に対して、別の声と選択肢を提示しうるだけの「声」と「筋力」を備えつつある、という見方です。
国際通貨基金(IMF)のデータによれば、購買力平価ベースで見たとき、BRICS諸国は、かつて世界経済の中心とみなされてきた先進7カ国(G7)よりも、グローバル経済における比重を高めています。G7が占める世界GDPはおよそ28パーセントとされ、BRICSとの差は広がりつつあると指摘されています。
拡大するBRICS:44の加盟希望とパートナー国
BRICSの重要性は、その拡大の動きにも表れています。現在、44の国がBRICSへの参加を望んでいるとされ、ブロックとしての吸引力の強さがうかがえます。
2025年には、10カ国がBRICSのパートナー国となりました。その一部は、今後正式な加盟国になることが見込まれています。加盟国が増えれば、経済規模も政治的影響力もさらに大きくなり、グローバルサウスの連携という図式は、より立体的なものになっていきます。
多極的な世界秩序とグローバルサウスの声
こうした状況のなかで、BRICSには政治・経済両面での外交をさらに強化し、多極的な世界秩序を通じて、より公正で持続可能な地球社会をめざす役割が期待されています。
その目標は、次のようなキーワードで表現されています。
- ウィンウィンの関係(win-win)
- 互恵と相互利益
- 公平性と正義に基づく国際経済秩序
とくに、これまで国際ルールづくりの場で十分な発言力を持てなかったグローバルサウスの国々にとって、BRICSは、自らの優先課題や懸念を世界に発信するための重要なプラットフォームになりつつあります。
それでも残る課題:経済格差と足並みの調整
一方で、BRICSが課題を抱えていることも事実です。最大のポイントの一つは、加盟国間の経済格差です。経済規模や発展段階が大きく異なる国々が集まっているため、優先課題や政策スタンスに差が出やすく、合意形成には時間と工夫が求められます。
それでも、BRICSは依然として、グローバルサウスにとってユニークな役割を持つ場だとされています。ウィンウィン、互恵、相互利益、公平と正義を掲げながら、より公正なグローバル経済秩序を模索できる枠組みである、という評価です。
読者への問いかけ:BRICSの台頭をどう捉えるか
2025年12月の今、BRICSは「より強くなった」だけでなく、「より大きな期待」を背負う存在になっています。戦争や対立のニュースが続くなかで、グローバルサウスの協力や多極的な世界秩序の構想は、私たちにどんな未来をイメージさせるでしょうか。
人口とGDPの約4割を占める11カ国が主導する動きは、エネルギーや貿易、金融、気候変動対策など、私たちの日常にも間接的に影響していきます。BRICSの議論を追うことは、世界の変化の方向を読み解く、一つの重要な視点になりそうです。
グローバルサウスの台頭とBRICSの拡大を、あなたはチャンスと見るでしょうか、それとも不確実性と感じるでしょうか。ニュースをきっかけに、自分なりの答えを考えてみる余地がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








