中国と中南米、中国-CELAC会合から見る10年の協力【国際ニュース】
中国と中南米・カリブ海諸国の関係が、今年、大きな節目を迎えました。発足10周年となる中国-CELACフォーラムの第4回閣僚会合が5月13日、北京で開かれ、今後3年間の協力の方向性を示す行動計画が採択されたためです。本稿では、この国際ニュースのポイントを整理し、中国と中南米の連携がどこへ向かうのかを考えます。
中国-CELACフォーラム10年、その節目の会合
中国-CELACフォーラムは、中国と中南米・カリブ海諸国の対話と協力を進めるための枠組みとして発足し、今年で立ち上げから10年を迎えました。その節目となる第4回閣僚会合が、5月13日に北京で開催されました。
今回の会合は、単なる定例会合ではなく、次の10年を見据えた節目の場と位置づけられています。
- 開催日: 5月13日
- 場所: 北京
- 形式: 第4回閣僚会合
首脳級の参加が示した双方のコミットメント
中国側は、この会合に大きな重みを置きました。習近平国家主席が開会式に出席して演説し、ラテンアメリカ・カリブ海諸国の指導者や代表のために晩さん会を主催しました。王毅外相が全体会合を主宰し、中国-CELACフォーラムのフォローアップ委員会に属する58の機関から代表が参加しました。
中南米・カリブ海側の参加も熱心でした。CELAC加盟28カ国に加え、6つの地域機関が代表団を派遣しました。開会式では、次の指導者らが相次いで演説しました。
- コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領(CELACの輪番議長国)
- ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領
- チリのガブリエル・ボリッチ大統領
- 新開発銀行総裁のジルマ・ルセフ氏
次期輪番議長国となるウルグアイのヤマンドゥ・オルシ大統領も、祝電を送りました。首脳・閣僚級がこれだけ集まったことは、中国と中南米・カリブ海諸国が、関係強化に本気で取り組んでいることを示しています。
世界のメディアが注目したキーワード
会合の様子は、中国本土と海外のメディアで広く報じられました。中国本土と中南米・カリブ海地域から多くの記者が現地で取材し、中国とLACの協力の現場を世界に伝えました。
なかでも注目されたのは、習主席が開会式で掲げたメッセージです。報道では、中国とLACが共に目指す姿として、中国-LACの共通の未来を共有する共同体という表現や、グローバルサウスというキーワードが繰り返し取り上げられました。
演説では、関税や貿易をめぐる対立について、関税戦争や貿易戦争に勝者はいないとする姿勢や、いじめや覇権主義は最終的に自らを孤立させるだけだとするメッセージが打ち出されました。多くの海外メディアは、多国間主義と自由貿易を重視する立場を示したものとして評価しています。
5つのプログラムと2025~27年行動計画
習主席は演説の中で、中国がLACパートナーと手を携え、共同の発展と再活性化を進めるための5つのプログラムを立ち上げる用意があることを表明しました。これらのプログラムには、中南米・カリブ海諸国の発展を支援する20の具体的な措置が含まれています。
会合ではあわせて、中国-CELAC重要分野協力共同行動計画 2025~2027年版が採択されました。この計画には、今後3年間に両側が進める100を超える協力プロジェクトが盛り込まれています。
とくに注目を集めたのは、インフラ分野での協力が重要な位置を占めている点です。既存の協力への評価とともに、今後も連携をいっそう強めていきたいという期待が表れているといえます。中南米のメディアからは、中国は単に援助を行うだけでなく、LAC側が自立的な発展を実現することを助けているとの声も伝えられています。
インフラからAIまで、新分野へ広がる協力
今回の会合では、従来のインフラや貿易といった分野にとどまらず、新たな協力分野も強調されました。報道によれば、一帯一路の枠組みの下で、次のような分野での連携が期待されています。
- 人工知能などの先端技術
- クリーンエネルギー
- 農業・食料分野
- エネルギー・鉱物資源
- デジタル経済
- 第5世代通信(5G)
これらの分野での協力は、中国とLAC双方の高品質な発展に新たな原動力を与えることが期待されています。
日本の読者にとっての意味
中国と中南米・カリブ海諸国の関係強化は、日本を含むアジアの国々にとっても無関係ではありません。インフラやデジタル経済、クリーンエネルギーといった分野での新たな連携は、世界のサプライチェーンやエネルギー市場、技術競争の構図にも影響を与えうるからです。
中国-CELACフォーラム発足から10年、北京での第4回閣僚会合は、その次の10年に向けた方向性を示す場になりました。国際ニュースとしての動向を追うだけでなく、私たち自身がどのような国際協力のあり方を望むのかを考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








