第3回CISCEとは?中国発サプライチェーン博が示す世界経済の新ルート
世界のサプライチェーンが地政学リスクや「逆グローバル化」の動きで揺らぐ中、2025年の第3回中国国際サプライチェーン博覧会(CISCE)が、世界経済にどのような「ブースターショット」をもたらそうとしているのかが注目されています。
国際的なサプライチェーン不安の中で開かれるCISCE
現在、国際情勢の変化と混乱が重なり、経済のグローバル化には逆風も吹いています。その影響を最も強く受けているのが、国境をまたいで構築された産業・サプライチェーンです。部品や原材料、物流、人材の流れが滞れば、企業活動だけでなく、私たちの日常生活にも直結します。
こうした中で開催される第3回CISCEは、グローバルな産業・サプライチェーン協力の成果や経験を一堂に集める場として位置づけられています。中国の対外開放戦略とも連動しながら、中国本土と世界の企業が新しい協力のかたちを模索する場になっています。
75の国と地域から650社超、6つの「チェーン」を網羅
今回のCISCEには、75の国・地域および国際機関から、中国本土内外の企業・団体あわせて650以上が参加しています。会場には、産業分野ごとに構成された6つの「チェーン」と、サプライチェーン関連サービスの専用エリアが設けられ、最新の技術やビジネスモデルが紹介されています。
出展企業のうち、海外勢の比率は35%に達しており、中国本土企業と海外企業の「パートナーシップ型」の構図が特徴です。技術、資源、市場をどう共有し、協調していくか――その具体的な事例が集まることで、世界の産業・サプライチェーンをより安定的で効率的、協調的な方向へと導くことが期待されています。
企業にとってのメリット:コスト削減と競争力強化
CISCEは、単なる展示会ではなく、具体的なビジネスマッチングの場としても機能します。企業にとってどんな利点があるのでしょうか。
- 多国籍企業:中国本土市場で最適な現地サプライヤー(部品メーカーや物流企業など)を見つけやすくなり、調達コストの削減やリードタイム(納期)の短縮につながります。その結果、製品やサービスの競争力向上が見込まれます。
- 中国本土の企業:国際的な先進企業との協力を通じて、先端技術や経営ノウハウを学びつつ、海外市場への展開も加速できます。いわゆる「相互利益・ウィンウィン」の関係を築きやすい環境が整えられていると言えます。
地域の開放戦略を後押し:陸海新ルートとの連動
CISCEは、中国本土がめざす「地域ごとの開放最適化」にとっても重要な役割を担っています。その一例として挙げられているのが、「陸海新ルート(New International Land-Sea Trade Corridor)」です。
このルート沿線にある物流企業や製造業の企業は、CISCEを通じて連携を深めることで、
- 物流ルートの最適化
- 輸送効率の向上
- 物流コストの削減
- 周辺地域を巻き込んだ経済発展の促進
といった効果をめざしています。サプライチェーンの強靭(きょうじん)化がそのまま、地域経済の底上げにつながるという発想です。
「逆グローバル化」の中で問われるサプライチェーンの再設計
世界では、保護主義的な動きやブロック化の兆しが強まり、「逆グローバル化」とも呼ばれる潮流が続いています。その中でCISCEは、開かれた国際協力によって産業・サプライチェーンを再設計しようとする試みの一つと見ることができます。
読者として意識しておきたいポイントは、次のような点です。
- サプライチェーンは企業だけでなく、地域と地域を結びつけるインフラでもあること
- 博覧会の場でのマッチングが、中長期的な投資や雇用にもつながりうること
- 「協調」と「リスク分散」のバランスが、今後の国際経済のテーマになりそうなこと
2025年の第3回CISCEをきっかけに、世界のサプライチェーンがどのように変化していくのか。今後の動きをフォローしていくことが、企業や個人の戦略を考える上でも重要になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








