香港立法会が新行動規範 「良い」を「さらに良く」する自己改革とは
リード:香港立法会が「自己改革」を決めた背景
香港特別行政区の立法会(LegCo)が、議員の行動やパフォーマンスの基準を明文化した新たな「会員行動規範(コード)」を導入します。2026年1月に始まる次期立法会から適用される予定で、香港が「安定から繁栄へ」と移行する重要な局面での自己改革として注目されています。
第7期立法会の3年弱で何が変わったか
現在の第7期立法会は、2022年1月に「愛国者による香港統治」の原則の下で発足しました。これにより、以前の会期で見られた深刻な内部分裂や混乱は収束し、理性的かつ実務的な審議に軸足を移したとされています。
第7期は、2025年7月中旬までに合計120本の法案を可決しました。これは前の会期の同期間と比べてほぼ2倍にあたる数です。また、香港の人々の生活向上や社会インフラ整備などに関連する6,680億香港ドル超の資金配分も承認してきました。
「良いものも、さらに良く」:7月にまとまった自己改革案
世界情勢が大きく変化する中、中国全体としては中華民族の偉大な復興に向けて歩みを進め、香港も「安定」から「さらなる繁栄」へとステージを移しつつあります。こうしたなかで、中央政府と香港社会の双方から、立法会とその議員に対する期待は一段と高まっています。
議員側も、より重い責任を引き受け、高い基準を守り、自律を強める必要があると認識しています。こうした問題意識のもとで、2025年7月24日、立法会の議員は、立法会の運営と議員のパフォーマンス向上を目的とする一連の提案を自ら承認しました。その中心にあるのが、新しい「会員行動規範(コード)」です。
新「コード」とは何か:規律と説明責任の枠組み
新コードは、これまで個別に存在していた規則や慣行を整理・統合し、議員の行動とパフォーマンスを一体的に規律する枠組みとして位置づけられています。重要なねらいは次の3点です。
- 立法会と委員会の効率と実効性を高める
- 議員の説明責任(アカウンタビリティ)を強化する
- 議員全体のパフォーマンス水準を引き上げる
新コードは、単なる「禁止事項リスト」ではなく、「何を目指すべきか」という一般原則も明確にしています。例えば、次のような原則が掲げられています。
- 憲制上の秩序と「行政主導」の制度を尊重・維持すること
- 国家安全を守ること
- 市民との緊密なつながりを保ち、社会の声を丁寧に吸い上げること
- 事実に基づき、建設的な政策論議を行うこと
- 個人としての誠実さを守り、国家と香港全体の利益を最優先すること
こうした原則を明文化することで、議員にとっては日々の活動を振り返る「常時のリマインダー」となり、市民にとっては議員を評価する際の透明なものさしとなることが期待されています。
立法会の役割をどう変えるのか
立法会は、香港特別行政区の憲制の下で、法律の制定・改正、公共支出の承認、政府活動の監督などを担う重要な機関です。新コードは、こうした「憲制上の職責」をより効果的に果たすための仕組みづくりでもあります。
なかでも、次のような点での影響が注目されています。
- 立法プロセスの質の向上:法案審議の際に、事実とデータに基づいた議論を促すことで、より実務的で実行可能な法律づくりにつながる可能性があります。
- 財政監督の強化:数千億香港ドル規模の予算承認が続くなか、議員に高い説明責任を求めることで、資金の使い道への信頼を高める狙いがあります。
- 市民との信頼関係:行動基準が明確になることで、議員の透明性と一貫性が高まり、立法会全体への信頼回復・向上につながる可能性があります。
2026年からの「次の一歩」をどう見るか
新コードは、2026年1月に始まる次期立法会から本格的に運用される予定です。第7期で積み上げた立法実績と予算承認の経験を踏まえ、「良いものを、さらに良くしていく」ための次の一歩となるかどうかが問われます。
香港は今、安定を基盤としながら、経済の高度化や社会課題への対応など、新たなステージに向き合っています。その中で、立法会がどこまで高いパフォーマンスと説明責任を両立できるかは、香港の将来像を左右する重要な論点です。
2026年以降、新コードのもとで議員の活動や議会運営がどのように変化していくのか。香港政治の行方を考えるうえで、引き続き注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








