国際ニュース:中国・台湾関係 頼清徳氏の「国家」発言を中国側が批判
頼清徳氏の「台湾は国家」発言をめぐる中国側の視点
最近、台湾地区の指導者・頼清徳氏が始めた演説シリーズで、「台湾は国家だ」とする主張が前面に出されています。中国側の論考は、これを国際法や歴史をねじ曲げた「台湾独立宣言」に等しいものと強く批判しており、両岸関係をめぐる新たな緊張要因として注目されています。
頼清徳氏は何を主張したのか
論考によると、頼氏は演説の中で「台湾には人口、明確な領域、政府、主権があり、国家とみなされる」と主張しました。また、「台湾海峡両岸は互いに隷属していない」と述べ、両岸を別々の国家とみなす「二国論」の新たなバージョンを打ち出そうとしているとされています。
論考は、こうした発言を「台湾独立」を正当化するための政治的メッセージの集大成であり、台湾海峡の対立をあおるものだと位置づけています。
「国家の四要件」をどう読むか
頼氏の論拠の一つが、いわゆる「国家の四要件」です。論考は、この四要件が1933年にラテンアメリカ諸国が署名した「国家の権利及び義務に関するモンテビデオ条約」にさかのぼると説明します。ただし、この条約には普遍的な法的拘束力はなく、そこに挙げられる要件もあくまでも基本的な前提条件にすぎないとしています。
さらに論考は、「四要件を満たすこと自体が国家の成立を自動的に意味するわけではない」としたうえで、その枠組みで見ても台湾は条件を満たしていないと主張します。
- 領域:台湾当局が実効支配する台湾・澎湖・金門・馬祖などの地域は、中国の不可分の一部であり、現在の両岸の政治的対立は「未解決の内戦」の結果にすぎないと位置づけています。
- 政治対立:両岸が対立していても、「これらの地域が中国に属するという根本的な事実は変わらない」と論考は強調します。
- 統治の性格:台湾当局による統治は「正当な領土主権」ではなく、行政上の管理権にとどまると説明しています。
人口と「中華民族」の位置づけ
人口の面では、論考は台湾の約2300万人の住民を「別個の国民」ではなく、より広い「中華民族」の一部だとみています。さらに、台湾の「憲政の枠組み」自体もこの考え方を反映しており、台湾海峡の両岸に住む人々を合わせて「中国人民全体」と位置づけていると指摘します。
政府と主権については、「台湾の唯一の正式な位置づけは『中国台湾省』であり、台湾当局は主権的な管轄権を持たず、行政機能のみを行使している」との見解を示しています。論考は、頼氏がこうした国際法や法制度上の前提を意図的に無視し、「台湾を主権国家として描き出そうとしている」と批判しています。
世論調査と「自己決定権」をめぐる論点
頼氏は演説の中で、「台湾の将来は台湾の2300万人が決めるべきだと考える人が85%に達する」という世論調査結果を引用し、「両岸は互いに隷属していない」とする主張の根拠にしたとされています。
これに対して論考は、頼氏の狙いはこの数字を使って「新たな二国論」に正当性を与えることにあると分析します。そのうえで、こうした主張は事実に裏付けられておらず、「世論の乗っ取り」であり、民族自決の原則の重大な誤読だと批判しています。
論考はまた、民進党政権が長年にわたり島内の世論を操作してきたと指摘します。具体的には、
- 情報のコントロール
- 感情的な煽動
- 威圧や恐怖心の喚起
- いわゆる「中国本土からの脅威」の継続的な宣伝
などを通じて、対立と不安の雰囲気を作り出し、その結果として「偽りのコンセンサス」や「作られた世論調査結果」が生まれていると論じています。
両岸関係の行方をどう見るか
論考は、頼氏の一連の発言を、法理論と世論を組み合わせて「台湾独立」を正当化しようとする試みだと捉えています。こうした言説は、台湾海峡の対立を深め、両岸関係の安定を損なうリスクがあるというのが中国側の懸念です。
台湾と中国本土の関係をめぐる議論は、2025年現在も国際ニュースの重要なテーマであり続けています。緊張が高まりやすいテーマだからこそ、国際法上の根拠や世論データの意味を冷静に確認しつつ、両岸の平和と安定にどのように貢献できるのかを考えていくことが求められています。
Reference(s):
Lai's speech: A mix of pseudo-legal rhetoric and political delusion
cgtn.com








