中国経済2025年上半期を読む:5.3%成長と輸出・消費の底力
2025年上半期の中国経済は、前年同期比5.3%成長と市場予想を上回り、輸出・消費・産業生産・ハイテク産業がそろって底堅さを示しました。日本語で読む国際ニュースとして、中国経済の動きを分かりやすく整理します。
第15次5カ年計画の準備が本格スタート
7月30日の中国共産党中央委員会政治局会議では、2026〜2030年を対象とする第15次5カ年計画(国民経済・社会発展第15次5カ年計画)の調査・立案作業を開始することが決定されました。同じ会議では、第20期中央委員会第4回総会を10月に北京で開催することも決められています。
中長期の成長戦略と足元のマクロ経済運営を同時に進めることで、外部環境の不確実性に対応しつつ、構造改革とイノベーションを進めていく狙いがうかがえます。
5.3%成長:安定のなかに底上げ
外部からの圧力が続くなか、中国はより積極的で効果的なマクロ経済政策を実施してきました。その結果、2025年上半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.3%増と、2024年上半期および2024年通年を0.3ポイント上回りました。
輸出、消費、工業生産、ハイテク産業がそろって堅調に推移していることが、この成長率を支える柱になっています。
輸出:関税圧力下でも7.2%増
米国による「報復関税」の影響が続くなかでも、2025年上半期の中国の輸出(人民元ベース)は前年同期比7.2%増と、予想を上回る伸びを示しました。その要因として、以下の点が挙げられます。
- 前倒し出荷による駆け込み需要
- 再輸出の活用
- 貿易相手の多角化
- 中国と米国の貿易協議の進展
地域別では、アフリカ、インド、ASEAN、中央アジア向け輸出がいずれも2桁増となり、米国向け輸出の減少分を相殺しました。製品カテゴリーでは、機械・電気機器関連が引き続き輸出の主力となっています。
さらに、8月1日から米国が他の国・地域からの輸入品にも追加関税を課すことで、中国の相対的な関税上の不利は縮小すると見込まれています。現在の中国・米国間の関税が維持される前提では、中国製品にとって一定の価格優位が生じる可能性があり、2025年後半の輸出も市場予想を上回る展開が視野に入ります。
消費:買い替え支援策が下支え
中国国内の消費では、家電や自動車などの旧製品を新製品に買い替えることを促す政策が引き続き効果を発揮しています。2025年上半期の社会消費品小売総額は前年同期比5.0%増となり、第1四半期の4.6%増を上回りました。これは、2024年通年の3.5%増を明確に上回るペースです。
全消費の約9割を占める商品小売は、おおむね5%前後の伸びを維持しており、モノの消費が全体の押し上げ役になっています。
中央政府は1月と4月に合計1620億元(約225億ドル)を配分し、第1・第2四半期にかけて地方政府による買い替え支援プログラムを後押ししました。さらに、第3・第4四半期に向けて追加で1380億元が段階的に投入される予定で、2025年後半もこれらの政策が消費の下支えとして働くと見込まれます。
産業生産とハイテク産業:構造転換のカギ
詳細な指標には触れられていないものの、工業生産とハイテク産業も安定した成長を維持しているとされています。輸出や内需を支える製造業の底堅さに加え、ハイテク関連分野の拡大は、中長期的な競争力強化につながる重要な動きです。
第15次5カ年計画の策定プロセスでは、これらの分野をどのように位置づけ、イノベーションと産業高度化を進めていくのかが、今後の焦点の一つとなりそうです。
これからをどう見るか
2025年上半期の数字だけを見ると、中国経済は外部の不確実性に直面しながらも、政策対応と需要の下支えによって、安定成長を維持していると言えます。
- 輸出面では、関税環境の変化を逆手に取った多角化戦略
- 国内では、買い替え支援などターゲットを絞った消費刺激策
- 中長期では、第15次5カ年計画を通じた構造転換とイノベーションの推進
こうした複数のレイヤーでの動きが重なり合うことで、中国経済はプレッシャーの中でも一定の活力を保っていると考えられます。今後、公表される2025年後半のデータや、第4回総会での議論の行方が、次の「新しい章」を読み解くカギになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








