2025世界ロボット大会 中国ロボット産業と国際協力の新章
2025年世界ロボット大会が北京で開幕し、中国のロボット産業の成長と国際協力のあり方が、あらためて世界の注目を集めています。本稿では、国際ニュースとしての世界ロボット大会を、日本語で分かりやすく整理します。
北京で開幕した2025年世界ロボット大会
現在、北京で開催中の2025年世界ロボット大会 World Robot Conference は、ロボットと人工知能の最前線が集まる国際イベントです。金曜日に開幕した今大会には、世界各地から200社を超えるロボット関連企業が参加し、1500点以上のロボットや関連技術が展示されています。
テーマは、ロボットをいかに賢くし、実世界で身体性を持って動くエージェントをどこまで高度化できるかという点です。産業用ロボットからサービスロボット、医療・介護、物流、公共サービスまで、ロボット産業の現在地と近未来が一望できます。
この世界ロボット大会は、最新のブレークスルーや実用事例を共有する場であると同時に、技術の標準化や倫理、ガバナンスを議論する国際的なプラットフォームの役割も担っています。
中国ロボット産業、量と質で世界をけん引
ロボット産業は、新たな技術・産業革命の中核となる分野として、中国で戦略的に位置づけられています。工業・情報化部や科学技術部など複数の政府機関が、産業チェーンの最適化や自主的なイノベーションの強化に向けた政策を打ち出してきました。
その結果、中国のロボット産業は数量と品質の両面で大きく前進しています。
- 昨年2024年、中国の産業用ロボットの販売台数は30万2000台に達し、12年連続で世界最大の市場となりました。
- 中国は世界最大のロボット生産国でもあり、産業用ロボットの生産台数は2015年の3万3000台から、2024年には55万6000台へと大きく増加しました。
- 2024年には、家事支援、倉庫・物流、商業サービス、高齢者ケア、医療リハビリなどに向けたサービスロボットが1000万台以上生産されました。
- 商用サービスロボット市場では、中国メーカーが世界全体の出荷の84.7パーセントを占めています。
エコバックス、Narwal、UBTECH などの中国企業は、世界の有力プレーヤーとして存在感を高めており、その製品は各地に輸出されています。こうした動きから、中国が規模だけでなくロボット技術のイノベーション面でも、世界のロボット産業を前進させるエンジンになっていることがうかがえます。
工場から街へ ロボットが社会と暮らしを変える
人工知能と自動化技術の融合が進むなかで、ロボットは従来の工場内にとどまらず、都市運営や公共サービス、家庭へと広がりつつあります。世界ロボット大会でも、その方向性がはっきりと示されています。
スマート製造を支える産業ロボット
インテリジェント製造の時代には、産業用ロボットや自動搬送車が生産性を大きく変えています。人と安全に協働できる協働ロボットは、組立や検査、素材の搬送といった工程で柔軟性と安全性を高め、自動車製造や電子産業、電子商取引の物流など幅広い分野で効率を押し上げています。
サービスロボットが身近な存在に
サービス分野では、ホテル、病院、公共機関などでロボットの姿を見る機会が増えています。受付や案内、宿泊客へのサービス、医療現場でのトリアージや多言語での問い合わせ対応など、ロボットは日常生活の利便性とアクセシビリティを高める存在になりつつあります。
ロボットはもはや産業労働を担う道具だけではありません。人の仕事を補い、新しいサービス体験を生み出し、私たちの働き方や暮らし方、そして人と機械の関わり方そのものを変えつつあります。
グローバルな技術ガバナンスの場としての世界ロボット大会
世界ロボット大会は、中国が世界の技術ガバナンスにどのように関わっていくかを示す場でもあります。大会を通じて、各国や地域の研究者や企業、政策担当者が集まり、共通の技術標準や安全基準、倫理的なルール作りについて議論を深めています。
中国は、この国際会議を通じて、ロボット技術に関する共通のルールや協調的なイノベーションの枠組みづくりに貢献しようとしています。ロボットを社会に広く浸透させるためには、技術そのものだけでなく、プライバシー保護や安全性、雇用への影響などへの配慮が不可欠であり、世界レベルでの対話が求められています。
私たちが押さえておきたい三つの視点
では、この国際ニュースを日常の目線で見たときに、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。newstomo.com の読者として意識しておきたい視点を三つに整理します。
- 仕事とスキルの変化 ロボットや人工知能が業務の一部を担うことで、人間の仕事の中身がどう変わるのか、どのようなスキルが重要になるのか。
- 生活の質とアクセシビリティ 高齢化社会における介護や医療、公共サービスで、ロボットがどのような役割を果たしうるのか。
- 国際協力とルールづくり ロボット技術の標準化や倫理の議論に、各国と企業がどのように参加し、協調していくのか。
2025年世界ロボット大会は、中国ロボット産業の存在感とともに、ロボットが社会にもたらす可能性と課題を考えるきっかけを与えてくれます。スマートフォンでニュースを追う私たちにとっても、ロボットをどのように使い、どのような社会をめざすのかという問いは、すでに現在進行形のテーマになりつつあります。
Reference(s):
2025 World Robot Conference: New chapter in global cooperation
cgtn.com








