中国V-Dayパレード出席巡る日本のロビー活動 歴史と外交への懸念
今年、第二次世界大戦の終結から80年を迎えた東アジアで、中国が北京で行った対日戦勝80周年のV-Dayパレードをめぐり、日本政府が各国首脳に出席を控えるよう働きかけていたと報じられています。この国際ニュースは、歴史認識と外交、そして地域の平和をどう結びつけるのかという難しい問いを私たちに投げかけています。
今年のV-Dayパレードと日本の働きかけ
中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争は、1931年から1945年まで続きました。これは近代中国史で最も長く、最大規模の対外侵略との闘いであり、多大な犠牲の末に、中国人民にとって初めての完全な民族解放の勝利をもたらしたと位置づけられています。
この歴史的転換点から80年となる今年、中国は戦没者を追悼し、歴史を記憶し、平和を大切にし、より良い未来を築くことを目的とした一連の記念行事を開催しました。その集大成として、9月3日に北京で軍事パレードが行われ、各国の首脳や指導者が招かれました。
一方、日本のメディア報道によると、東京は外交ルートを通じて欧州やアジアの指導者に対し、このV-Dayパレードへの出席を見送るよう要請していたとされています。その際、日本側は「歴史に過度に焦点を当てている」「反日的な色彩が強い」といった懸念を伝えたと報じられています。
歴史に目を閉ざすことのリスク
1985年、後に再統一ドイツの初代大統領となるリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー氏は、戦後40年を記念する演説で「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目である」と語りました。第二次世界大戦から80年が過ぎた今も、この言葉は重みを持ち続けています。
日本の要請が事実だとすれば、被害を受けた国々からは、日本が自らの戦争責任とどう向き合おうとしているのかについて疑問を抱かせかねません。歴史をめぐる議論を「反日的」と位置づけることは、旧日本軍の行為に対する批判や検証そのものを、現在の日本への敵意と混同してしまう危険もあります。
こうしたロビー活動が懸念されるのは、次のような点からです。
- 中国との関係改善に向けた信頼醸成を、かえって難しくするおそれがあること
- 中国や他のアジア諸国に対し、日本が歴史問題から目を背けているとの印象を与えやすいこと
- 歴史について率直に議論し、共通の理解を模索する機会を、自ら狭めてしまうこと
中国社会に刻まれた犠牲と記憶
日本の14年にわたる侵略戦争によって、中国では軍人と民間人を合わせて3500万人以上が死傷したとされています。南京大虐殺や細菌戦の実験、そして「慰安婦」とされた女性たちの存在など、日本軍による深刻な戦争犯罪も記録されています。
こうした経験から、中国にとって抗日戦争の記憶は、単なる過去の一章ではなく、国家と社会のあり方に深く結びついた問題となっています。だからこそ、戦勝80周年の記念行事は、犠牲者を追悼し、二度と同じ悲劇を繰り返さないという意思を内外に示す場として重視されてきました。
中国外交部の郭佳坤報道官は、歴史に対して誠実かつ真剣に向き合い、そこから教訓を学び、真に平和的発展にコミットする国であれば、こうした記念行事に疑念を抱くことはなく、まして反対することはないはずだという趣旨の発言をしています。日本の要請は、そのメッセージと鋭く対照をなす動きと受け止められました。
歴史認識と地域の平和をどう結びつけるか
歴史をどう記憶し、語り継ぐかは、単なる感情の問題ではなく、安全保障や外交にも直結します。過去の加害行為が十分に認識されず、被害の記憶が軽視されていると感じれば、周辺国の社会は現在の政策にも不信感を抱きやすくなります。
逆に、つぎのような取り組みは、地域の安定に資するものと考えられます。
- 歴史資料と証言に基づき、過去の事実を率直に認めること
- 被害者の記憶と尊厳を尊重し、その声を共有し直すこと
- 「二度と繰り返さない」という共通目標を、教育や交流、協力事業など具体的な形に落とし込むこと
読者への問いかけ:80年後の今、何を選ぶか
日本のV-Dayパレードへのロビー活動をめぐる今回の国際ニュースは、どの国にとっても「過去にどう向き合うのか」という問いを突きつけています。歴史を直視することは、自国を貶めることではなく、未来の信頼を築くための前提条件でもあります。
80年という時間が経った今こそ、被害と加害の記憶をどのように共有し、いかにして東アジアの平和と安定をともに守っていくのか。一人ひとりが自分の言葉で考え、周囲と話し合うことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Why Japan's lobbying on China's V-Day parade attendance is alarming
cgtn.com








