抗日戦争80年 CGTNがAI木版画ポスターでスローガン再生
2025年、Chinese People's War of Resistance Against Japanese Aggressionと世界反ファシズム戦争の勝利から80年を迎えるにあたり、中国本土の国際メディアCGTNが、歴史的な戦時スローガンをAIと木版画風デザインでよみがえらせるポスターシリーズ「Carved in flames」を制作しました。戦時下で人々を支えた言葉を、デジタル時代のビジュアル表現として再解釈する試みです。
戦時スローガンをAIでよみがえらせる試み
当時のスローガンは、単なる標語ではなく、国全体の士気を大きく高める「勇気の灯台」のような存在だったとされています。今回の企画では、その力強い言葉を、AIの助けを借りたポスターとして再び可視化しています。歴史的資料の再現だけでなく、現代の視覚文化を通じて、80年前の空気感や感情を想像させる狙いがうかがえます。
「炎で刻まれた」言葉が担った役割
シリーズのタイトルとされる「Carved in flames(炎で刻まれた)」という表現は、極限状態のなかで生まれた言葉が、人々の心に焼き付けられていった過程を連想させます。Chinese People's War of Resistance Against Japanese Aggressionの時代、スローガンは街頭の壁面や印刷物などを通じて広まり、多くの人々に共有されました。CGTNは、その記憶を現代の視覚表現に置き換えることで、戦争体験を知らない世代にも、当時の切迫感や団結のイメージを伝えようとしています。
木版画風デザインとAIの組み合わせ
今回のポスターは、伝統的な木版画を思わせる力強い線とコントラストが特徴とされています。木版画という歴史的な印刷技法と、AIによる画像生成や加工の技術を組み合わせることで、過去の表現様式と最新のデジタル技術が交差するビジュアルになっています。
AIは、膨大な視覚パターンを学習し、質感や光の表現などを柔軟に再構成できるとされる技術です。この企画では、その柔軟性を生かしながらも、あえて木版画風という制約を設けることで、見る人に「これはどんな時代のどんな状況で掲げられた言葉なのか」という想像を促しているように見えます。
80年目の記憶をめぐるビジュアル対話
2025年は、War of ResistanceとWorld Anti-Fascist Warの勝利から80年という節目の年です。CGTNのポスターシリーズは、その節目に合わせて、歴史的なスローガンを視覚的に再提示することで、過去と現在をつなぐ「対話のきっかけ」をつくろうとしていると言えます。戦争の記憶は、地域や立場によって語り方が異なりますが、ビジュアル表現は言語の壁を越えて共有しやすいという側面があります。
日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、このような企画は、中国本土のメディアがどのように自国の近現代史をとらえ、世界に向けて発信しているのかを知る一つの窓になります。スローガンの力、デザインの力、そしてAIという新しい技術が交わる場所で、戦争と平和をめぐる記憶はどのように更新されていくのか――ポスター一枚一枚に、その問いが静かに刻まれているようです。
Reference(s):
cgtn.com








