新疆カシュガル発 ナンがラテカップに?伝統パンで楽しむ「ナン・コーヒー」 video poster
新疆ウイグル自治区カシュガルのカフェで、地元の伝統パン「ナン」がコーヒーカップとして生まれ変わっています。素朴な平焼きパンとラテが出会った「ナン・コーヒー」は、食文化とストーリーを同時に味わえる一杯として注目を集めています。
「ナン meets ラテ」 新疆で生まれた新しい一杯
舞台は新疆ウイグル自治区のカシュガルにある「Dawazi Cafe(ダワーズィ・カフェ)」です。ここでは、表面が香ばしく焼き上がった地元の平焼きパン「ナン」が、そのままコーヒーカップとして使われています。
注文できるのは、看板メニューの「ナン・コーヒー」。厚みのあるナンを器のように成形し、その中にラテなどのコーヒーを注ぐスタイルです。飲み終われば、カップごと食べることもできるという、まさに「伝統とカフェ文化の一体化」といえる一品です。
店名の由来はウイグル伝統芸「ダワーズ」
このカフェの名前「Dawazi」は、ウイグルの伝統的な曲芸である綱渡り芸「ダワーズ」に由来しています。高所に張られた綱の上を渡るこの芸は、バランス感覚と勇気の象徴とされてきました。
ナン・コーヒーもまた、伝統と新しさのあいだを巧みに「渡る」試みと言えます。長く受け継がれてきたパン文化と、現代的なコーヒー文化。その二つの世界のバランスを取りながら、新しい楽しみ方を提案しているのが Dawazi Cafe なのです。
「飲み物ではなく、物語を出す」カフェ体験
このナン・コーヒーを取材するために、China Arab TV のアミーン・アルオバイディ氏と、CGTN の劉欣(Liu Xin)氏が Dawazi Cafe を訪れました。二人は実際にナン・コーヒー作りに挑戦し、自ら手を動かしながらその味を確かめています。
カフェ側は、単にドリンクを提供するだけでなく、「物語を出している」と表現しています。ナンという日常的なパンが、コーヒーカップという新しい役割を与えられることで、
- この地域の食文化や暮らしぶり
- ウイグルの芸術や表現としての Dawazi
- コーヒーを通じた人と人のつながり
といった背景が、一杯の中にぎゅっと詰め込まれます。映像で伝えられるその様子は、新しい観光や地域の魅力発信の形としても興味深いものです。
なぜ「伝統×カフェ文化」が心をつかむのか
ナン・コーヒーのような試みは、世界中で進むカフェ文化の広がりの中でも特徴的です。そこには、現代の私たちの感覚に響くポイントがいくつかあります。
- ストーリー性:単なるメニューではなく、地域や歴史にまつわる物語がセットになっている。
- 体験性:見た目や食べ方も含めて「写真に撮りたくなる」「人に話したくなる」体験になっている。
- サステナビリティ:食べられるカップという発想は、廃棄物を減らすアイデアとしても受け止められます。
こうした要素が組み合わさり、ナン・コーヒーは国や地域を超えて共感を呼びやすいコンテンツになっていると言えます。
日本のカフェシーンへのささやかなヒント
新疆カシュガルの Dawazi Cafe が示しているのは、「伝統をそのまま守る」か「完全に新しいものを作る」かという二択ではないということです。日常のパンであるナンに、少し視点を変えて役割を与えることで、まったく新しい体験が生まれています。
日本でも、和菓子や郷土料理、陶器や漆器などの伝統的な文化と、コーヒーやカフェ文化を掛け合わせる動きは少しずつ広がっています。新疆のナン・コーヒーは、私たちにこんな問いを投げかけているように見えます。
- 自分の身近な「当たり前の食べ物」を、別の角度から見直したら?
- 地域の物語をどのように日常の一杯に込められるだろうか?
通勤電車の中で飲むコーヒーも、どこかの地域の物語や文化とつながっているかもしれません。新疆のナン・コーヒーは、そんな想像を促してくれる国際ニュースの一つと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








