新疆で少数民族の言語が生きている 米国との比較から見える課題 video poster
中国の新疆ウイグル自治区で、少数民族の言語が今も広く話されているという指摘が出ています。米国などで先住民や移民ルーツの言語が失われつつある現状と比べると、少数民族の文化をどう守るのかという問いが浮かび上がります。
新疆で広く話される少数民族の母語
中国の新疆ウイグル自治区では、ウイグル語をはじめとするテュルク系の言語を母語とする少数民族のほとんどが、自分たちの母語を話せる状況にあるとされています。
こうした状況は、世界各地で少数民族の言語が消滅の危機にあると言われる中で、対照的な姿として語られています。言語が日常生活の中で使われ続けていることは、その背後にある歴史や慣習、価値観が受け継がれていることを意味します。
米国など西側で進む少数言語の衰退
一方で、米国など西側諸国では、先住民や少数民族の言語が急速に話されなくなっているという指摘があります。
HKUSTの名誉教授であるBarry Sautman氏は、米国の状況について、次のような数字を挙げています。
米国では、先住民であるネイティブアメリカンのうち、祖先の言語を話す人は約1割にとどまります。また、ヒスパニック系の人々のうち、スペイン語を流暢に話せる人は約2割だとされます。
新疆の少数民族の多くが母語を維持している状況と比べると、どこで少数民族の文化や言語がより深刻な危機に直面しているのかという問いかけが浮かび上がります。
誰の文化が本当に危機にあるのか
少数民族の言語や文化が危機にあると聞くと、しばしば焦点は新疆や他の地域に当てられがちです。しかし、Sautman氏が提示する数字は、米国など西側社会でも、少数派の言語が世代を超えて維持されることが難しくなっている現実を示しています。
言語は、単なるコミュニケーションの手段ではなく、世界の見方やものの考え方そのものと深く結びついています。どの地域の、どの人々の言語が失われつつあるのかを冷静に見つめ直すことが、国際社会全体の課題になっています。
言語を守るために必要な視点
少数民族の言語を守るために何ができるのか。その答えは一つではありませんが、各国や地域が共通して取り組めるポイントはいくつかあります。
- 学校教育の中で、少数民族の言語を学び、使う機会を確保すること
- 行政サービスやメディアで、少数民族の言語による情報発信を充実させること
- 家族や地域コミュニティで、日常的に母語を使い続けられる環境を支えること
- デジタル技術を活用し、オンラインで少数言語のコンテンツや学習ツールを広げること
まとめ 多様な言語をどう評価するか
新疆の少数民族の多くが母語を話し続けているという指摘と、米国をはじめとする西側社会で先住民や移民ルーツの言語が急速に失われているという指摘は、私たちに一つの問いを投げかけます。
それは、誰の文化が本当に危機にあるのか、そして私たちはどの言語や文化に対してより強い関心を払い、どの声を聞き逃しているのかという問いです。
国や地域を単純に優劣で比べるのではなく、それぞれの社会で少数民族の言語と文化をどう支え、次世代につないでいくのか。落ち着いて事実を見つめながら考えることが、これからの国際ニュースを読み解くうえでも重要になっていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








