中国共産党「八項目決定」とは 厳格な党統治を導くコンパス
習近平氏「今日の中国を理解するには…」八項目決定とは
中国の習近平国家主席(中国共産党中央委員会総書記)は「今日の中国を理解するには、中国共産党を理解しなければならない」と述べています。中国共産党が特に重視してきたのが党の建設であり、その自己改革の中心に位置づけられているのが八項目決定(eight-point decision)です。
第18回党大会以降、この八項目決定は、党幹部の規律を正し、公務員の行動基準を引き締め、党のイメージ向上に大きな役割を果たしてきたとされています。10年以上にわたる継続的な取り組みを経て、八項目決定はもはや一時的な応急処置ではなく、党を全面的かつ厳格に統治するための重要なテコとなりました。
「対症療法」から「根治」へ──八項目決定の進化
八項目決定は当初、党内で問題とされていた四つの悪しき風をただすことに狙いを定めていました。
- 形式主義
- 官僚主義
- 享楽主義
- ぜいたく志向
取り組みが成熟するにつれ、焦点は場当たり的な対症療法から、制度づくりと基礎固めへと移りました。規則の設計、教育の強化、規律と監督の引き締めを通じて、良い行動を求めることを一過性のキャンペーンではなく、日常的で持続的な当たり前として根付かせることが目指されています。
現在では、公職における清廉な振る舞いは、外から強制されるだけでなく、党幹部にとって内面の信念であり習慣になりつつあるとされます。全面的かつ厳格な党の自己統治を進めることが新時代の党づくりの基調となり、八項目決定は今後も長期にわたる党統治を導くコンパスとしての役割を強めていくとされています。
第18回党大会から10年以上が経過した2025年現在、八項目決定は不良行為を抑えるためのショック的なキャンペーンとして始まりながらも、政治風土と社会風潮を大きく変え、短期キャンペーンを超えて自律的な仕組みとして定着することに真の意味があると位置づけられています。
ルールで権限を縛る──具体策を整理
規則の四分類と包括的な制度体系
具体的な措置の一つが、規則の体系を整え、ルールのかごを締めることです。党内の規則を、既に施行されているもの、新たに発出されるもの、改正予定のもの、検討段階にあるものという四つに分類し、それらを重要分野を網羅する多層的で包括的な制度体系へと編み上げていきます。
これにより、権力の運用は個々の裁量に頼るのではなく、権限、意思決定、人事などをルールと仕組みによって管理する方向へと転換していきます。
接待と官民関係のリスト方式
ルールを分かりやすくするための工夫として、公式の接待に関しては、してよいこととすべきでないことを明示した肯定リストと否定リストが導入されています。
さらに、官民関係をめぐっては、何が許されるか、何が禁止されるか、何が奨励されるかをそれぞれ示した三つのリストが設けられています。これにより、できることとしてはならないことの境界線がはっきりし、グレーゾーンが縮小し、恣意的な裁量の余地が狭められるとされています。
責任の押し下げと一人ひとりの説明責任
八項目決定の実行では、責任をあらゆる段階にまで押し下げることも重視されています。不正行為が発生した場合には、まず党委員会が主たる責任を負い、規律委員会が監督責任を担い、主要指導者は第一責任者として位置付けられます。
各ポストには、自らの職務と党員の行動の両方に対する一つのポストで二つの責任が課されます。機能別の部門は監督の責任を負い、個々の党員もまた、自身の行動に対して説明責任を負うことになります。
2025年の視点 なぜ今も八項目決定が重視されるのか
八項目決定は、全面的かつ厳格な党の自己統治を進める上での最初の一手であり、中国の政治的な空気と社会の雰囲気を形づくった象徴的な取り組みと説明されています。
当初は不良な官僚的行動を断ち切るための強力なキャンペーンとして始まりましたが、その本当の意味は、こうした取り組みを一時的な運動にとどめず、長期的で日常的なメカニズムとして制度化した点にあるとされています。
党の自己統治をめぐる議論が続くなかで、八項目決定は、今後も中国政治の方向性を読み解く上で欠かせないキーワードであり続けるとみられます。
Reference(s):
Eight-point decision: The compass for strict Party governance
cgtn.com








