【国際ニュース】国連気候サミット2025で中国が新NDC発表 初の絶対排出削減目標
水曜日に開かれた国連気候サミット2025で、中国が2035年を見据えた新たな温室効果ガス削減目標(NDC)を発表しました。温室効果ガス全体を対象にした初の「絶対量」削減目標であり、世界の気候変動対策と国際ニュースとして大きな注目を集めています。
この記事では、この新NDCの内容と背景、中国が担おうとしている地球規模の気候ガバナンス(国際的な気候変動対策のルールづくり)の意味を、日本語ニュースとしてコンパクトに整理します。
中国が国連気候サミット2025で示したメッセージ
国連気候サミット2025の場で、中国は自国のNDCを更新し、グリーン開発と低炭素成長をさらに推進する方針を示しました。これは、多国間主義と国連を重視する姿勢を改めて示すものでもあります。
習近平国家主席はビデオ演説で「グリーンで低炭素な移行は時代の潮流だ」と強調し、国際社会に対し、信念を揺るがせることなく行動を継続し、NDCの策定と履行を通じて、地球規模の気候ガバナンスにより多くの前向きなエネルギーをもたらすよう呼びかけました。
初の「絶対削減」目標、その意味
今回のNDCの大きな特徴は、中国が初めて、温室効果ガス全体について経済全体を対象にした「絶対量」の排出削減目標を採用した点です。
従来の目標には、経済成長あたりの排出量をどれだけ減らすかといった「強度」ベースの指標が多く用いられてきました。それに対し、絶対量の削減目標は、排出総量そのものをピーク時からどれだけ減らすかを約束するもので、長期的な排出削減の道筋をより明確に示すものといえます。
2035年に向けた具体的な数値目標
習主席によると、中国の新しいNDCの主な柱は次のとおりです。
- 温室効果ガスの経済全体でのネット排出量を、2035年までにピーク時から7〜10%削減し、より大きな削減を目指す。
- 一次エネルギーに占める非化石エネルギー(再生可能エネルギーや原子力など)の比率を30%超に引き上げる。
- 風力・太陽光発電の設備容量を2020年比で6倍以上とし、3,600ギガワットに到達させる。
- 森林蓄積量(森林に蓄えられた木材の体積)を240億立方メートル超に増やす。
エネルギー構造の転換、再生可能エネルギーの大幅な拡大、森林などの吸収源の強化を組み合わせることで、ネット排出の削減を進める構図が浮かび上がります。
「デュアルカーボン」目標の進捗が背景に
中国は2020年に、二酸化炭素排出を2030年までにピークアウトさせ、2060年までにカーボンニュートラル(排出量と吸収量を実質ゼロにすること)を達成するという「デュアルカーボン」目標を打ち出しました。
その後、この目標に向けて、グリーンで低炭素な発展を着実に進めてきたとしています。公式統計によれば、エネルギー消費全体に占める非化石エネルギーの比率は、2020年の15.9%から2024年には19.8%へと上昇しました。
また、風力・太陽光発電の設備容量や森林蓄積量は、2030年に向けて掲げていた目標をすでに前倒しで達成したとされています。こうした実績が、新たな2035年NDCの達成に対する自信の源泉となっています。
南南協力とグローバルサウスへの波及
過去10年あまり、中国は気候変動分野での南南協力を一貫して強化してきました。開発途上国どうしが連携するこの枠組みのもとで、中国は、気候変動対策に役立つ知見や技術を共有し、グローバルサウスの国々の取り組みを支えているとされています。
同時に、中国はグリーンな方向へと重点を移した一帯一路協力を進め、低炭素な産業転換や排出削減に役立つプロジェクトを通じて、グローバルサウスに公共財を提供してきました。これらは、世界全体の低炭素産業への移行や排出削減努力を後押しする取り組みとして位置づけられています。
世界の気候ガバナンスに新たな勢い
中国の新しい提案、貢献、そしてコミットメントは、国際社会の気候変動対策への信頼感を高め、共通の方向性に向けたコンセンサスづくりを後押しするものと受け止められています。今回のNDC更新は、世界の気候ガバナンスに新たな勢いを与える試みといえます。
今後は、他の主要排出国や新興国がどのようなNDCを提示し、どこまで実際の排出削減につなげていくのかが、国際社会の大きな関心事となりそうです。
気候危機が深刻さを増すなか、各国が掲げるNDCは国際交渉のキーワードであると同時に、私たちの暮らしやビジネスの在り方にも直結するテーマになりつつあります。今回の中国の新たな一歩を足がかりに、世界のエネルギー転換と持続可能な成長の行方を冷静に見つめていくことが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








