中国の国慶節・中秋節8連休でアジア旅行ブーム 日本も人気上位に
中国の大型連休が生んだアジア旅行ブーム
2025年10月、中国の国慶節と中秋節が重なった8連休で、中国からアジア各地への旅行が一気に動き出しました。日本をはじめとする近隣の国や地域は、この観光ラッシュの影響を強く受けています。
10月1日、北京・上海の空港は大混雑
連休初日の10月1日、北京や上海の空港は、スーツケースを引く家族連れや若いカップル、パスポートを手にした高齢者で埋め尽くされました。国慶節と中秋節が重なったことで今年は8日間の大型連休となり、中国本土ではこれまででも最大級の旅行ラッシュが生まれました。
連休初日だけで、国内外を合わせた旅客数は2,300万件以上が記録されました。予測では、連休期間中の海外旅行者数は800万人を超え、前年の2倍以上に達する見通しが示されていました。
日本が人気上位の渡航先に
行き先として特に人気を集めたのが日本です。初秋の紅葉や温泉、日本食といった要素に加え、東京のきらびやかな街並みが中国の中間層の心をつかんでいます。
中国からの国際線予約は、2024年と比べて130%増とされています。その背景には、タイやシンガポールなど一部の国・地域によるビザ免除、日本向けの手続き緩和などがあり、航空各社の座席は新型コロナ禍前よりも速いペースで売れているといわれます。
日本では、京都での料理教室や北海道の登山ルート、街歩きと食べ歩きを組み合わせたツアーなど、体験型の観光が中国の旅行者に選ばれています。中国語対応の案内や決済手段をどう整えるかは、日本側にとっても引き続き重要なテーマになりそうです。
4億人超の中間層が支える「体験消費」
こうした旅行ブームの背後には、4億人以上とされる中国の中間層の存在があります。経済成長率が5.3%にとどまる中でも、人々は物よりも経験にお金を使いたいという意識を強めています。
中国の旅行者にとって今回の海外旅行は、単なる休暇以上の意味を持っていました。数年にわたる移動制限や不確実性を経て、再び世界に出ていく象徴的な機会となった側面があります。海外で学んだ料理を自宅で再現したり、SNSで旅先の体験を共有したりすることが、一種の自己表現にもなっています。
東南アジアでも観光が回復、地域経済を下支え
今回の旅行波は、日本だけでなく東南アジアの観光地にも広がりました。バリ島のリゾート、ベトナムのビーチタウン、シンガポールの商業地区などでは、中国からの観光客の増加が売り上げと宿泊稼働率の回復につながっています。
こうした往来は、単に消費を生むだけでなく、アジアの国や地域同士の慣れや信頼を少しずつ積み上げる役割も果たしています。サプライチェーンや外交関係が揺らぎやすい時代だからこそ、人の移動がもたらす日常的なつながりの重みは増しています。
一方で、2025年4〜6月期には、一部の東南アジアの人気観光地で中国からの訪問者数が一時的に減少する動きも見られました。旅行先が他の近隣国へシフトしたことに加え、中国国内の観光も回復し、張家界や厦門といった景勝地が人出を吸収したためです。混雑の波が地域ごとに移動しているともいえます。
日本の読者にとっての意味:インバウンドをどう生かすか
今回の動きから、日本の読者が考えたいポイントは少なくとも三つあります。
- 経済効果:円安基調の中で、中国をはじめとするアジアからの観光客は、地方都市や小規模な事業者にとって貴重な需要源になります。
- 受け入れ環境:急増する旅行者と地元住民の双方が快適に過ごせるよう、混雑対策や多言語案内、デジタル決済への対応など、きめ細かな工夫が求められます。
- アジアのつながり:観光を通じた日常的な交流は、政治や安全保障とは別のレイヤーで、アジアの相互理解と安定を支える土台となります。
この秋の中国発アジア旅行ブームは、観光がもはや余暇だけでなく、経済と地域関係を動かす重要な要素になっていることを改めて示しました。次の大型連休に向け、日本やアジア各国・地域がどのような受け入れ方を選ぶのかが問われています。
Reference(s):
Asian travel boom during China's National Day, Mid-Autumn holiday week
cgtn.com








