新疆のダンサーが語る母の30年 1+3=∞が示す女性の強さ video poster
近く開かれる女性に関するグローバル・リーダーズ・ミーティングを前に、中国・新疆ウイグル自治区から、1人の母と三姉妹の30年の物語が静かな反響を呼んでいます。
1+3=∞というタイトルに込められた意味
今回紹介するのは、1人の母と3人の娘、そして彼女たちが歩んできた終わりのない可能性の物語です。タイトルの1+3=∞という表現には、数字では測れない家族の絆と、世代を超えて広がる人生の可能性が込められています。
新疆の母が背負った30年の歳月
物語の舞台は、中国西部の新疆ウイグル自治区です。三姉妹のうちの一人、ディルニガル・カハルは、カシュ市の歌舞団で活躍するダンサーです。彼女は、旧市街のオープニングセレモニーで世界各地からの来訪者を日々迎え、しなやかなダンスで街の魅力を伝えています。
しかし、その背景には、母親の長い奮闘の歴史があります。ディルニガルが6歳のとき、父親が亡くなりました。母親は小さな服飾店を切り盛りしながら、三人の娘を一人で育て上げました。約30年にわたるその道のりは、何度も挫けそうになりながらも、涙をぬぐって前に進み続ける日々だったといいます。
「死ぬときまできれいでいたい」――生きる力としての美しさ
この母親は、自分の人生を楽しむことを決してあきらめませんでした。彼女はこう語っています。
おいしいものを食べて、金のアクセサリーを身につけて、おしゃれをしてきれいでいたい。たとえ死ぬときでも、美しい自分でいたい。
経済的にも精神的にも決して楽ではない状況の中で、「美しくありたい」という願いを手放さなかった姿は、表面的な贅沢ではなく、人生を自分らしく生き抜くための意志の表れとも受け取れます。
三姉妹がそれぞれの道へ――1+3が広げる可能性
時間は流れ、三人の娘たちは、それぞれ家庭を持ち、仕事や学びの場で活躍するようになりました。ディルニガルはダンサーとして、世界から訪れる人びとと日々出会い、他の姉妹も自分なりの道を切り開いています。
母親が小さな店から守り抜いた1+3の生活は、やがて無数の出会いと選択、次の世代へと続く∞の物語へとつながっていきます。
「好きな人と結婚してほしい」というシンプルな願い
娘たちの結婚について聞かれたとき、この母親はこう答えました。
好きな人と結婚してくれれば、それでいい。
この一言は、親としての素朴な愛情であると同時に、娘たちの選択と幸せを尊重する姿勢を物語っています。結婚観や家族観が多様化する中で、「誰と結婚するかを自分で選べること」は、世界中の多くの人にとって重要なテーマになっています。
女性の物語として、私たちが受け取れるもの
女性に関するグローバル・リーダーズ・ミーティングの開催が近づくなか、この新疆の母と三姉妹のエピソードは、統計や政策だけでは見えてこない、生活の現場からの小さな声として響きます。
- 困難の中でも、生活の中に小さな楽しみと美しさを見出す力
- ひとり親家庭であっても、時間をかけて子どもたちの未来を切り開いていく粘り強さ
- 次の世代の選択を尊重し、「自分で決めてほしい」と背中を押す親のまなざし
国や地域、文化が異なっていても、こうした感情や願いは、多くの読者が自分自身の経験や家族の姿と重ね合わせられるものではないでしょうか。
遠くの物語を、自分の問いとして
新しい年に向けて、私たち一人ひとりが自分や家族の生き方を見つめ直す機会も増えます。新疆ウイグル自治区の一つの家族の30年の物語は、次のような問いを静かに投げかけています。
- もし自分がこの母親の立場だったら、1+3=∞という式にどんな意味を込めるだろうか
- 自分や身近な人にとって、「好きな人を選べる」ということはどれほど大きな意味を持つのか
- 忙しい毎日の中で、自分なりの「美しさ」や「楽しみ」をどれだけ大切にできているか
遠く離れた地域の一つの家族の物語を知ることは、国際ニュースを身近なテーマとして考えるきっかけにもなります。数字では表せない∞の物語は、私たち自身の中にも静かに続いているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








