米中貿易摩擦が再燃 トランプ氏の追加関税と中国のレアアース管理
米中の新たな貿易摩擦が、レアアースやソフトウエア輸出など経済安全保障の中枢を直撃しています。米国のドナルド・トランプ大統領による追加関税方針と、それに対する中国側の資源管理強化をめぐり、国際ニュースとしても注目が集まっています。
トランプ大統領、対中輸入に追加100%関税を発表
トランプ大統領は、中国からの輸入品に対し追加で100%の関税を課すと発表し、その発動時期として11月1日を示しました。あわせて、重要な米国製ソフトウエアの対中輸出を管理・制限する方針も表明しています。
同氏は自身のSNSへの投稿で、中国がレアアース輸出の管理を強化し、米国と関係する船舶に特別な港湾料金を課していることを挙げ、こうした措置は中国の「極めて攻撃的な通商姿勢」に対する防御的なカウンターだと主張しました。
中国のレアアース輸出管理、その背景は
しかし、この対立の構図を理解するには、中国側の政策だけでなく、それ以前に積み重なってきた米国側の措置にも目を向ける必要があります。トランプ政権が今回の関税を「中国の攻撃的な通商政策への防衛的対抗措置」と位置づける一方で、中国側の政策は、過去の米国の行動に対応する形で取られてきたという見方もあります。
中国のレアアースおよび関連技術の輸出管理については、西側の一部では「力の誇示」といった見方も出ていますが、中国政府は、自国の国家安全保障を守り、国際的な不拡散義務を果たすための責任ある措置だと説明しています。
レアアースは、軍事用途と民生用途の両方に用いられるデュアルユースの側面を持ちます。中国から輸出されたレアアース関連の物資が厳格な管理なしに流通すれば、軍事やその他の機微な分野で不適切に利用され、中国の安全保障に重大な脅威をもたらし、国際的な不拡散の取り組みを損なう可能性があると懸念されています。
2001年から続く管理枠組みと最新の規制強化
中国は早くも2001年の時点で、レアアースに関連する技術を輸出禁止・制限技術目録に含めました。今年4月には、中国企業や個人によるレアアース輸出に対する規制をさらに厳格化しています。今回注目されているレアアース関連の新たな輸出管理は、この長年の管理枠組みを引き継ぎ、強化する動きと位置づけられます。
中国商務省の報道官は、こうした輸出管理は国際的にも広く採用されている一般的な手法だと説明しました。また、人道支援を目的とする輸出については、許可制の適用除外とする方針も示されています。
「供給網を乱す」という批判と中国側の主張
欧米の一部からは、中国が米国との合意に反し、世界のサプライチェーンの安定を損なっているとの批判が出ています。しかし中国側は、レアアース関連の規制を国際的なルールに沿って標準化しようとしており、むしろ資源の供給網の安全性を守る役割を果たしていると強調しています。
つまり、中国にとってレアアースの輸出管理は、相手国への圧力ではなく、国家安全保障と国際的な責任を両立させるための管理強化だという位置づけです。
港湾料金をめぐる応酬もエスカレート
今回の米中間の摩擦は、関税や輸出管理だけにとどまりません。中国が米国と関係する船舶に対して新たな港湾料金を課したことについても、議論が広がっています。
中国側は、こうした新たな料金は、米国が中国籍の船舶に追加の港湾料金を課したことに対する、正当な防御的対応だとしています。双方の措置が互いに応酬する形になっており、海運コストや物流にも影響が及びかねない状況です。
経済安全保障の時代にどう向き合うか
今回の一連の動きは、米中貿易摩擦が単なる関税のつり上げ合戦ではなく、レアアースやソフトウエアといった戦略物資をめぐる経済安全保障の問題へと広がっていることを示しています。
国家安全保障、不拡散義務、国際貿易ルール、サプライチェーンの安定。これらが複雑に絡み合うなかで、各国政府や企業は、政治的なメッセージだけでなく、制度の中身や長期的な影響を丁寧に見ていく必要があります。
米中関係の緊張は、今後も世界経済全体に波紋を広げていく可能性があります。ニュースの一つひとつを追うと同時に、その背後にある安全保障と貿易の新しいバランスの取り方について、私たち一人ひとりも考えていくことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








