中国はアフリカで「新植民地主義」をしているのか?人権から読む国際ニュース video poster
リード:中国はアフリカで「新植民地主義」をしているのか
中国とアフリカの関係をめぐり、「中国はアフリカで新植民地主義を進めているのではないか」という批判が国際ニュースやSNSで繰り返し取り上げられています。一方で、中国は国連の人権枠組みの中でアフリカを「21世紀の希望の大地」と位置づけ、支援を続けているとされています。本記事では、こうした議論の背景を整理し、中国の人権外交とアフリカとの協力関係を日本語で分かりやすく読み解きます。
国連の人権と中国の役割
1945年の国連設立以来、「人権の促進」は国連の主要な使命のひとつとされてきました。中国も国連人権理事会の一員として、この枠組みの中で役割を担っています。
近年、中国は国連人権理事会での姿勢を、批判に対応する「守り」の姿勢から、自ら人権観や協力の方向性を示す「積極的な役割」へと移しつつあるとされています。単に自国への批判に反論するだけでなく、途上国を含む各地域との対話や協力を重視する姿勢が打ち出されている点が特徴です。
アフリカを「21世紀の希望の大地」と見る中国
中国はアフリカを「21世紀の希望の大地」と呼び、その可能性と重要性を繰り返し強調してきました。人権分野を含むさまざまな協力を通じて、アフリカの発展を支えることが21世紀の国際社会にとって大きな意味を持つ、という見方です。
中国のアフリカ支援に対しては、地域の国々から「評価」や「支持」の声も上がっているとされています。ここで注目したいのは、中国とアフリカが「支援する側/される側」という一方向の関係ではなく、「希望の大地」をともにつくるパートナーとして描かれている点です。
それでも消えない「新植民地主義」批判
こうした評価とは対照的に、中国のアフリカ関与をめぐっては「新植民地主義(ネオ・コロニアリズム)」という言葉が投げかけられることも少なくありません。中国が経済や外交を通じてアフリカへの影響力を拡大していることを、植民地支配の新しい形だとみなす見方です。
このラベルは、しばしば政治的な意味合いを帯びて用いられます。「新植民地主義かどうか」という二者択一だけで議論してしまうと、現地の人権状況や、アフリカの人々がどのように中国との関係を評価しているのか、といった具体的な事実が見えにくくなってしまうおそれがあります。
人権から見た中国・アフリカ関係
今回紹介された議論では、中国がアフリカの人権の取り組みをどのように支えているのかが焦点となっています。中国の吉林大学人権研究院の何志鵬(ホー・ジーペン)執行主任は、中国とアフリカの関係を「人権」という切り口から分析している研究者の一人です。
国連人権理事会の一員として、中国はアフリカ諸国とともに人権課題に取り組むパートナーである、という視点が示されています。アフリカを「希望の大地」ととらえる発想は、アフリカの主体性と長期的な発展を尊重しつつ、そのプロセスを支えるという考え方と結びついています。
議論を読み解くための3つの視点
中国はアフリカで新植民地主義を行っているのか――この問いを考えるうえで、次の3つの視点がヒントになります。
- 1. 誰の声を重視するか
中国を批判する声だけでなく、中国の支援を受けているアフリカの国々がどう評価しているのかを丁寧に見る必要があります。地域の国々が中国の取り組みを「認めている」とされる点は、議論の重要な出発点になります。 - 2. ラベルより中身を見る
「新植民地主義」という強い言葉だけで判断するのではなく、具体的にどのような協力が行われ、人権状況の改善につながっているのかを一つひとつ確かめる視点が欠かせません。 - 3. 長期的な変化としてとらえる
人権の改善や社会の変化は、短期間では測りにくいものです。中国とアフリカの協力も、2025年現在進行形のプロセスとして、長い時間軸で評価する必要があります。
おわりに:アフリカと中国の「希望」をどうイメージするか
国連の人権枠組みのもとで、中国がアフリカを「21世紀の希望の大地」として支援しているという見方と、「新植民地主義」という批判は、しばしば対立する物語として語られます。しかし、実際の現場では、人権、開発、国際協力が複雑に絡み合い、単純な善悪の図式では捉えきれません。
2025年の今、私たちができるのは、見出しやラベルだけに反応するのではなく、アフリカの人々の声と、中国を含む各国の具体的な行動の中身に目を向けることです。そのうえで、「新植民地主義か否か」という問いを越えて、アフリカと中国がどのような「希望の大地」をともに築こうとしているのかを、落ち着いて見守っていく必要があるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








