中国第20期4中全会が閉幕 次の5カ年計画と世界経済の不確実性
世界経済の不透明感が高まるなか、中国で開かれていた中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が最近北京で閉幕し、次の第15次5カ年計画期間に向けた中国の進路が示されました。
第20期4中全会で示された新たな方向性
中国の発表によると、今回の全体会議後に公表されたコミュニケでは、第15次5カ年計画期間に向けて、いくつかの重点目標が掲げられました。具体的には、質の高い発展の一層の前進、科学技術の自立自強の大幅な向上、人々の生活の質のさらなる改善などです。
第20回党大会などで打ち出された長期方針を踏まえ、今回の全会は、その実行のための中期的な道筋を詰める場になったとみられます。中国は、自国の発展戦略を通じて、世界に対しても一定の安定性と予見可能性を提供しようとしていると位置づけています。
第14次5カ年計画から第15次計画へ
今回の全会は、中国にとって重要な「移行期」にあたるとされています。第19期中央委員会第5回全体会議(2020年)と、第20回党大会(2022年)では、2035年までに社会主義現代化を基本的に実現し、本世紀半ばまでに「全ての面で現代的な社会主義強国」となるという長期目標が示されました。
現在進行中の第14次5カ年計画期間(2021〜2025年)については、中国経済の増加分が35兆人民元(約4.93兆ドル)を上回ると見込まれています。2021〜2024年の平均成長率は5.5%とされ、その結果、世界の経済成長への寄与度は毎年およそ3割に達したとされています。
こうした「実績」を踏まえつつ、次の第15次5カ年計画期間では、これまでの成果をどこまで固め、2035年や世紀半ばの目標に向けてどのように橋渡しをしていくかが問われる局面に入ります。
不確実性が「新常態」となる世界経済
世界全体を見渡すと、2025年12月現在、国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事が「シートベルトを締めるべき時。不確実性は新たな通常となり、今後も続く」と警告するなど、先行きへの懸念が強まっています。
彼女は特に、関税や非関税障壁の拡大をリスク要因として挙げました。加えて、中東や欧州では地政学的な緊張が長期化しており、ガザを巡る停戦は依然として不安定で、ウクライナ情勢を巡る直接的な和平交渉の見通しも立っていません。
こうした経済的混乱や政治的対立の影響もあって、国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた前進は鈍っています。特に、教育機会の平等、デジタルアクセス、気候変動への対応といった分野で課題が顕在化しています。
世界第2の経済大国としての役割
このように相互に密接に結びついた世界において、世界第2の経済大国である中国がどのような発展パスを描くかは、各国にとって大きな意味を持ちます。中国経済の成長率、技術革新の方向性、貿易や投資の方針は、世界のサプライチェーンや金融市場、気候対策にも波及します。
今回の4中全会で示された「質の高い発展」や「科学技術の自立自強」といったキーワードは、中国の国内課題への対応であると同時に、国際社会に対しても今後の方向性を示すメッセージと受け止められます。
日本やアジアの読者への含意
日本やアジアの読者にとって、中国の新たな5カ年計画が意味するポイントをいくつか整理すると、次のようになります。
- 貿易・投資環境:中国市場の需要構造や規制の方向性は、日本企業やアジア企業の中長期戦略に影響します。
- サプライチェーン:技術自立や安全保障を意識した産業政策は、製造業やデジタル産業の供給網再編につながる可能性があります。
- 気候変動対策:エネルギー転換や環境技術の拡大は、国際的な協力や競争の両面で重要なテーマとなります。
- デジタル格差:デジタルアクセスや教育の課題にどう向き合うかは、アジア全体の持続的な成長とも直結します。
世界が「不確実性の時代」にあるからこそ、大きな経済を持つ国がどのように中長期の計画を描き、実行していくのかが、これまで以上に注目されています。中国の第15次5カ年計画の具体像が今後詳しく示されていくなかで、私たちもその内容と世界への影響を冷静に見ていく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








