若者が動かすサステナブルな未来 2025年APEC韓国会合の現場から video poster
「サステナブルな明日をどう築くか」。韓国で開かれる2025年のAPEC Leaders’ Meetingでは、この問いが大きなキーワードになっています。その答えを探る主役のひとりが、各地から集まる若者たちです。
生物多様性の保護を訴え、気候変動の研究に取り組み、国境を越えてボランティアに参加し、文化交流を育てる——そんな4人の若いチェンジメーカーが、アイデアを実際の行動へと変えています。彼らの姿から、国際ニュースとしてのAPECが、若い世代にとってどんな意味を持つのかを考えてみます。
2025年APEC韓国会合と蝶のエンブレム
アジア太平洋地域の経済協力を話し合うAPECのLeaders’ Meetingは、各メンバーが成長と持続可能性をどう両立させるかを議論する場です。2025年に韓国で開かれる会合では、とくに「サステナブルな明日」が大きなテーマになっています。
今年の会合を象徴するのが、蝶のエンブレムです。小さな羽ばたきがやがて大きな風を起こすように、ひとつひとつの行動が、より持続可能で豊かな世界を生み出す、というメッセージが込められています。若者の挑戦は、その「最初の羽ばたき」として位置づけられています。
4人の若者が示す4つの「一歩」
今回紹介されている4人の若者は、分野も出身も異なりますが、「待つのではなく、自分から動く」という点で共通しています。それぞれの一歩は、小さく見えても、周囲の意識や行動を着実に変えつつあります。
1. 生物多様性を守るために声を上げる
一人目は、生物多様性(いきものの多様さ)を守る活動に力を入れる若者です。地域の自然保護区や海岸、森林などに目を向け、失われつつある生態系に関心を集めようとしています。
具体的には、オンラインとオフラインの両方で情報発信を行い、身近な生き物の変化や、開発とのバランスについて、同世代に分かりやすく伝えます。専門家ではない一般の若者が、科学的な知見をかみ砕いて共有することで、「自然保護は難しいテーマ」というイメージをやわらげているのが特徴です。
2. 気候研究で政策につながるデータを集める
二人目は、気候変動に関する研究に携わる若者です。気温や降水量の変化、大気中の二酸化炭素濃度といったデータを集め、分析することで、気候危機の「見えにくさ」を可視化しようとしています。
研究成果は、単なる学術論文にとどまりません。若者ならではの視点で、グラフやインフォグラフィックにまとめ、政策担当者や市民が直感的に理解できる形にして発信します。国際会議の場で、そのデータをもとに提言を行うこともあり、「エビデンス(根拠)に基づく議論」に若い世代が直接関わる一例となっています。
3. 国境を越えるボランティアでコミュニティを支える
三人目は、国境を越えてボランティア活動に参加する若者です。環境保全や教育支援、災害後の地域再建など、課題を抱える地域を訪ね、現地の人々と協力しながら活動しています。
このタイプのボランティアは、単なる「助ける側」と「助けられる側」という関係ではありません。生活習慣や価値観の違いに向き合いながら、互いに学び合うプロセスそのものが重要です。現場で得た学びを自国に持ち帰り、発信することで、国際協力の輪をさらに広げる役割も担っています。
4. 文化交流で「共感の土台」を築く
四人目は、文化交流を通じて人と人をつなぐ若者です。音楽、アート、言語交換、オンラインイベントなど、さまざまな方法で人々が出会い、お互いの背景を理解するための場をつくっています。
気候変動や環境問題は、科学や政策だけで解決できるものではなく、「他者への想像力」が欠かせません。文化交流は、その想像力を育てるための土台です。相手の文化や歴史を知ることで、「遠い国の問題」だと思っていたことが、「自分とつながる課題」へと変わっていきます。
若者の行動が示す3つのポイント
4人のチェンジメーカーの取り組みは、それぞれ違いながらも、共通するメッセージを伝えています。
- 問題を「自分ごと」としてとらえ、小さくても具体的な行動に落とし込むこと
- 専門家だけに任せず、市民として知る・伝える役割を引き受けること
- 国境や文化の違いを越えてつながり、「共感のネットワーク」を広げること
こうした動きは、APECのような国際会合にとっても大きな意味を持ちます。各メンバーが掲げる政策目標は、最終的には市民の行動とリンクしてこそ力を発揮します。若者の実践は、その接点を具体的なかたちで示していると言えます。
私たちにできる「小さな羽ばたき」
では、国際会議の場から離れた私たちは、どんな一歩を踏み出せるでしょうか。2025年のAPEC韓国会合で示された若者の姿は、日常生活の中で実践できるヒントにもなります。
- 身近な自然や地域の環境問題について、まずは知り、家族や友人と話してみる
- 気候変動やサステナビリティに関する信頼できる情報源をフォローし、学び続ける
- オンラインイベントやボランティアを通じて、他の国や地域の人とつながってみる
- SNSで、自分が心を動かされた取り組みやアイデアを共有し、対話のきっかけをつくる
どれも、一人ひとりにとっては小さな行動に見えるかもしれません。しかし、今年のAPEC Leaders’ Meetingを象徴する蝶のエンブレムが示すように、小さな羽ばたきが重なれば、大きな変化につながります。
国際ニュースは、ともすると「遠い世界の話」のように感じられます。ですが、若者が形にしているサステナブルな明日への一歩は、私たちの日常と地続きです。2025年の今、自分にとっての「最初の一歩」は何か——その問いを持ち帰ることが、このニュースからできるもっとも身近なアクションかもしれません。
Reference(s):
One step at a time: How youth are shaping a sustainable tomorrow
cgtn.com








