AIで躍進するグローバルサウスのメディア 世界はその声を聞く準備ができているか video poster
AI技術が急速に広がる2025年現在、国際ニュースの主役が「グローバルノース」から「グローバルサウス」へと静かにシフトし始めているかもしれません。ニュース配信の新しい波を起こそうとしているのは、最先端設備を持つ大手メディアではなく、AIで一気に飛び級しようとする南側のメディアです。
AIがもたらす「飛び級」:モバイル革命の再来か
ユーザーの断片情報によると、アフリカが固定電話を飛び越えてモバイル通信へ一気に進んだように、グローバルサウスのメディアもAIを活用することで、従来型の放送システムや巨大な設備投資を飛び越え、「次のステージ」に一気に進む可能性があります。
この「飛び級」には、いくつかのポイントがあります。
- 高価な旧来システムに縛られず、最初からAI前提のワークフローを組める
- 少人数の編集部でも、AIで翻訳・字幕・要約などを補い、発信力を高められる可能性がある
- 新しい視点のニュースを、より速く、より多言語で世界に届けられる余地がある
つまり、遅れていたはずの地域が、AIをきっかけに一気に「先行組」に回り込むかもしれない、という構図です。
ENEXのエイドリアン・ウェルズ氏が見る可能性
ユーザーの提供情報によれば、ニュース協力ネットワークであるENEXのAdrian Wells氏は、AIがグローバルサウスのメディアにとって「レガシーシステム(旧来の仕組み)を飛ばすための力」になり得ると指摘しています。
従来、テレビ局や大手メディアには、
- 大規模なスタジオ設備
- 専用の編集システム
- アナログ時代から積み重なった運用ルール
といった「重い荷物」がありました。AIを中心に据えた新興メディアは、こうした制約を持たないため、
- クラウドベースの編集や配信
- AIによる自動翻訳・音声合成
- デジタルネイティブな配信戦略
などを前提に、最初から「AI時代仕様」で設計されたニュースづくりが可能になります。ウェルズ氏の見立ては、まさにグローバルサウスのメディアが次のイノベーションの波をリードし得る、という方向を示しています。
問い:グローバルノースの視聴者は、その声を聞く準備があるか
ただし、ここで浮かび上がるのが「世界はその声を聞く準備ができているのか」という問いです。ユーザーの断片情報は、グローバルノースの視聴者が、南からのニュースの波にどこまで気づき、どこまで関心を向けるのか、という問題意識を含んでいます。
背景には、これまで国際報道の多くが、欧米などを中心とする「北」から「南」への一方向の流れとして受け取られがちだった、という構図があります。その結果、
- グローバルサウス発のストーリーが、十分に知られないまま終わる
- 「語られる側」としてのイメージばかりが強化される
といった現象も起きやすかったと言えます。
AIによって南側のメディアが発信力を高めても、もし北側の視聴者が「そもそも探しに行かない」「信頼できるソースとして認識しない」ままであれば、情報の非対称性はあまり変わらないかもしれません。この意味で、技術だけでは解けない「受け手側の意識」の問題が、これからの焦点になっていきます。
日本のニュース読者にとっての意味
日本のニュース読者にとっても、これは遠い話ではありません。日本は地理的にも歴史的にも、グローバルサウスとグローバルノースの両方と関わりの深い位置にあります。その日本語でニュースを読む私たちが、
- どの地域のメディアを「デフォルト」で信頼しているのか
- どの地域からのニュースが、自分のタイムラインで見えにくくなっているのか
を意識するだけでも、情報の受け取り方は変わります。
AIによってグローバルサウスのメディアが存在感を増していくとすれば、日本語で世界の動きを追う際にも、
- 南側からの視点をどう拾い上げるか
- どのニュースが、従来なら届かなかったはずの声なのか
を考えながら読むことが重要になっていきます。
私たちが今からできる3つのアクション
では、視聴者・読者の立場から、何ができるでしょうか。ユーザーの提示した問題意識を踏まえると、次のような小さな一歩が考えられます。
- ニュースの「出どころ」を意識して読む
記事や動画を見たとき、その発信元がどの地域のメディアかを一度確認してみるだけでも、情報の偏りに気づきやすくなります。 - グローバルサウス発のストーリーを積極的に探す
AI時代には、南側のメディアが英語や他言語で発信する機会も増えていくと考えられます。そうした声に自分から近づいていく姿勢が求められます。 - 気になった記事を日本語圏にシェアする
印象に残った南側からのニュースを、XやInstagram、LINEなどで日本語のコメントとともに共有することは、「聞かれる機会」を増やす具体的な行動になります。
AI時代のニュース主役はどこから現れるのか
AIがグローバルサウスのメディアに新しい力を与えつつある一方で、グローバルノースの視聴者がその変化をどこまで受け止められるのかは、まだ開かれた問いのままです。
アフリカが固定電話を飛び越えてモバイルに進んだように、ニュースの世界でも「飛び級」が起きるのか。次の時代を象徴するストーリーは、どの都市、どの地域から語られるのか。2025年の今、この問いに早く気づいた読者ほど、ニュースの見え方が変わっていくのかもしれません。
Reference(s):
AI empowers Global South media, but is the world ready to listen?
cgtn.com








