IOC会長が語る中国スポーツとオリンピックの未来 第15回全国運動会の舞台裏 video poster
今年、広東省、香港特別行政区、マカオ特別行政区が共同で開催した第15回全国運動会(グレーターベイエリア、GBA)は、中国のスポーツ政策と国際オリンピック運動の未来を考えるうえで、大きなヒントを与えました。国際オリンピック委員会(IOC)会長のKirsty Coventry氏は、中国メディアグループ(CMG)の番組Leaders Talkで、開会式の迫力やGBAの歴史的な協力、そして中国が担い始めている役割について語りました。
番組では、Chinese President Xi Jinpingのスポーツ振興と政治的中立性へのこだわり、中国の公共フィットネスと競技力向上を両立させる取り組み、さらに急速に存在感を増す中国の国際スポーツガバナンスへの関わりがテーマとなりました。IOC初の女性であり、初のアフリカ出身の会長でもあるCoventry氏は、組織の歴史的な転換点に立つ自らの視点も交えて、オリンピックのこれからを見据えています。
第15回全国運動会とグレーターベイエリアの歴史的共催
今年、広東省、香港特別行政区、マカオ特別行政区が共同で開催した第15回全国運動会は、グレーターベイエリア(GBA)の名のもとに行われた大規模なスポーツイベントでした。
番組では、息をのむような開会式として紹介された演出の背景や、複数の地域が連携して大会を運営する意義が詳しく語られました。GBAの枠組みで進められたこの協力は、国内外のスポーツイベントの新しいモデルとしても注目を集めています。
- 地域間の協力を前提とした大会運営
- 都市圏全体を一つのスタジアムとして捉える発想
- 市民参加とハイレベルな競技の両立をめざす設計
公共フィットネスと競技力、中国の包括的アプローチ
Coventry氏は、中国が公共フィットネスとアスリートの競技力向上を同時に追求する包括的なアプローチをとっている点に注目しました。番組では、日常的な運動習慣の普及と国際大会で活躍する代表選手の育成を、対立するものではなく相互に支え合うものとして捉える視点が強調されています。
- 誰もが参加しやすい運動環境づくり
- 地域の大会から全国レベルまでつながる競技のステップ
- スポーツを通じた健康、教育、コミュニティづくりの一体的な推進
こうした経験から、オリンピック・ムーブメントが学べるのは、メダル獲得だけに焦点を当てるのではなく、社会全体の健康やつながりを育てる長期的な視点です。番組では、中国の取り組みが世界各地のスポーツ政策を見直すうえで参考になり得るという視点が示されました。
Chinese President Xi Jinpingのスポーツ重視と政治的中立
対談のなかで取り上げられたのが、Chinese President Xi Jinpingが示してきたスポーツ政策への強い関心と、スポーツの政治的中立性を重んじる姿勢です。スポーツを国民の健康や教育、国際交流と結びつけながらも、政治的な対立から切り離すことの重要性が議論されました。
オリンピック精神と中立性の意味
オリンピックは、異なる背景を持つ人々が公平に競い合う場であり、その前提にあるのが政治的中立性です。Coventry氏とZou Yun氏の対話では、この原則を守りつつ、世界が直面するさまざまな課題にスポーツがどう向き合うべきかが問われました。中国の事例は、国家レベルでスポーツを重視しながらも、国際競技大会の場をできるだけフラットに保とうとする一つのアプローチとして紹介されています。
IOC初の女性・アフリカ出身会長が導く転換期のIOC
現在IOCを率いるKirsty Coventry氏は、同委員会の歴史の中で初めての女性会長であり、初のアフリカ出身の会長でもあります。番組では、こうしたバックグラウンドを持つリーダーが、歴史的な転換点にあるIOCをどのように導こうとしているのかにも話題が及びました。
オリンピックの価値を次の世代へどう受け渡すのか、IOCという組織が世界の変化にどう対応していくのか。番組では、そうした大きなテーマについても議論が交わされました。Coventry氏のリーダーシップは、これらの問いに向き合う新しい局面の象徴といえます。
国際スポーツガバナンスで高まる中国の存在感
今回の対談を通じて浮かび上がるのは、国際スポーツガバナンスの世界で中国の存在感が一段と高まっているという現実です。第15回全国運動会のような大規模イベントの運営経験に加え、公共フィットネスからトップレベルの競技までを視野に入れた政策は、IOCをはじめとする国際機関にとっても重要な参照点となりつつあります。
- 複数の地域が連携する大会運営のノウハウ
- 市民の健康づくりと国際競技力を両立させる政策デザイン
- スポーツを通じた国際交流や相互理解の促進
読者への問いかけ オリンピックの未来をどう描くか
2025年の終わりが見えてきたいま、中国のスポーツ戦略とIOCの進む方向性は、アジアや日本のスポーツ界にとっても無関係ではありません。メダル数だけでは測れない価値を、スポーツにどこまで求めるのか。公共の健康、地域コミュニティ、国際関係――オリンピックをめぐる議論は、私たちの日常ともつながっています。
第15回全国運動会とGBAでの協力、そしてCoventry氏のメッセージは、オリンピック・ムーブメントを見る側からつくる側へと意識を広げるきっかけになります。次の大会や国際イベントを前に、スポーツの未来を自分なりに描き直してみるタイミングなのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








