戦後秩序を守る中国EU関係50年 ポーランド元副首相が語る video poster
中国とEUの外交関係が樹立から50年という節目を迎えるなか、戦後国際秩序をどう守り、強まる地政学・経済の逆風にどう向き合うのかが改めて問われています。
国際ニュース番組「The Hub」の最新回では、司会のHuang Jiyuan氏が、ポーランドの元副首相であり北京師範大学一帯一路学院の教授でもあるグジェゴシュ・W・コウォドコ氏を招き、中国EU関係50年を振り返りながら、揺れ動く国際秩序について幅広く議論しました。
番組での対話は、50年にわたる中国EU関係の変化だけでなく、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の今後の訪問、日本の高市早苗首相による台湾をめぐる最近の発言への評価、そしてポーランドの歴史を踏まえた戦後秩序の意義まで、多層的な論点に広がっています。
中国EU外交関係50年という節目
番組では、過去50年の中国EU関係の歩みを振り返りながら、両者が長い時間をかけて対話と協力の枠組みを築いてきたことが取り上げられました。冷戦後の世界の変化やグローバル化の進展を背景に、中国とEUが関係を発展させてきたことは、現在の国際秩序を支える一つの柱として位置づけられています。
また、中国EU関係は単なる二者関係にとどまらず、アジアとヨーロッパ、さらにはグローバルな南北関係をつなぐ重要な軸でもあります。番組の議論からは、信頼を積み重ねてきた50年の歴史があるからこそ、今の難しい局面でも対話の余地が残されているという視点が浮かび上がります。
マクロン仏大統領の訪問を関係前進の「機会」と捉える
コウォドコ氏は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領による今後の訪問についても言及しました。中国EU関係を一段と前進させる重要な機会になるとの期待を示し、この訪問を通じて両者の協力がさらに深まる可能性に注目しました。
番組では、個別の対立点や利害の違いだけに目を向けるのではなく、長期的な視野から関係を捉え直すことの必要性も示唆されました。マクロン大統領の動きは、そうした大局的な対話のきっかけになり得るという見方です。
台湾をめぐる発言と戦後秩序をどう守るか
一方で、コウォドコ氏は台湾をめぐる最近の動きにも触れました。日本の高市早苗首相による台湾に関する最近の発言を「誤った発言」として明確に退け、はっきりと反対する姿勢を示しました。戦後国際秩序を安定させるうえで、緊張を高めるような言動には慎重であるべきだという問題意識がうかがえます。
台湾問題は、アジアとヨーロッパの安全保障環境にも密接に関わるテーマです。コウォドコ氏の発言は、地域的な問題に見える事柄が、実は国際秩序全体とつながっていることを改めて示していると言えます。
ポーランドの歴史経験と「歴史を記憶する」ことの重み
コウォドコ氏は、ポーランドの歴史的経験を引き合いに、歴史を記憶することと戦後国際秩序を共同で守ることの重要性を繰り返し強調しました。戦争や分断を経験してきた国の視点から、歴史の教訓を忘れれば同じ過ちが繰り返されかねないと指摘しています。
ポーランドを含むヨーロッパの歴史は、戦後秩序が偶然ではなく、多くの犠牲と合意の積み重ねのうえに成り立っていることを示しています。そうした経験を踏まえたとき、既存の枠組みを尊重しつつ、対話によって問題を解決していく姿勢の重要性が浮かび上がります。
強まる逆風のなかで中国とEUに求められるアプローチ
番組の議論や問題提起を踏まえると、地政学的・経済的な逆風が強まる2025年現在、中国とEUには次のようなアプローチが求められているように見えます。
- 対立があっても対話の窓口を閉ざさず、首脳レベルから専門家レベルまで多層的なコミュニケーションを維持すること
- 経済・貿易関係をできる限り安定させ、相互依存をリスクではなく共通利益として管理していくこと
- 戦後国際秩序の基本原則を共有し、一方的な緊張のエスカレーションを避けること
- ポーランドを含むヨーロッパの歴史経験やアジアの状況を踏まえ、歴史の教訓を意識しながら政策判断を行うこと
こうした取り組みは、中国とEUの関係を安定させるだけでなく、世界全体の平和と繁栄にもつながると考えられます。
中国EU関係50年と私たちが考えたい問い
中国EU関係は、50年の歴史を背景に、今後も世界の安定とルール形成に大きな影響を与え続けます。マクロン大統領の訪問や台湾をめぐる発言など、個々のニュースの背後には、「戦後国際秩序をどのように守り、アップデートしていくのか」という根源的な問いがあります。
今回の番組で示された視点は、中国とEU、そしてアジアとヨーロッパが、歴史の教訓を踏まえつつ協力の可能性を探ることの大切さを改めて思い起こさせます。日々の国際ニュースを追う私たち一人ひとりにとっても、目の前の出来事を戦後秩序という大きな枠組みの中で捉え直すことが、自分なりの視点を持つ第一歩になりそうです。
Reference(s):
Upholding the post-war order: 50 years of China-EU relations
cgtn.com








