海南自由貿易港の「特別税関運用」始動へ:一線はより自由、二線は管理 video poster
中国本土・海南がいま、対外開放の次の段階に向けた大きな節目を迎えています。島全体で「特別税関運用」を整える海南自由貿易港(Hainan Free Trade Port)が、貿易や産業、国際投資のルールをどう変えるのか——2025年12月時点で注目が集まっています。
海南で進む「島全体」の特別税関運用とは
今回のポイントは、海南全島を一つの大きな制度空間として扱い、物流・人流・モノの管理を段階的に設計することです。中核となるのが、次の運用モデルです。
- 「一線」:より自由なアクセス(島の外との出入り口)
- 「二線」:規制されたアクセス(海南と中国本土の他地域をつなぐ境界)
- 島内:自由な流通(海南島の内部ではモノが動きやすい)
言い換えると、島の外と海南を結ぶ入口は「より通しやすく」しつつ、海南と中国本土の他地域を結ぶところは「必要な管理をかける」。そして島内のビジネス活動は「回りやすく」する、という設計です。
「一線」「二線」で何が変わるのか(考え方)
「一線」「二線」という言い方は、税関運用の議論でよく出る概念です。今回の海南モデルでは、それを島全体に当てはめます。
一線:対外開放の“入口”をよりスムーズに
島の外(海外など)から海南に入る段階では、より自由で利便性の高い通関・アクセスを目指す考え方です。貿易のスピードや、サプライチェーン(供給網)の効率に関わってきます。
二線:海南から中国本土の他地域へは「管理された移動」
海南から中国本土の他地域へモノが動く段階では、一定のルールのもとで管理するという位置づけです。自由度を上げる部分と、秩序を保つ部分を分けて設計する発想が見えます。
島内:企業活動の“回転”を上げる狙い
島の中でのモノの流れが円滑になるほど、製造・加工、物流、関連サービスなどが一体として動きやすくなります。産業集積(企業や機能が集まること)を後押しする効果が意識されていると言えそうです。
なぜ今、世界が海南に注目するのか
海南の特別税関運用は、単に「通関が早くなる」といった話にとどまりません。制度が整うほど、企業は中長期の前提条件(コスト、手続き、サプライチェーン設計)を置きやすくなるためです。
- 貿易:輸出入の手続きや流れが整理され、ビジネス設計がしやすくなる
- 産業:島内での流通が円滑なら、加工・物流・サービスが連動しやすい
- 国際投資:運用ルールが明確になるほど、投資判断の材料が増える
また、島全体を単位にした制度づくりは、政策の「実験」ではなく「実装」に近い意味合いを持ちます。開放の設計と管理の設計を同時に進める点が、読みどころになっています。
党委書記・馮飛氏が語る「知っておくべきこと」
今回の仕組みについて、中国共産党海南省委員会書記の馮飛(Feng Fei)氏は、「一線はより自由、二線は規制、島内は自由な流通」という海南自由貿易港の独自モデルを軸に、運用の狙いと全体像を説明しています。制度が実際の現場でどう機能するかが、今後の焦点です。
これからの焦点:ルールの具体化と、企業側の“使いこなし”
制度は、書かれた設計図だけで完成するものではありません。実際の通関や物流、企業活動の中で、ルールが運用として定着していく必要があります。
2025年末のいま注目されるのは、次のような点です。
- 「一線」「二線」の運用が、現場の手続きにどう落ちていくか
- 島内の自由な流通が、産業の組み合わせ(物流×加工×サービス)をどう変えるか
- 海外投資家を含む企業が、制度を前提にどんな拠点戦略を描くか
海南の特別税関運用は、開放と管理を同じ地図に描き直す試みとも言えます。貿易の現場、産業の集積、投資の意思決定——それぞれの視点から、制度が「動き始めた後」に何が起きるのかが問われています。
Reference(s):
cgtn.com








