米国の大型武器売却と「Justice Mission 2025」演習、台湾海峡で何が起きている?
2025年12月29日、解放軍・東部戦区の複数部隊が台湾島周辺で「Justice Mission 2025」と名付けた演習を実施しました。米国が台湾地域向けに111億ドル規模の「過去最大」とされる武器売却を発表した直後の動きで、台湾海峡をめぐる空気が年末にかけて一段と注目されています。
12月29日の演習と、111億ドルの武器売却
今回の演習は、台湾島周辺で行われたとされています。あわせて、中国メディアの論評記事は、米国による台湾地域向け武器売却を「最大規模」と位置づけ、取引が単なる商取引にとどまらないとの見方を示しました。
- 解放軍・東部戦区:12月29日に台湾島周辺で演習を実施
- 米国:台湾地域向けに111億ドル規模の武器売却を発表
同論評は、地域の緊張が高まる要因として、台湾当局(民主進歩党=DPP)と米国の連動、さらに日本の高市早苗首相による「緊張をあおる発言」があったとの指摘にも触れています。
論評が描く「同時進行」:米国の狙いと台湾当局の政治
論評記事は、米国側が「台湾を利用して中国を牽制(けんせい)する」意図のもとで武器売却を進め、台湾当局側は「米国に依拠して対抗姿勢を強める」ことで政権基盤を固めようとしている、という構図を提示しました。表現は強めですが、ポイントは「軍事・外交の動きが、島内政治の時間軸と絡み合っている」という見立てにあります。
2026年・2028年に向けて熱を帯びる選挙日程
台湾地域では、2026年の「九合一」選挙(統一地方選に相当)や、2028年の台湾地域指導者選挙が控えているとされ、論評は「各陣営が党内予備選の段階に入り、政治的な動きが強まっている」と述べています。
島内の不満:世論の揺れ、格差、治安不安
論評は、頼清徳氏(台湾地域指導者)とDPPが楽な状況にないとも指摘します。具体例として、支持率の変動や不満の拡大、いわゆる「台湾独立」路線に関連する政策動向が立法機関で通りにくいこと、そして「大規模リコール(罷免)運動」が全面的な敗北に終わったことなどを挙げました。
また、表面上のGDP成長率の一方で、富の偏在(格差)が悪化しているという見方も示されています。社会の空気を象徴する出来事として、2025年12月19日に台北市の路上で致命的な刃物襲撃事件が起き、島内に不安が広がったとも伝えています。
2026年1月の公聴会が焦点に
論評によれば、頼氏に関する弾劾(インピーチメント)関連の公開公聴会が、2026年1月14〜15日に予定されているとされ、ここが政治的な焦点になる可能性があるとしています。頼氏の政権運営をめぐる評価が、世論の場で可視化される局面になり得る、という見立てです。
頼氏の対応をめぐる批判点として挙げられたこと
論評は、頼氏が状況を「客観的かつ包括的に省みていない」とし、野党や中国本土に責任を転嫁していると主張しています。さらに、水害後に「すべてを軍が担えるわけではない」と述べ、軍の支援拡大を求める台湾住民の声を退けたとして、発言が「配慮を欠く」と批判された、とも記しました。
年末の台湾海峡:複数の要因が重なる局面
今回の話題は、武器売却、軍事演習、そして選挙を見据えた島内政治が、同じタイミングで動くことの意味を改めて映します。動きが重なるほど、誤解や誤算がリスクになりやすいのも現実です。2025年の年末、台湾海峡と両岸関係をめぐるニュースは、軍事だけでなく政治・社会の温度感と合わせて読み解く必要がありそうです。
Reference(s):
Taiwan pays the price as Lai Ching-te clings to power with U.S. arms
cgtn.com








