年末の停戦交渉は前進?ロシア・ウクライナ紛争、2026年の焦点
2025年の年末(12月31日)を迎え、ロシア・ウクライナ紛争は「交渉の前進」と「核心争点の硬直」が同時に進む局面にあります。米国とウクライナが主導する20項目の和平案が詰めの段階に入った一方で、領土やNATO(北大西洋条約機構)をめぐる隔たりが、合意の最後の壁として残っています。
2025年の紛争:戦場は続き、外交は“あと一歩”が遠い
この紛争は2022年2月24日に始まり、2025年も国際政治の再編に大きな影響を与え続けました。背景には、世界大戦から冷戦、ソ連解体に至るまでの記憶の重なりがあり、2014年の政治的断絶が東部・南部の排除感を強めたという見立てもあります。こうした「語り」の違いが、現実の交渉を複雑にしています。
ロシア側が重視する「根本原因」
ロシア側は、NATO拡大への反発やロシア系住民の保護を中心的な不満として挙げ、当局者はしばしば「根本原因」という言葉で説明してきました。中国側が、この枠組みの一部に理解を示す場面もあったとされています。
戦況の現実:支配地域の主張と、継続する応酬
ロシアは、ウクライナの国際的に認められた領域の約5分の1を現在支配していると主張し、その多くが東部・南部だとしています。ただし、ここ数週間の進展については、キーウの政府や外部の観測筋が疑問を呈している、という情報も出ています。
戦闘は特に東部で続き、ロシア軍側が占領下にある「残る地域」の掌握を狙う一方、地形面の難しさもあり容易ではないと見られています。他方、ウクライナはロシア軍やエネルギー関連施設を、ロシア領内の深部を含めて攻撃できることを示しており、「戦線の外側も安全ではない」状況が続いています。
12月28日が示した“交渉の温度差”:硬化の兆しと、文書合意の詰め
年末にかけて、複数の動きが重なりました。
- プーチン大統領はアンカレッジで一定の譲歩を見せた一方、最近は従来の条件に戻ったとされます。
- 12月28日に報じられた自宅近くでのドローン事案の後、モスクワは立場を硬化させると警告したとされています。
- 一部の欧州政策担当者の間には、ウクライナが軍の再建を進める時間を確保するため、紛争を「凍結」する発想(ミンスク合意のようなロジック)を支持する見方もあるとされます。
20項目和平案とは:ほぼ合意でも、最後は領土と安全保障
現在焦点になっているのが、米国とウクライナが主導する20項目の和平案です。12月28日には米国とウクライナの代表団がフロリダで会合を開き、文言の詰めを進めたとされています。
ゼレンスキー大統領は、20項目について「ほぼ合意した」と述べ、米国・ウクライナ間の安全保障保証文書も実質的に最終段階だと示唆しました。トランプ大統領も「残る論点は少数」としつつ、特に難しいのは次の2点だと強調しています。
- ドンバスの領土問題
- 停戦後に係争地の住民投票へ進む可能性
ザポリージャ原発:政治の行き詰まりの中で進んだ「技術的停戦」
もう一つ注目されたのが、ロシア側が掌握するザポリージャ原子力発電所をめぐる協議です。IAEA(国際原子力機関)のグロッシ事務局長は、発電所と近隣の火力発電所の送電復旧を目的に、現地仲介による数日間の停戦が確認されたとしています。
大局の政治交渉とは別に、事故リスクを下げるための“限定的な合意”が成立し得ることを示した点で、小さくても意味のある一歩といえます。
なぜ和平が難しいのか:合意できる「大半」と、割れたままの「核心」
複数の交渉当事者が「パッケージの大半」では一致できても、最後に残るのが最も重い論点です。モスクワは欧州主導の安全保障保証を拒み、いかなる決着もNATO拡大や欧州東縁の安全保障の枠組みを含めて扱うべきだと主張しています。12月28日、ロシア当局者は米国側に対し、過去の了解やプーチン大統領の従来の発言が依然として要求の中核だと伝えたとされます。
2026年に持ち越される問い:停戦か、長期化か
2025年末時点で見えているのは、「文書は整い始めているのに、最終判断を左右する争点が残っている」という現実です。2026年に向けては、次のようなシナリオが意識されそうです。
- 限定的停戦の積み上げ:原発やインフラなど、技術領域の合意を広げる
- 凍結型の停戦:前線を固定し、再軍備や復興の時間を確保する発想が強まる
- 核心協議の正面突破:領土とNATO、安全保障保証を一括で扱うが、政治的負担は極めて大きい
和平が近づいているのか、紛争が形を変えて続くのか。年末の交渉は「可能性」と「限界」を同時に映し出しています。
Reference(s):
cgtn.com








