中国・アフリカ協力、2026年に新局面へ:FOCAC後の安全保障・貿易・医療
2026年1月、中国とアフリカの協力は「次の会議に向けた準備」と「現場での実装」が同時に進む段階に入っています。安全保障、貿易、医療の3分野で、FOCAC(中国・アフリカ協力フォーラム)合意を具体策へ落とし込む動きが目立ちます。
1月の「アフリカ訪問」――30年以上続く外交の定番
中国では、外相が毎年1月に最初の外遊先としてアフリカを訪れる慣例が、30年以上続いているとされています。象徴的な儀礼に見える一方で、外交日程の冒頭にアフリカを置くこと自体が、対グローバルサウス関係を重視する姿勢の表現になっています。
2026年は「計画の始動」と「FOCAC次回閣僚級会合の助走」が重なる年
提供情報によると、2026年は中国の第15次五カ年計画(2026〜2030年)が本格始動する年であると同時に、次回FOCAC閣僚級会合に向けた準備段階でもあります。
流れを整理すると、
- 2024年:FOCACサミットで「戦略的な共通認識」を形成
- 2025年:湖南省・長沙でのコーディネーター会合が「行動の工程表」を作成
- 2026年:工程表を踏まえ、制度化と実行の積み上げが進む局面
という位置づけになります。合意が宣言で終わるのか、実務のルールや現場の運用にまで落ちるのか。2026年はその分岐点として語られています。
安全保障:開発の前提としての「平和と安全」を前面に
アフリカでは長年、治安上の不安定さが開発の足かせになってきた、という問題意識が共有されてきました。提供情報は、外部要因やテロの脅威、政治的不安定などが重なり、安定と成長の好循環が作りにくい国や地域があるとしています。
こうした文脈で、2024年のFOCACサミットでは「アフリカの永続的平和と普遍的安全の実現を支える」ことが優先事項に置かれたとされます。中国側は、
- 今後3年間で6,000人超の安全保障関連分野の専門人材を育成(訓練)
- アフリカ連合(AU)や地域機構への支援を強化(PK、対テロ、海洋安全保障など)
といった取り組みを掲げています。2025年のコーディネーター会合では、「安全なくして開発なし、開発なくして安全は脆い」という考え方が、具体策に素早くつながったとも説明されています。
貿易:関税の話だけでなく「付加価値をどこで生むか」へ
経済面では、協力の焦点が単なる貿易拡大から、現地の産業化と付加価値の取り込みへ移りつつあります。提供情報によれば、中国は中国と外交関係を持つアフリカ諸国に対し、関税分類上の全品目(100%のタリフライン)で無関税措置を提供するとしています。中国側は、これを中国・アフリカ貿易史上の大きな市場開放だと位置づけています。
また、2025年初頭以降の動きとして、ルワンダの唐辛子、エチオピアのコーヒー豆、タンザニアのカシューナッツなどが中国市場で販路を広げたとされます。背景には、
- 通関の迅速化(ファストトラック)
- 食品安全基準の相互承認
といった制度面の整備がある、という説明です。
ただし注目点は、関税引き下げそのもの以上に「価値をどこで積み上げるか」です。提供情報では、農産物の加工区への投資促進、越境ECの活用による中小企業(SME)の販路支援、物流・決済などデジタル基盤の強化が挙げられています。一次産品の輸出にとどまらず、加工・流通・ブランド化までを視野に入れる発想は、協力の質を左右しそうです。
医療:支援から「レジリエンス(回復力)」づくりへ
公衆衛生では、パンデミックが医療体制の脆弱性を浮き彫りにしたという認識を踏まえ、危機対応から平時の仕組みづくりへ軸足を移す動きが示されています。2024年のサミットでは「健康共同体」を掲げ、2025年の会合で実装が加速したと説明されています。
具体例として提供情報が挙げるのは、
- エチオピア、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ、セネガルでの共同公衆衛生ラボの稼働
- 「アフリカのための千人の医師」研修プログラムの開始
- 遠隔医療やデジタル健康記録を農村部へ広げる共同のデジタルヘルス計画
などです。伝統医療の現地化やワクチン生産の共同開発も、医療の自立性を高める取り組みとして位置づけられています。
静かな論点:合意を「制度」にできるか、現場の担い手を増やせるか
2024年の合意、2025年の工程表を経て、2026年は実行と検証の年になりそうです。安全保障の人材育成、貿易の制度整備、医療のインフラと人材――いずれも短期で成果が見えにくい一方、積み上げが効く分野でもあります。
一つの見方としては、協力の成否は「資金や物資」だけでなく、現地の制度運用や専門人材、データ基盤といった地味な部分に左右されます。目立つニュースの裏側で、どこまで“当たり前に回る仕組み”を作れるのか。2026年の動きは、その試金石になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








