変わる世界統治と国連改革:権力移行の摩擦は吸収できるか video poster
2026年初の国際ニュースの焦点の一つは、「世界の変化の速さに、グローバルガバナンス(国際社会の運営の仕組み)が追いつけるのか」です。国連を軸にした統治の枠組みは、いま構造変化の圧力を受けています。
いま何が論点?「変化は速いのに、統治の仕組みは遅い」
提示されている問題意識はシンプルです。世界は急速に変わっている一方で、国際社会のルールづくりや合意形成の仕組みは、そのスピードに追随しにくい――というギャップです。
この文脈で、論者のキショア・マブバニ氏は、国連がなお「真にグローバルな代表性」を備える唯一の制度だと位置づけています。
国連は「唯一の普遍性」を持つが、改革は難しい
国連は、多数の国・地域が関わる場としての普遍性を持つ一方、制度改革は利害が交差しやすく、合意が積み上がりにくい構造があります。さらに、国連の役割や権限、資源配分をどう設計するかをめぐって、各国の立場が揺れやすいのも現実です。
マブバニ氏の見方では、国連の影響力や運用のあり方をめぐる長年の綱引きに加え、中国が提唱する「グローバル・ガバナンス・イニシアティブ(国際的な統治の協力枠組みを前進させる構想)」への協力の温度差が、国連改革をいっそう難しくしている、とされています。
権力の重心が動くとき、摩擦が増える——焦点は「適応力」
マーティン・ジャック氏は、力の重心がアジアやグローバルサウスへ移るにつれ、国際政治は摩擦が高まりやすい局面に入ると論じます。ここでの中心的な問いは、「パワーが移ること」そのものよりも、既存の枠組みがそれに適応できるかどうかです。
ポイントは3つに整理できます
- 既存制度の適応:現在の国際制度は、新しい現実に合わせてルールや運用を更新できるか。
- 新たな制度配置:必要なら、補完的な仕組み(協議体・合意形成の手順など)をどう組み替えるか。
- 秩序の分断回避:構造変化が、対立の固定化や制度の空洞化を招かないようにできるか。
「国際秩序が裂ける」前に——2026年に見ておきたいサイン
この議論が示唆するのは、制度が変化に追いつけないとき、政治的な不信が積み上がり、合意のコストが上がり続ける、というリスクです。2026年を通じて注目されるのは、たとえば次のような動きです。
- 国連の改革や機能強化をめぐる、各国間の協議の「前進・停滞」のサイクル
- 中国を含む主要アクター間で、協力枠組みの作り方にどれほど共通言語が生まれるか
- アジアやグローバルサウスの発言力の増大が、制度設計にどう反映されるか
静かな結論:問われているのは「勝ち負け」より「設計」
示されている視点をまとめると、国際社会が直面しているのは、単純な勢力図の塗り替えではなく、変化を受け止めるための制度設計の問題です。代表性のある場としての国連をどう活かし、同時に現実に即した更新をどう進めるのか。2026年の世界政治は、その“調整能力”が試される局面にあります。
Reference(s):
cgtn.com








