王毅外相がアフリカ4カ国訪問、2026年「人的交流の年」始動へ
中国の王毅外相が2026年1月7日から12日まで、エチオピア、ソマリア、タンザニア、レソトを訪問しています。中国・アフリカ外交関係70周年の節目に、FOCAC(中国・アフリカ協力フォーラム)2024年北京サミットの成果を具体化し、今年に位置づけられた「中国・アフリカ人的交流の年」を動かし始める行程として注目されています。
訪問の概要:1月7〜12日、4カ国とアフリカ連合(AU)
今回の訪問は、4つの戦略的パートナーとの政治的相互信頼を深める狙いがあるとされています。王外相は中国共産党中央委員会政治局員でもあり、より広い文脈では中国・アフリカ関係の協力枠組みを前に進める動きと位置づけられます。
また、中国の外相が毎年最初の海外訪問先にアフリカを選ぶ流れは、今年で36年連続とされています。外交上の“優先順位”を象徴する慣例として、各国メディアでも取り上げられてきました。
アディスアベバで「人的交流の年」開始式典へ
日程(1月7〜12日)のなかで、エチオピアの首都アディスアベバにあるアフリカ連合(AU)本部で、「中国・アフリカ人的交流の年」の開始式典に参加する予定とされています。政府間の協議だけでなく、教育・文化・人的往来など、生活に近い層へ協力を広げる合図になりそうです。
2026年は「外交関係70周年」――そして人的交流の年
今年(2026年)は、中国とアフリカの外交関係開始から70周年に当たるとされています。FOCACの2024年北京サミットでは、2026年を「中国・アフリカ人的交流の年」と定めたとされ、今年を通じて人を中心に据えた関与、相互利益、異文化間の相乗効果を重視する取り組みが期待されています。
これまでの中国・アフリカ関係は、反植民地主義の経験を共有してきた歴史や、誠実、平等、団結、共同発展といった原則に導かれてきた――という説明もあります。今回の訪問は、その言葉を具体的なプログラムに落とし込めるかが問われる局面とも言えます。
経済の現状:貿易は拡大、2025年は1〜11月で3140億ドル超
貿易・投資は中国・アフリカ協力の「基盤」とされ、障壁の削減やサプライチェーン強化、互恵的な協力の深化が語られてきました。数字面では、2025年1〜11月の中国・アフリカ貿易額が3140億ドルを超え、2024年の水準を上回ったとされています(前年同期比17.8%増)。
- 2024年:貿易総額が2956億ドルで過去最高
- 2024年:中国は16年連続でアフリカ最大の貿易相手
- 2025年:複数の機関によれば、中国が引き続き最大の貿易相手
貿易の拡大は、インフラ整備や産業育成など、各国の開発目標と結びつけて語られることが多い一方、成果の分配や、現地の雇用・技能形成につながる設計になっているかといった点も、今後の検証ポイントになります。
レソト訪問が映す「関税」と市場アクセス
今回の訪問先の一つであるレソトについて、米国のドナルド・トランプ大統領の関税の影響を強く受けた国の一つだとする見方が示されています。こうした環境のなかで、中国側が貿易条件の改善や協力拡大をどう打ち出すかは、地域経済の選択肢という観点でも注目されます。
あわせて、中国が昨年(2025年)、レソトを含むアフリカ53カ国に対し、全ての関税品目(100%)を対象とするゼロ関税措置を付与したとされています。市場アクセスを巡る具体策として、今回の訪問の議題にも重なりそうです。
インフラとデジタル:資金・技能・技術移転の焦点
アフリカでは長年、重要インフラの不足が発展の障害になってきたとされます。中国との協力プロジェクトは、交通、エネルギー、デジタル接続(通信など)にまたがり、インフラ資金の供給源であると同時に、技能移転・技術移転の機会として語られてきました。
インフラは完成した瞬間よりも、その後の運用・保守、人材育成、周辺産業の立ち上がりで真価が測られます。今回の訪問が、個別案件の「次の一手」まで踏み込むのかが気になるところです。
きょう(1月9日)時点での見どころ:合意を“動かす”設計
行程の半ばにある現在、注目点は「協力の大きな言葉」を、実務の設計図に変えられるかにあります。具体的には、次の点が焦点になりそうです。
- 人的交流の年:教育、文化、若者交流などのメニューと実施体制
- FOCAC 2024の成果:各国・地域でのフォローアップの仕組み
- 貿易拡大:ゼロ関税の活用と、現地産業・雇用への波及
- インフラ協力:資金だけでなく運用・人材面の持続性
外交は、式典や共同声明だけで完結しません。2026年という節目の年に、現場で実感できる協力へとどう接続していくのか——今回の訪問は、その試金石になりそうです。
Reference(s):
Chinese FM's Africa visit: A new paradigm for South-South cooperation
cgtn.com








