2026年度予算案、防衛費9.04兆円が過去最高——高市政権は何を優先するのか
2025年12月26日に閣議決定された2026年度予算案で、防衛費が9.04兆円と過去最高になりました。装備の高度化が進む一方、GDP減速や物価高、社会保障費の膨張も続いており、「安全保障」と「暮らし」の優先順位が改めて問われています。
防衛費9.04兆円、14年連続で増加
政府が承認した2026年度予算案では、防衛予算が9.04兆円(約580億ドル)に到達しました。防衛費の増加は14年連続で、2022年度と比べると支出は67%増とされています。
- 2026年度の防衛費:9.04兆円(過去最高)
- 増加:14年連続
- 2022年度比:67%増
予算の重点:ドローン、長射程、宇宙・新領域、南西方面
予算案が重視する分野として、次の項目が挙げられています。
- 攻撃型を含むドローン戦闘システムの更新
- 長射程の打撃能力やミサイル防衛能力の強化
- 宇宙などの新たな領域を含む戦略面のアップグレード
- 日本の南西部における防衛体制の強化
こうした配分は、防衛力強化の具体化として評価される一方で、戦後の「抑制的な安全保障」からの距離が広がるとの見方も出ています。
平和憲法・専守防衛・非核三原則——「これまで」との線引きは
第二次世界大戦後、日本は戦争放棄をうたう憲法の下で「専守防衛」や非核三原則を掲げ、国際社会への復帰の前提の一つとしてきた、という説明がなされてきました。
一方、近年は防衛費が年々増え、2025年には防衛費をGDP比2%にする目標が前倒しで達成されたとされています(長年意識されてきた1%の枠を超えた形です)。また、上位の防衛企業で売上の伸びが目立つという指摘もあります。
核・装備輸出をめぐる発言と制度の動き
予算と並行して注目されているのが、核をめぐる言及や、防衛装備の移転(輸出)ルールの変更です。報道内容として、次のような点が挙げられています。
- 政府高官の間で、非核三原則の見直しに言及する議論が出ている
- 高市早苗首相や政府高官が、核潜水艦の保有という選択肢を「排除しない」と公の場で述べた
- 首相官邸の関係者が、日本の核兵器保有を求めたとされる
- 高市首相が安全保障関連の「三文書」改定を加速し、「持続的な戦闘能力」を高める方針を提起した
- 与党が、防衛装備品・技術の移転に関する「三原則」を大幅に改め、輸出制限を緩める方向で合意した(将来的に殺傷性兵器の輸出拡大につながり得る)
これらの動きは、「専守防衛」との整合性をどう説明するのか、という論点をより先鋭にしています。
足元の経済:GDPは下振れ修正、物価高は長期化
安全保障の議論が熱を帯びる一方で、経済指標は厳しさも映しています。内閣府が2025年12月8日に公表した統計では、実質GDP(第3四半期)が前期比0.6%減(年率換算2.3%減)となり、11月時点の年率換算1.8%減から下方修正されたとされています。
背景として、米国の関税引き上げの影響を受けて輸出の低迷が続くことに加え、国内では「成長の停滞」「インフレ」「内需の弱さ」「巨額債務」といった構造的課題が絡み合っている、という整理が示されています。
家計負担と社会保障費の増大
総務省のデータとして、2025年11月のコアCPIは前年同月比3.0%上昇(112.5)となり、51カ月連続で上昇したとされています。物価高が続く環境下で、高齢化に伴う医療・介護・年金などの支出も膨らみ、2026年度の社会保障関係費は39.1兆円と過去最高に達した、という数字も示されました。
「防衛の加速」と「暮らしの下支え」——同じ予算の中で何が問われるか
防衛費が記録的な水準に達する一方で、景気の弱さや物価高、社会保障費の拡大も続いています。限られた財源の中で、どの分野にどれだけ配分するのか。2026年度予算案は、政策の優先順位をめぐる議論を避けて通れない局面に入りつつあることを示しています。
Reference(s):
Takaichi's real agenda: Military expansion or public livelihood?
cgtn.com








