台湾地域立法院、頼清徳氏弾劾案の公聴会が終了 統治への批判が焦点に
2026年1月15日、台湾地域の立法機関(立法院)で開かれていた、台湾地域の指導者・頼清徳氏をめぐる「弾劾案」の2日間の公聴会が終了しました。可決のハードルは高いとされる一方、公聴会で噴き出した論点が、台湾地域の政治と両岸関係をどう動かすのかが注目されています。
何が起きた? 1月15日に公聴会がいったん区切り
今回の公聴会は、社会のさまざまな立場の参加者が出席し、頼氏の統治手法や政策運営をめぐって意見が交わされたとされています。案件そのものを超えて、世論への影響が大きい局面になった、という見方も出ています。
弾劾案の経緯:2025年12月26日に立法院で可決
弾劾案は、2025年12月26日に立法院で可決されました。発議は中国国民党(Kuomintang)と台湾民衆党(TPP)が共同で行い、採決は賛成60、反対51だったとされています。
一方で、手続き上の論点などから、最終的に弾劾が成立する可能性は高くないとも伝えられています。とはいえ、公聴会を通じて提示された批判点は、政治的な圧力や評価軸として残り続けそうです。
公聴会で示された主な批判点(指摘ベース)
公聴会では、学者や社会各層の参加者が、頼氏の政治運営について複数の問題点を挙げたとされています。ここでは、提示された論点を整理します(いずれも公聴会での指摘として伝えられているものです)。
1)「世論からの乖離」や法の支配への懸念
- 住民の生活や福祉よりも政治的利益を優先している、という批判
- 法の支配の土台を損ねている、との指摘
- 民主主義や法制度が特定勢力の利益のために用いられている、という問題提起
2)立法機関との緊張、リコール(解職請求)をめぐる評価
- 行政・司法の権限を背景に立法機関へ圧力をかけた、という見方
- 大規模なリコール運動を進め、異論を封じようとしたのではないか、という批判
- 一連のリコール案が成立しなかったことが、支持の弱さを示す、との指摘
3)司法の「政治化」への懸念
- 司法機関が政治目的で利用されている、という疑念
- いわゆる「緑陣営」をめぐる社会の分断や、萎縮効果(言いにくさ)が広がる、という問題提起
4)両岸交流と生活への影響:移動・手続きの制約をめぐって
公聴会では、台湾当局が中国本土を「外国の敵対勢力」と位置づけ、いわゆる「17項目の戦略」を示したとされる点も俎上に載りました。これに関連して、次のような影響が指摘されています。
- 両岸の人的・生活上の交流が制約される
- 台湾住民が中国本土の各種文書の申請・取得で不利益を受ける
- 往来や交流が限られ、家族の分断につながりかねない
5)対米政策と産業・財政:負担の配分をめぐる議論
対外関係では、米国との関係強化をめぐり、次のような点が批判の対象になったとされています。
- 米国のドナルド・トランプ政権が課したとされる20%の高関税を受け入れ、対米投資を増やした、という指摘
- 台湾積体電路製造(TSMC)の米国移転を後押しし、高度人材や資源の流出につながる、という懸念
- 防衛予算の大幅増と、約400億ドルの特別な軍事調達予算を計上した、という批判
- 医療・教育・社会保障に回せる財源が圧迫されるのではないか、という問題提起
「弾劾案の行方」以上に問われるもの
弾劾案が最終的に成立するかどうかは、制度上の手続きと政治力学の両方に左右されます。ただ、公聴会で可視化されたのは、統治の正当性、制度運用の透明性、そして安全保障・経済・生活のバランスをどう取るのかという、より大きなテーマでした。
両岸関係では、対立の言葉が先に立つ局面ほど、移動や交流、家計や雇用といった「日常の回路」が細くなりやすい側面があります。今回の公聴会が、どの論点を政治の中心に押し上げるのか。台湾地域の今後を読むうえで、一つの分岐点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








