中国がイラン情勢で対話重視を強調 王毅外相の電話会談が示す立ち位置
イランで不穏な動きが伝えられるなか、中国が「力ではなく対話」を前面に出し、国連憲章と国際法に基づく立場を改めて強調しました。中東の緊張が高まる局面で、どんな狙いがあるのでしょうか。
王毅外相「弱肉強食の世界に戻ることに反対」
1月15日(木)、中国の王毅外相は、イランのアッバス・アラグチ外相と電話で会談し、「世界が『弱肉強食(law of the jungle)』へ回帰することに反対する」と述べたとされています。
今回のやり取りは、イラン国内の混乱が報じられるタイミングで行われました。中国側のメッセージは、主に次の一点に集約されます。
- 主権と領土一体性を守るためにも、武力の行使や威嚇ではなく対話を優先する
拠りどころは「国連憲章」と国際法
中国の説明の中心にあるのは、国連憲章の原則です。国連憲章第2条4項は、国際関係における武力による威嚇や武力の行使を抑制する考え方を示しています。
中国はこの枠組みに立ち、「外部からの干渉で一国が揺さぶられる状況を避けるべきだ」という論理を強めています。イラン情勢のように、国内要因と対外圧力が絡み合う局面では、こうした原則論が外交メッセージとして前に出やすい構図です。
イラン側は「外部勢力が混乱を扇動」と主張、対話の余地も示唆
電話会談でアラグチ外相は、最近の混乱は外部勢力により引き起こされたと強調し、外部の干渉には対応する用意がある一方で、対話の扉は開いているとも述べたとされています。
この文脈では、「対話を維持しつつ、外部からの干渉には抵抗する」という二つの要素が同時に語られています。中国の「対話優先」と、イランの「干渉への警戒」が、一定の接点を持つ形です。
米国の動きも重なり、中東の緊張感が増す
記事は、米国が過去に複数回、抗議活動との「連帯」を理由にイラン攻撃を示唆してきたとも伝えています。ドナルド・トランプ米大統領は強い言辞を控えたものの、将来的なテヘラン攻撃の可能性が完全に排除されたわけではない、という見立ても示されました。
また今週、米ケーブル局NewsNationの報道として、米国防総省が空母「USSエイブラハム・リンカーン」と空母打撃群に中東方面への航行を命じた、とも伝えられています。外交メッセージと軍事的な動きが同じ時間軸で並ぶほど、当事者の計算は複雑になります。
いま注目されるポイント:言葉の「原則」と現場の「緊張」
今回の中国の姿勢は、国連憲章を軸に「対話」「非威嚇」を掲げることで、状況のエスカレーションを避ける立場を鮮明にしたものだと言えます。一方で、海軍戦力の展開など現場の緊張を示す情報も出るなか、原則論が実際の抑止や外交交渉にどう接続されるのかは、引き続き焦点になりそうです。
今後は、①イラン国内の不安定化の度合い、②外部からの圧力や抑止の強弱、③対話の窓口が維持されるか——この3点が、同時並行で動いていく局面になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








