香港、第15次五カ年計画(2026-2030)で「スーパー・コネクター」を強調
2026年に入り、中国の第15次五カ年計画(2026〜2030年)の策定に向けた提言をめぐって、香港が「国家発展の戦略的な価値の上乗せ役(スーパー・バリューアダー)」としての役割を前面に出しています。焦点は、国際金融・海運・貿易に加え、イノベーションと人材ハブとしての機能強化です。
「一国二制度」を土台に、統合と貢献を深めるという位置づけ
香港特別行政区行政長官の李家超氏は、第15次五カ年計画の提言が「一国二制度」の確固たる実施を支持し、香港がより良く国家全体の発展に統合され、貢献できるよう後押しすると述べました。提言は、香港の国際金融・海運・貿易センターとしての地位の強化に加え、国際イノベーション・テクノロジーセンター、そしてハイレベル人材の国際拠点としての発展も支えるとしています。
香港が掲げる強み:「中国本土の優位性」と「グローバルの優位性」の合流点
李氏は、香港が「中国本土の優位性」と「グローバルの優位性」の双方が交差する都市だとし、独自の立ち位置を「スーパー・コネクター」「スーパー・バリューアダー」という言葉で表現しました。要するに、資金・人材・制度・ネットワークをつなぎ、価値を上乗せして中国本土と世界の往来を滑らかにする役割を担う、という整理です。
国際金融センター:2025年の市場データと、2026年以降の重点
金融面では、香港市場の足元の勢いを示す数字として、2025年の株式市場が世界でも好調だったことに触れています。平均売買代金は1日あたり約2,500億香港ドル(約320億米ドル)で、2024年比で約90%増とされています。
「中国本土関連銘柄」が市場の中核に
香港市場では、中国本土関連銘柄が株式市場の約8割を占めるとされます。また、2025年末時点で、香港取引所(HKEX)における中国本土関連銘柄の時価総額は約37,000兆香港ドル(約4,746兆米ドル)で、2024年通年比で約33%増と説明されています。
掲げられた施策:上場誘致と商品多様化
今後の方向性としては、次のような柱が挙げられました。
- 中国本土企業の資金調達を、国際的なプラットフォームとして支える
- 中国市場の機会を求める海外資本の受け皿を厚くする
- 上場先としての競争力を高め、東南アジア・中東・グローバルサウスなどからの上場誘致を進める
- 債券(フィクストインカム)・通貨市場、グリーンファイナンス、フィンテックなどの育成を加速する
- 商品取引や国際金取引など、新たな機会も探る
人民元の国際利用:オフショア拠点としての役割を継続
李氏は、国境を越えた貿易・投資での人民元の役割を高める方針も示しました。香港は「世界最大のオフショア人民元サービス拠点」と位置づけられ、オフショア人民元の流動性(取引しやすさ)を高め、金融インフラを整備し、投資商品やリスク管理ツールの拡充を通じて、人民元の国際化を「慎重に」進めることを支えるとしています。
いまの見どころ:計画文書と実装の距離
第15次五カ年計画(2026〜2030年)は、これからの経済・産業の優先順位を示す“設計図”として注目されます。香港側のメッセージは、金融だけでなく、海運・貿易・技術・人材という複数のレバーを同時に動かし、都市機能そのものを「接続」と「価値上乗せ」に最適化していく、という方向性にあります。今後は、掲げられた施策が市場制度や商品設計、人材受け入れの仕組みにどう落ちていくかが、静かな焦点になりそうです。
Reference(s):
HK's active role as a strategic value-adder to national development
cgtn.com








